反対列車

いつものように駅に着く。

でも何だか気分がのらない。
このままいつものように同じ時刻の電車に乗ってもなぁ。
ホームのベンチで思案する。

電車が入線してきた。
ただし反対方向の電車だ。
普段なら気にも止めないところだが、その時ばかりは何かが違った。
(あぁ、何かこっちに乗ってみたい)
慌てて飛び乗る。

もう始業時刻には間に合わない。
でもそれでいいやと思った。
いつもと違うことをする。
そんな些細なことでちょっと気晴らしできた。

その日一日をどう過ごしたかはさすがにもう覚えていない。
ただ学校には行かなかった。

夏休み明けじゃなくてもこんな日はある。
だから夏休み明けが苦しい人は学校なんて行かなくてもいい。
どうしても家にいられないなら、いつもと違う道を歩いてみればいい(私はこれをやって補導されかけたが、今のご時世なら多分大丈夫)。
学校へ向かってしまう電車に乗りたくなければ、反対方向の電車に乗ればいい。
自分を守るべき道はきっといくつかある。
ただその道を探す余裕がなくなっているのだと思う。
どうか無理をしないでください。
無茶なことは考えないでください。
自分の命を自分で守ってください。
親御さんも先生も無理強いさせないでください。
生きることが第一。
生かされることが最優先。
選ばなくていい道もある。
乗らなくていい電車もある。

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