お金を貸した彼女の幼い頃の境遇
最近、ある彼女にお金を貸した。
税金や家の更新費など、ダラダラと40万円。私は貸した。
今までこんなこと無かったのに。どうしたんだ?
今から思うと、簡単にお金を貸す私にアジをしめたんだと思う。
返してくれるかわからない。
「借金はくれてやるつもりでやれ」と言われる。
まさにそうで自分もまともに全額返ってくるなんて思っていない。
私は返ってこない前提でお金を渡している。
なぜ渡すか?善意の部分もあるけど、どちらかというとその人を測るための手段。
「お金を返す」という行為に人間性は見事に表れる。
そこを見たい欲求が強い。
人に迷惑をかけるのがイヤという人であれば、お金を借りない。
そうすれば、正しく人に「借り」をつくらないで済むのだ。
彼女は、多少、人の心はあって、これだけの大金を借りるには、自分の境遇を話さなければと決心した様子。
彼女がずっと家族のことを話さないことを私も気になっていた。
ただ個人的なことになるので、詮索することもなくきていた。
しかし今回、これだけのお金も貸すので、私もなぜこれだけのお金が必要なのか知りたい。そして返すアテがあるのかも知りたかった。
そして彼女に切り出した。「ご家族は?」と。
そうしたら「孤児院」育ちということがわかった。
別の施設には、血のつながったお兄さんがいて。もう音信不通。
父親はもともとおらず、お兄さんとは腹違い。
母親は病気がちで子どもを育てられる力が無かったらしい。
それで彼女たちは、孤児院に預けられた。
まだあまり詳しくは聞けていないけど、友人で孤児院育ちの人に会ったのは初めてだった。
その彼女を通していろんなことを考えさせられた。
両親がいても子どもが必ずしも幸せとは限らない。
家族の形。天涯孤独とは? まだいろんなことを考えている。
私が彼女に会ったことには意味があって、神様は、私に、「ここから何か考えなさい」とお題を出されている気がしている。
彼女はこれから本当にお金を返すのか?
それは誰もわからないことであって。
彼女のふんばりどころでもあって。
彼女がここをクリアできたら、また何か新たに始まるんだろうなと思う。
完済まで、期間はどれぐらいかかるのか?
途中で逃げ出すのか?
私は、他にも、50万円貸して1円も返してくれていない友人がいる。
アテにしていないけど。
まあ、その人はその人で。これからどうなるのか。
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