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【第1話】 田舎の魚屋がゴールデンタイムの番組に出たらとんでもない事になった話

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著者:
池澤 秀郎
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一通り撮り終わって、じゃー最後に軽くインタビューを、みたいな話になったんすよ。ええ?まんざらじゃあないけど、そんな事までするんだ。なになに方言コテコテの方がいい?いや、どっちでもいいス。あ、そっすか。

じゃあ僕が軽く振りますんで適当にお願いします、ハイ!えー今回、全国から応募された353品の中から、なんと24品に選ばれました!


!?


瞬間、その刹那の間に僕は察したね。あ、この人、サプライズでびっくりしたリアクション撮りたいんだ、って。我ながらこの空気の読みっぷりハンパない。空気読み界の巨人だわ。でも、俺いまいちピンと来てない。それがすごい事なのかどうか瞬殺で判断できない。どうしよ、どんなリアクションすればッッッ!

結果、、、マジっすか!みたいな月並みなリアクションしかできませんでした。いやね、誰も素人にそんないいリアクション期待してないっすよ。なに面白い人みたいに写ろうとしてんのよって感じなんすけど、でもね、ものすごい中途半端だったし、撮影隊が撮りたいのはこういう絵じゃないことだけは良くわかった。なぜならディレクターの顔が一瞬歪んだから。ご、ごめん!


すっかりお互いに溝ができてしまいましたが、撮影自体は滞りなく終わりました。僕自身の見所ナッシング。正直、自分もうちょっとできる子だと思ってたんです。その辺の三下芸人よりゃできちゃうぜなんて思ってた。だめだ、人として四流だわ。

そんな意気消沈する田舎侍を尻目に、当たり前のように「じゃ、来月東京のスタジオで収録ありますんでお願いしやーす」と。こっちも、あ、そうなんですねー、って。最後まで軽いなきみ、確認するけど、趣味ですごいカメラ持ってるだけのフリーターじゃないよね?

この後、東京赤坂TBSテレビに行くことになるのですが、この時田舎の魚屋はまだ事の重大さにまったく気付いてないのであった。


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