訪問歯科はスタッフのメンタルが試される。都会のど真ん中で訪問歯科をして、歯周病菌で誤嚥したとき寝たきりだと死ぬこともある話。

歯医者さんは、変わり者が多いことをご存知だろうか?歯科衛生士も変わり者が多いので、人のことは言えないが。








 
 歯医者は、二世、三世と親も歯医者であるひとと、親はサラリーマンだけど自分は歯医者になると決めたひとでは、スタートラインが違う。


二世、三世には、歯科医院も用意されており、親からの患者さんもついてくるが、自ら開業医となりオープニングスタッフを集めて開業医になるひとは、よほどの集客できる技術と人柄がないと、


コンビニより多い歯科医院のいまのご時世、開業して3年以内につぶれる歯医者は掃いて捨てるほどある。


 私たち、歯科衛生士は、技術さえあれば、あと院長先生と相性があえば雇ってもらえるものの、その勤務先がいつまで存在するかは、誰にもわからない。


 訪問歯科も、都会のど真ん中にある歯医者に面接に行ったことがきっかけで、訪問歯科衛生士になったことがある。上の子を妊娠する前の、独身時代最後の勤務先のひとつだ。





 院内の歯科衛生士として面接にいったのに、なぜか訪問の衛生士さんがやめて、後がいないから次がくるまで、と言われて、週3で訪問歯科の衛生士になると、訪問をやりたいという衛生士がなかなかこなくて、自ら辞めるまでずっと勤務することになってしまう。

要するに騙されました。ハイ。勤務してから話が違う~というのはこれが初めてじゃありません。でも勤務してみないとわからないんですよ。そして独身時代、家賃や生活ある地方出身の正社員とかですからね。すぐに辞められないんですね、仕事。
 週3もまた微妙で、週2でよその歯科医院と掛け持ちしました。

貧乏暇なし。



 訪問歯科衛生士、何が大変かというと、居宅と老人ホームと2ヶ所に口腔ケアにいきましたが、居宅は1日八件くらいを目安に都内から千葉県を周りましたが、

移動と材料持ち歩くことと、各家庭によってエアコンもさまざま、高齢のかたによっては扇風機、生活保護のお宅はあがると靴下が真っ黒になるようなお宅から、お金もちで、都会のど真ん中に三階建て、庭もあり、エレベーターまでついていて、庭にご主人の銅像のあるお宅や

コマーシャルや邦画にでたことのある犬を飼われている方から、某アニメや漫画をかいているかたまで、とにかく都心の患者さんは、普段生活していたら、絶対に会わないであろう患者さんに会えたのは、

その都心のど真ん中の法人グループの歯科医院に勤務したからです。


 分院長先生に個人的に雇われたために、法人グループ理事長と分院長が仲がよろしくないの、知らなくて

理事長先生は自分が採用したスタッフは美人、美少女中心で、分院長の雇っているスタッフは、気に入らないようで、嫌がらせを数回うけたけど

 分院長や訪問先をまわるドクターから一緒に仕事をして、信頼されて庇われていたので、首にならずに、理事長も最後は私に嫌がらせをしなくなりました。



周囲に自分を庇ってくれる人や味方がいると、理事長といえど、首にしないことを知りました。


 学生時代から患者さん受けもよかったのも、いつも仕事をするうえで、自分を助けてくれています。自分を信頼してくれる人や患者さんは今後も大切にします。


 さて、その訪問をしていて
記憶に残るエピソードのひとつが
 デンタル、小さなレントゲン写真を個人宅でとったときです。



 レントゲン、訪問用があります。重たくて、現像もいちいち本院に戻る必要があるため、めんどくさいですが、寝たきりのひとは、レントゲンのために歯科医院にくるのも困難である場合、ご自宅で写真をとるのです。




 そして、歯科医院じゃないので放射能区域の部屋があるわけじゃないので、撮影するとその場にいる全ての人が被爆します。
 コントみたいですが、全員微量ですが、被爆すると知ったときは


 どうするんだよおおおお!と思ったのを覚えています。



 また歯の型どりをして、石膏をついで模型をつくるのも、バイブレータという石膏をねって気泡をぬく機械ももっていき、個人宅または老人ホームでつくります。


 型どりをしてから、なるべく早く石膏をつがないと、型どりしたものが時間とともに変形して、型どりの意味がなくなっていくからです。



 歯医者は、病院と違い、患者さんが亡くなっても直接知ることは少ないのですが、訪問の場合、週に一回訪問し、治療終了まで通うのですが


 たまに
翌週いくと、患者さんが亡くなっていることがありました。





 風邪をこじらせて、肺炎になり、亡くなりますが、一番多かったです。退院したとかなら、まだわかるけど、居宅で骨壺になっていたり、老人ホームでベッドが無くなっていると、少なからず私もメンタルに来ました。


 院内で歯科衛生士をしていたときに、自費率をあげるために契約とるために、やたらと勧めていたインプラントですが


 寝たきりになると、インプラントはデメリットばかりで、自分で歯磨きをできる寝たきりのかたならともかく、自分で磨けなくなると、家族に歯磨きを介助として頼むのですが


だいたいヘルパーさん頼りにして、家族がやらないところだと、週に一回私たちがいくと、とんでもなく口腔内の汚れている患者さんがそこにいます。


 寝たきりで、介助する家族に恵まれた人ならまだいい。


 それでも家族も、最初からそうだったわけじゃなくて、介護していくうちに疲れていき、最後は放置ぎみになってしまう患者さんの家もあり、それは各家庭違うので


 こちらも強く要求は、出来なかったけど、週に一回の私たちの口腔ケアを楽しみにする患者さんもいて


 きつい口臭、1週間歯磨きしていない口腔内は、とても汚いけど

 そしてその汚さで、訪問歯科衛生士になっても心が折れていく若い新人歯科衛生士。


 老人ホームにいたっては、認知症の患者さんは、毎回、ケアする歯科衛生士を覚えてなかったり、猜疑心が強くなる患者さんだと殴りかかる人もいたし、腕をおもいっきり歯形がつくぐらい噛まれたこともあった。


 何度か

訪問歯科衛生士辞めようとおもったけど、次の衛生士さんがなかなかみつからず、ずるずる仕事をしてました。


 時給は、よかった。時給は、よかったけど、なぜ時給が高いのか、それはやり手がいないからかもしれない。

 ブラックなところだと、時給がコンビニレベルで働かす訪問歯科医院もあるそうなので、ここは
まだ良心的なのかもしれない。




 子どもができて、つわりがもしあったら仕事に穴をあけると考えて、妊活するときに訪問はやめて、院内で個人歯科医院で働くことに決めて、訪問歯科衛生士は引き継ぎをしてやめる。




 歯医者に、患者さんがやってくるのを、当たり前にしていた頃と、訪問を経験した私は、患者さんがくるのを当たり前としなくなった。




 亡くなるケースもみてきたけど、寝たきりの患者さんが回復して、歯医者に通いますって言ってくれた患者さんも数人いた。





 私の訪問を、とても喜んでくれた寝たきりの患者さんの笑顔で、いろんなきついことを乗り越えた。


 メンタルの弱いひとは、訪問歯科衛生士が続かない。人は寝たきりになったとき、介助する家族がいればいいけど、家族がいても、その家族との関係がそれまで良好であっても、介護というものは、とてもきつく、大変で、それが愛する家族であっても、
疲労困憊した家族がどうしようもなくて放置してしまう現実。



 そして口の中が汚いひとほど、免疫がさがり、体力のさがったときに、歯周病菌を誤嚥して亡くなることがあることを、知って欲しい。


 いつでも口のなかは綺麗にしておきたいものだ。口のなかは、食事をするお皿と同じでピカピカにしておけば病気にもなりにくいが、汚ければ死を招く。


 訪問歯科を経験して、気づいたことは、今後は院内勤務先でも生かしたい。
 

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