失ってから人は初めてその大切さに気づく。
本当に大切なものは失ってから初めて気づくものだ。
本当に大切なものは失ってから初めて気づく。
よく言われる言葉だが、身を持って知ることでその言葉の意味が痛烈な痛みとともに心に突き刺さる。
彼女のくったくのない笑顔の裏に隠れた悲しみに、なぜ気づけなかったのか。彼女が悩みを打ち明けた時、仕事で疲れているからといって、なぜ親身に聞いてあげることができなかったのか。
彼女がそばにいる事が当たり前になっていて、思いやりというのを忘れていた。自分本位な言動で知らぬ間に彼女を苦しめていた。
そんな私に対して、ついに彼女の不満が爆発した。激しい喧嘩に発展した。喧嘩当初、彼女の言っている事を素直に受け入れられなかった。私にも言い分はある。なぜそこまで言われなければいけないのかと、私も自分の感情を抑えられないでいた。
翌日、仕事から彼女の家に戻ると、私の荷物が一箇所にまとめられており、テーブルには置き手紙が置かれていた。
「もう無理だと思いました。合鍵を置いて出て行ってください。色々ごめん。元気で。」手紙を読んだ瞬間、膝から崩れ落ちて泣いた。その時ようやく気づいた。自分の中で彼女がどれほど大きな存在だったのか。
しかし、何もかももう手遅れだった。
一月後、彼女は結局元彼と元サヤにもどっていた。
後で知った事だが、どうも彼女はその元彼に泣きながらプロポーズされたそうだ。
もうどうにもできない。私の元には彼女は帰ってこない。
二度と彼女と会う事はできない。そう思うと涙が止まらなかった。失ってから気づく彼女の大切さ。
過去に戻ってやり直せたらと何度考えた事か。
しかし今この状況が現実。今私にできる事は過去の過ちから学び、自分を変えていくことしかない。
この経験を生かさなければ、私はまた同じように大切な人を失ってしまう事になるから。
変わる事は決して簡単なことではないが、少しづつ、人間として、一人の男として成長していかなければと、心に深く刻んだ。
あなたの親御さんの人生を雑誌にしませんか?

著者のMarlboroさんにメッセージを送る
メッセージを送る
著者の方だけが読めます