生きてて、よかった(2)


旅の四日目は

公衆電話を見つけたら
時間を見て、実家に電話すると
約束していた通りに
見つけたところで電話をかける


父には、お寺の住職をしている友人がいて
私も、幼い頃から何度も会っている
その人の話を、たまたま

何の因果か、8月に実家に戻っていた時
父や母としていて
そのうち遊びに行きたいね
気候も良いところだし、と
お寺の名前をわざわざその会話の中でメモして
ご丁寧に、連絡先も
父が何故かわざわざ、教えてくれていた。


家を出る時、その連絡先は
持って出なかったけれど、

私が、寺社仏閣巡りが好きな事
8月にそのお寺の話をした事から

私が行方不明になっている時、
もしかしたら、そこに行くのではないかと
家族が思っていたらしい。

わたしはその時、人を頼るつもりがなく
また、深酒をして体の調子が良くなさそうだと
聞いていたこともあり、
訪ねるつもりは、なかったのだけれど。

富士山の近くを離れ、
そのお寺のある県に、移動していた四日目

母と電話で話すと

新しく携帯電話を買ったから、
そのお寺に、送る
連絡がつかないのが困るから
そのお寺に、電話を取りに行くように、言われ

そうね、わかった、取りに寄るわ

と返事をしながら

実際、いつ行けるとも、確実に行くとも
返事はしなかった。
ローカル線を乗り継いでの移動だから
いつそこに行くとも言えず。
携帯電話のない暮らしも楽しく

なければないで。
まったく、必要を感じていなかったから。

五日目。
前の日に移動して来たホテルは
間違えて喫煙室をとっており
他に行くあてもなく、我慢をしたけど
やっぱり場所を変えて
キレイな温泉宿に泊まりたいなと。

大きなスーツケースを持って
タクシーを呼んで移動した。

ある神社へお参りしたくて
このままここで、待っていてもらえますかと

今日が2日目だという、
新人のドライバーさんにお願いして
元来た道を、戻る時

なんとなく、会話が噛み合わなかったのか  
来た道と違うところへ向かっている気がして

これは、どこに向かっていますか、、?
聞くと、飛び上がるようにハッとして

申し訳ございません!!

ひとつ隣の駅に向かっております!!と

急にUターンで戻ろうと、慌てている

まぁ、でもいいです
もうすぐそこ、駅なんですよね、と

予定とは違う、隣の駅に向かい
駅前のロータリーを逆走しかけて
動揺している、あばれる君に似た
新人ドライバーさん。

久しぶりに、人と笑い

私もこういうの、よくやるから
大丈夫、わかります

急いでないので、大丈夫ですよ、と

心がなごむやり取りをして

駅まで、送ってもらった。

特急に乗りたかったけど
一つ手前のこの駅には、止まらない
まぁ、いいか
急ぐ旅でもないんだし、、

小さな駅舎について
大きなスーツケースを引きずっていると
駅員さんが駆け寄って
手伝ってくれる

その人とも、余計な話をして

だいぶ、時間を余計につかい

次の電車に乗れるかなと、ホームを歩いていた


すべりこんできた電車

スーツケースを引きずり、乗ろうとすると


なぜか、わたしの名前を
呼ばれたきが、する

下の名前で。

でも、さすがに

いやいや、こんな所で
気のせいだろう、と

深く気にとめず、電車に片足乗るところで

左側に、視界に飛び込んでくる
人影に気づく

私の名を、呼びながら
近付いてくる、


見ると、それは


まぎれもなく、


わたしの、母、だった。

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