日本人が海外で働くということ

ざっくりとしたテーマですが、いままで一番レスポンスが良かったタイトルなので今回は別の視点で書いてみます。ざっくりしすぎて海外ってどこ?となってしまいますが、他のこの手の記事がだいたい海外なので都合上つかっています。内容はあくまで一個人の感覚です。日本を離れて外国で新しいことにトライしたいという人も沢山いることを知ったので、少しでもお役に立てれば幸いです。

結論からいうと、今の時代どこに住んでも同じです。(きっと)私もそうですが極端にいうと仕事場とジムと家の往復、状況に応じて出張。時間の80%家の半径3KM圏内で過ごしています。毎日ずっと出張という人もいますが、それは日本ベースでも同じことです。

私のいるベルリンのFull Nodeでは遠隔会議ルームがたくさんあります。

Full Nodeのブロックチェーン企業はどこも世界に分散しており、中央のロケーションがあまりないため、ちょうどカメラの写りやすい場所にホワイトボードがあり、違う場所の仲間や顧客と会議がしやすい設計になってます。遠隔会議の技術はARやVRによりどんどん改善されていくとおもいます。となると、遠隔会議がますます主流になり会うことは決めのイベントやコラボのイベントになっていきます。

唯一大きくに作用するのは子供の教育じゃないでしょうか?これはロケーションにかなり依存してしまいます。これはまた別のテーマで考えたいものの一つです。

海外で就職について:日本語で教育を受けた人にとって一部の例をのぞいて日本が最も仕事がしやすく、待遇もいいと思います。また、他に待遇がいいと思われるところは周りの話を聞いていると例えばシンガポール等が挙げられますが、そもそもシンガポールで良い待遇を得られる人は日本で交渉力をもってさらに良い待遇でいけるはずなのであまり違いはないと思います。私の住んでいるベルリンからするともう2年ほど就職活動はしていませんが、そもそも3〜4ヶ国語できて開発言語もできる欧米人と同じ条件で企業に雇用されるケースは難しく(自分がオーナーの視点になれば当然)一部の技術職や専門職を除くと難しいと思います。そしてこの一部の技術者(特にIT系エンジニア)や専門職(弁護士、研究者、医学関係者)は日本でも好条件で仕事を得られるのであえて頑張って海外でやりたいというひとは少ないです(この層はもっと身軽にひらひら国境を移動しています。)

ドイツの場合、残念ながらアジア系の社会的地位、というか理解がまだまだ米国の都市部等と比べると少なく、同じ条件なら彼らの顧客を不安にさせない、かつ低い給与水準でもOKな白人の東欧系を雇用主は選ぶケースが多分おおいでしょう。(同時にアジア系で有名企業の創業者などもベルリンにもいるので、やりかた次第で勝負できることはいうまでもありません)日本人であることが有利になることはありません。そこは現実を直視する必要があります。ただし、オタク業界に限り日本人であることがValueになります。ValueというかKINGになるような感覚です。欧州のオタク業界では誰もが彼らの想像する日本人像に近づくために必死にタイヤキをたべてアニソンをカラオケで熱唱しています。

たまに海外の労働環境がよく、日本が悪いという意見を聞きますが、そもそも日本、(ただし、多くの場合東京に限る)にも高待遇で時間もフレキシブルなサラリーマン職は結構あり、東京でまっとうにレールにのり出世でうえを狙うというのはある意味、堅実な良いキャリアで、おそらくこれは世界の主要都市であれば状況は同じでしょう。ベルリンでも例えばMBBのような戦略コンサルのような仕事は、知り合いをみているかぎり東京と働いている時間はかわりません。かといって長く働くのがブラックというのも単純すぎることで、やりがいがある仕事であれば自分から一日16時間働いても、それが許されるなら別に苦でないでしょう。

もうひとつ、これは一般化するといけないかもしれませんが、日本からの事業家がプレゼンやパブリックでスピーチをして、例えばベルリンだけみると、他のアジア系と違うところは、なんでもかんでも頭に”Japanese”をつけたプレゼンをしがちなところです。Japanese Startup, Japanese Accelerator, Japanese Design, Japanese Innovation Hub とかあるいは、Cool Japanもそうですが、たとえば、アメリカ人がAmerican Startupとかいっているのを聞いたことがありません。ドイツはMade in Germanyというのがたまにありますが、個人的には全く響きません。国名を頭から取るとそれだけでだいぶグローバルになります。そもそも企業は登記されている場所のものなので、日本人がエストニアで登記してベルリンで経営している企業はエストニア企業になります。経営者が何人かも関係ありません。私もこれはやってしまいがちなポイントなので、全面否定できませんが、私はこれがどうも日本の国際化を妨げる元凶な気がしてなりません。中国や韓国の企業はすでにそのプロダクトがどこから来たのか、だれが会社を経営しているかについて、それがカリスマ経営者ならアプローチになるかもしれないけれど、何人かについては触れることはまずありません。むしろ触れたら差別的とみられる傾向のほうが今は強いと思います。これは政府があえてそうした流れをつくっているのかもしれません。その場合は変えたほうが良いと思います。

当たり前ですが、良いプロダクトやサービスはそれが日本発である必要はユーザにとってほぼ関係ありません。(地域とのつながりを売りにするケースを除く)私も便利なのでオンラインバンクはRevolutを使い、レンタルバイクはMobike、タクシーはUberやTaxifyを日常的に使いますが、それらが、ロンドン発、北京発、カリフォルニア発、タリン発であることを意識することはないです。ある意味UXもユニバーサルでどこ発かがわからないのが良いサービスの条件の一つだと思います。

また前回の同じタイトルのブログ1でも書きましたが、極端に現地化を目指すのは足をすくわれます。ドイツを例すると独語を頑張ってC1以上にしても、10歳以下からずっと住んでいた場合を除き、ネイティブには決して勝てず、むしろよくがんばったと上から目線でいわれるだけです。特に外国人がやるビジネスでは現地語にするといっきに相手を有利にするので英語が基本、懐を掴むところだけドイツ語を戦略的につかうほうが経験上よいです。私は日常生活ではドイツ語を使っていますが、ビジネスでは避けるようにしています。契約書などの書類もドイツ語で進んでしまうとあとで第三者に提出が必要なときなどに翻訳費用ばかりかかってしまいます。ここは非英語圏独特の悩みかもしれません。

少なくともベルリンでは積極的に自分を外国人枠と相手に積極的にみせたほうが、商談がすすめやすく、多くのスタートアップや先進的な取り組みをしている大企業では外人枠フレームワークで物事が進むのでそのほうが信頼されると思います。(そしてそのほうがずっと一般的なドイツの進め方より早く効率的です。たまに海外にいけばグローバルとおもってるひとがいますが、海外もドメは度ドメです。)また仕事の進め方についてはこの外人枠でやる限り、六本木の外資系の進め方とほぼ変わらないので、海外で働きたいというひとは東京の外資系で働く経験はあると良いと思います。

現地言語を話すほうがコミュニティに入れるはよく言われることですが、私はそうはおもいません。あくまで自分が何者か、何が発信できてコミュニティに貢献できるかが大事で、言語だけはで入れません。普通に考えればそうです。現地言語を使えるメリットは否定しません。むしろビッグプラスです。ただし、過信は注意と使い方次第だということです。言語だけではいれば通訳さんですね、となってしまいます。一旦通訳とみられてしまうと相手の期待値はかなり限定的なものになってしまいます。

自分の言葉で話す、ということが外国人立場ならなおさら大事です。ググれば出てくるような情報はささらないし、上っ面で言語力だけネイティブでも中身がないと相手にされないとおもいます。これはどこでも同じです。

つきなみですが、日本はすごいマーケットです。このことは海外在住者のほうが理解していると思います。東京は世界最大の都市圏で世界一大企業が集まる都市のひとつです。私が過去居たソフトウェア業界でも日本はたいてい世界で2〜4位の位置づけでどこも重要マーケットの一つと考えています。さらに日本語というある意味特殊言語でエントリーバリアが高く、お金のある外資系企業しか進出できません。これは日本語話者にはすごいアドバンテージです。

人口だけ見ると世の中完全にアジアの時代です。https://www.weforum.org/agenda/2018/09/this-fascinating-world-map-was-drawn-based-on-country-populations

なのでアジアの大マーケットの一つである日本にコネクションがあることは既にメリットです。海外出たい系のひとでここを勘違いしている人が多い印象です。日本のメディアみてると結構ネガティブなものもおおいですが、たぶん、煽ってるだけです。最近日本もスタートアップや起業するひとも増えて、良いベンチャーもたくさんあるし、20代かアラサーくらいの恐ろしく優秀な人達にたくさん会います。私ごときでは絶対勝てないような人達ばかりです。皆自信に溢れた人達ばかりです。日本人が国際的でないというのは絶対まちがいです。優秀な人ほど無駄に表にでようとしないだけではないでしょうか。

同時に私はこれからMicro Entrepreneurの時代が来ると思います。ベルリンはその流れ最先端をいっていると思います。人口だけそこそこいて大企業がほぼ皆無なこの世界で特殊な場所はアーティストや、知的好奇心旺盛な小規模事業のオーナーが沢山います。Startupという資金を集めて燃やして急成長というモデルもありつつ、データエコノミーやトークンエコノミーが一旦落ち着きつつも定着化しつつあるなかで、マルタやエストニア法人を活用しながらロケーションフリーなマイクロビジネスオーナーという働き方がより一般化しているように見えます。N26,Revolut, Leopay, Holvi等のモバイルバンクやJaxxやMetamask等で資金=Valueを移動かつ運用しつつ、純粋にテックの先端を競うのではなく、よりヒューマンタッチな感性を刺激するような価値を提案するビジネスが増えています。同時にRocket Internetのパクって燃やしてスケールはもう過去なイメージです。大企業+Micro Entrepreneur+フリーランサーのコラボが新しい価値を生み出しています。メルセデスやAudiなどはこの流れを上手く活用してスピンアウト企業を生み出しています。例メルセデスのCar2Go、ポルシェのXainなど

YC発ですがBonsaiは例えばフリーランサー向けの見積もりや請求書のフォーマットを提供する会社ですが、https://www.hellobonsai.com/

こういうのがY Combinatorからでたりすることはフリーランサー市場が単に増えるだけでなく、企業、アーティスト、起業家などと立場をこえてコラボし、昔のようにどちらかが搾取し、またされるのではなく、リーガルドキュメントのハードルを落とし、大企業だけでなく誰もがリーガルを有効活用して、そこにAIの有効活用などがはいり、”労働”ではない価値の出し方と”だれも雇われない働き方”に近づいていくと思います。

大企業とMicro Entrepreneurの力関係をEvenにするには知財や契約に関するLegalが必須で、Legalのハードルとコストをいかに下げるかでこの世界観が達成できるはずです。そのためリーガルテック関連は私はとても注目しています。リーガル+AIや、リーガルD-Appの動向に注目しています。

私が考えるこれからの”日本人が海外で働くということ”は、海外就職やインターンなどではなく、こっちの流れだと思います。 また現地法人への権限委譲が進んで収益率のよい会社の現地法人トップはたいてい現地の人になる現在、駐在員はどんどん減っています。わかりやすく言うと高城剛さんのようなタイプの移動し、広いジャンルをカバーして、大企業ともコラボ可能な法人も経営しているようなクリエイティブ事業家が世界で増えている、ということです。この流れでどんどん便利になるツールや、より国境を超えやすい仮想トークン等によるValueの交換方法を活用してMicro Entrepreneurとしてロケーション関係なく大企業やアーティストやフリーランサーと並列でコラボし事業をつくっていく立場になる。多くの国ではEntrepreneurは歓迎されているのでビザも実は降りやすいはずです(私はBlue Cardという比較的条件のよい雇用者ビザではいりましたが、牢屋のような外国人局で取得したのですが、起業したあとの方がきれいな外国人局で待ち時間もすくなく優遇感を感じました。気のせいかもしれませんが)

私が目指しているのはこうした時代のコラボレーションの場や、世界のロケーションフリーなMicro Entrepreneurたちが活用するツールを提供していくことです。一部プロトタイプもできてきているので徐々に形にしていければと思っています。

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