子どもの頃、幸せを探し回った話。

子どもの頃、よく四つ葉のクローバーを探していた。
それをみつけると、幸せになれるとか言って、日が暮れるまで、ずっと。

普段は四つ葉のことなんて考えないのだが、公園とかで遊んでいて、ふとクローバーに気づくと、「あ、探さなきゃ」などと思ってしまって、探し始めてしまう。
そうなってしまうともう止まらない。
みつかるまでずっと探し続けてしまうのだ。

四つ葉のクローバーがみつかって、「やった、いいことがあるぞ!」と思って家に帰ったら、「こんな時間まで何してたの!」と怒られて、「全然いいことないじゃん!」とか思うのに、そんなことはすぐに忘れてしまって、別の日にまた探してる。

子どもはいつだって幸せを探しているのだ。


大人になって、植物の本を読んだ。
色々な草花について、写真付きで詳しく書いてある。世界中の、見たことのない不思議な植物、色々な色の美しい植物がたくさんあった。

その中に、クローバーもあった。
そのページには、四つ葉や五つ葉以上のクローバー(56つ葉が世界最高らしい)についても書いてあった。
どういう条件で四つ葉以上になるのか。
それを理解したうえで探せば、すぐにみつかるに違いない。

私は早速本を片手に近くの公園に行ってみた。
すると、10分もしないうちに、四つ葉や五つ葉などがいくつもみつかった。私がみつけた最高のものは七つ葉だった。

私は調子に乗ってそのまま日が暮れるまで四つ葉以上のものを探し続け、両手いっぱいにクローバーを抱えながら、「こんなに幸せがいっぱい」などと言ってみた。

しかし、ふと公園を見回してみて、なんと虚しいことだろう、と思った。
もうここには幸運の四つ葉のクローバーは存在しないのだ。
私が全部摘んでしまった。
明日、どこかの子どもがふと、四つ葉を探そうと思っても、みつからないだろう。

本で得た知識をもとに、簡単に幸せをみつけてしまうことが、本当に幸せなのだろうか?
そこにあるたくさんの幸せを、独り占めしてしまうことが本当に幸せなのだろうか?

私はそれ以来、四つ葉のクローバーを探すことはしていない。。

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