理想と葛藤する26歳女子が、一杯のホットミルクから「幸せの視点」を見つけた話

私は理想主義

私は、理想主義で、尊敬できる人や事柄に刺激をうけ「自分もこうなりたい」「こうあるべきだ」と自分と比較する。自分を取り巻く環境や人に対しても「こうあってほしい」という理想が先行してしまい、現実とのギャップに一人苦しんだりする。

そんな私に、新たなプロジェクトの話が舞い込んで来た。これを成功させれば、自分の理想に一歩近ける、何としても形にしたい仕事である。

意気揚々と気合いを入れてスタートしたが、如何せん”新たなチャレンジ”であり、初めてのことばかり。タスクは膨大、その中での優先順位を自信を持って決められなかったため、一体何から手をつければ良いのかとかなり焦っていた。その様な時に、成功している人や遠く離れた理想的な人の現状をSNS上で見つけ、羨ましさと自分への惨めさを感じ、センシティブになってしまっていた。


一杯のホットミルク

人の「成功」を羨み、「なぜ自分は出来ないのだろう」「理想を実現するためにはもっと違う方法があるのではないか」という考えにはまってしまったそんな時、ふと立ち寄った喫茶店。
夜風が冷たかった日だったので、ホットミルクを飲みたくなった。
小さなこじんまりとした空間に70代くらいのマスターさんと、私の2人だけ。
「はい、どうぞ。シナモンはお好きかな?もし良かったら。」
大好きなシナモン。心が温まった。
リラックスできたのか、今の心のつっかえをマスターに話したくなって、話してみた。
少しだけ話すつもりだったが、予想以上にどんどん言葉が出て来て、悪いとは思いながらも20分くらい話し続けてしまった。
マスターは一方的な私の話にただただ「うん、うん」と相槌をうって聞いてくださった。そして、私が話終わるとマスターは私に一つの問いを投げかけた。

「貴方の夢は素敵だね。その素晴らしい発想は、きっと今までしてきた貴方自身の経験が元になっていると思う。どの様なことを実際にやってきたのかを教えてくれるかい?」

未来は今の積み上げ、今を全力で楽しめたら未来も全力で楽しいものになる

たったその一つの問いに、私はハッとした。
「理想的な未来」のことばかりを考えすぎて、今のこの瞬間をいかに良くするか、いかに全力で楽しむかをいつの間にか忘れていた。
結局、私の理想への思考は、現実逃避でしかなかった。
理想と現実を比較し自分への惨めさを感じてセンシティブになり悲劇に酔いしれたり、現実を忘れ、妄想で作り上げたキラキラ輝くその世界に入り浸ったり。
壁にぶつかったことに対して向き合い、「今をどう捉えるか」、「今をより良くするために何ができるか」、その当たり前の視点をいつの間にか忘れて逃げに走っていたのだった。

「未来は今の積み上げ」でしかないのに、今の積み上げを放棄していたのだった。

おわりに

マスターは、マスター歴何十年の大ベテラン。
「貴方の悩みを引き出し、そこに気づきの質問を与え、そして幸せな気持ちになって帰っていただくことが少しでも出来ていたとしたら、それは何十年もの間お越し下さった御客様お一人お一人のお陰だよ。」
何十年、毎日出会う一人一人に全力で向き合い、その場を楽しむ努力を怠らなかったマスターならではの言葉だと思った。

もう一度自分自身問いたい。
「今この瞬間を私は幸せに過ごせているだろうか?」
「そうでないとしたら、今を諦めてはいないだろうか?」と。




著者の竹光 幸さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。