大切な事を教えてくれた愛犬の病気

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後悔と自責の念にかられた…。



【2017年8月28日(月)】

この日は妻が休みを取ってくれていたので、獣医さんからの連絡は妻が受けてくれるようにしてくれた。


この日の「あずき」は、痙攣も起こしてなく、体を起こして流動食が食べれるようになっていた。

ゲージの中のタオルを変えるときに抱っこしても痙攣を起こしたりしていないみたいだった。

妻はその連絡を受けて、少し落ち着いていた。


明日はMRIを撮ってもらえる日。

妻と私は、明日まで何も起こらないことを祈りつつ夜を過ごした。



【2017年8月29日(火)】

この日は朝9時に獣医さんのところへ「あずき」を迎えに行き、そのまま大きな動物病院に移動した。

「あずき」は流動食もしっかり食べて、体調は良好だった。

目も輝きを取り戻していて、妻と私と会えたことが嬉しそうだった。


大きな動物病院は、自宅から意外と近く、10時前には到着したので少し車の中で待った。

待っている間も「あずき」は嬉しそうで、妻に抱っこされて嬉しそうな顔をしていた。

妻は「あずき」に会えただけで嬉しくて泣いていた。


11時になって、動物病院の先生に診察をしてもらった。

獣医さんからの診療状況を渡して見てもらったところ、脳よりもどちらかというと首が原因なのではとの

見立てで、首がしっかり写るようにMRIを撮るとのことだった。


MRIは全身麻酔。

妻と私は覚悟はしていたものの、同意書にサインするときは、やはり心配になった…。


MRIを撮ってもらっている間、妻と私は待合室で待つことにした。

昼ご飯を食べようと思うものの、お互いあまり食欲が無く食べ物が喉を通らなかった。


3時間程経って、MRIが撮り終わり、診断結果が出たとのことだったので、先生の元へ向かった。


先生からの

 「脳には問題はありませんでした」

との第一声で、

妻と私は胸をなでおろした。


本当に良かった。

水頭症や脳の病気であった場合、もう助からないのではと思っていたので、本当に安心した。


「あずき」の診断結果は

 「環軸椎亜脱臼」

だった。


首の第1頸椎と第2頸椎が何かの衝撃でズレてしまい、そのズレが神経を圧迫して痙攣を起こした

ということだった。


「環軸椎亜脱臼」はチワワだと幼少期に発生することが多く、しかも先天的なことが多いため、

先生は7歳の時期に発生するのは珍しいと言っていた。


何回か痙攣が起こっているため、もしかしたら完治はしないかもしれないが「手術」すれば治るとのこと。


 「手術すれば治る」


この言葉を聞いたときに、妻と私は本当に嬉しく、ホッとして、また目が潤んでしまった。


この手術は、難易度も高いができるだけ早く手術したほうが回復も早いとのことだったので、

最速で手術できる日をお願いした。


「あずき」の手術は、9月2日(土) 12時から実施してもらえることになった。



【2017年9月2日(土)】

「あずき」の手術当日。

12時から6時間かけて実施する大手術。


先生に「11時までなら面会できますよ」と言われていたので、午前中に面会にいった。

「あずき」は首を固定されていたが、その後は痙攣を起こすことなく、体調は良好だった。

面会に行った時、本当に嬉しそうで、目が輝いていた。


この日の12時以降はソワソワして、「あずき」の手術が終わるまで、自宅で何をしていたか

まったく記憶がない…。


18時頃に先生から電話。

恐る恐る電話に出る。


先生からの

 「手術は無事終わりました。今から面会できますよ」

との言葉。


その言葉を聞いて、本当の意味で安心し、目が涙で潤んだ。

この時の想いと感謝は、今思い出すだけで目が潤んでしまう。


手術後に面会をした時の「あずき」は、術後とは思えない程、ケロッとした顔をしており、

その顔を見るだけで

 「本当に良かった。無事に帰ってきてくれてありがとう」

と心の底から思った。


先生から「1週間程度したら退院できますよ」と言われたときの

妻と私の気持ちは言葉にできないくらい嬉しく、獣医さん、先生、スタッフの方、

そして手術を頑張って耐えてくれた「あずき」に本当に感謝の気持ちでいっぱいだった。




我が家に激震が走ったこの出来事から、もうすぐ1年。


「あずき」は無事に回復して、まだふらつくことがあるものの散歩できるまでに回復した。



私はこの出来事が起こるまで、「いつもの日常」が普通に来るものだと思っていた。

度々、仕事の忙しさにかまけて、家族のことがおろそかになることもあった。

「仕事が忙しいから仕方がない」と自分に言い訳をして…。



この出来事は

 「日常の当たり前と思っていることに感謝をする」

という人生で大事なことを教えてくれた。


「いつもの日常」が普通におくれることがどれだけ「幸せなこと」か。

妻が健康で、「あずき」「だいず」が健康で、自分が健康で生きられていることがどれだけ「幸せなこと」か。

「当たり前」と思っていることがどれだけの奇跡で、どれだけ周りの人達から助けられて生きているのか。


そして、過去を後悔するのではなく、明日を心配するのではなく

 「今日の1日を全力で大切に生きる」

ことを教えてくれた。


「今日の1日」の積み重ねが、明日からの未来を形作っていくのだから。


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