カルトと言われる宗教、家庭連合(旧:統一教会)の2世に生まれて

私は世界平和統一家庭連合(旧:統一教会)という宗教の2世です。
2世というのは、信仰を持つ両親のもとに生まれた子供のことを指します。
2世の子供達は、生まれながらにしてその宗教の信仰を課せられます。何も分からない小さな頃から宗教の教育を受け、人付き合いや私生活にも縛りが生じます。

私の家庭は両親共働きで決して裕福とはいえず(それも今思えば宗教団体への寄付などが家計を圧迫していたのだなと思います)、教会も少し遠かったので、一般的な2世よりも信仰は薄い家庭だったと思います。両親も信仰を無理強いすることに罪悪感があったのか、現在の私はほぼフェードアウト状態で、教会に行ったり活動に参加することはしていません。
宗教家庭の2世として生まれ経験してきたこと、
そして、なぜその宗教から離脱したのか、家族との関係はどうなっているのかを書いていこうと思います。
※世界平和統一家庭連合は略して「家庭連合」と呼ばれていますが、私が2世として教育を受けていた頃は「統一教会」という名前でしたので、統一教会として進めていきます。

▼2世の子供の教育

2世として生まれた子供達は「祝福2世」と呼ばれ、教団内でとても可愛がられます。実は地域ごとに教会があり、ビル内のワンフロアだったり、立派な持ちビルだったりします。渋谷に日本の本部的なビルがあります。
統一教会は韓国の宗教なので、同じ2世の子達は年上の2世を「○○オッパ(兄)」「○○オンニ(姉)」と呼び合います。
週に1回、学校が終わった後に聖書の勉強をする勉強会に参加します。同年代の同じ2世の子達が地域の教会に集まり、2時間ほど勉強します。
毎週日曜日は教会での礼拝。ここでは子供達だけで歌やダンスといった出し物もしたりしますが、私は遠方と部活の忙しさを理由に、これには参加しませんでした。
その他、家では毎日統一教会の教祖である文鮮明の著書の朗読会をしたり、家庭ごとで簡易的な礼拝をします。朝5時に起きての礼拝は、子供心に辛いものがありました。
修練会という泊まり込みの勉強合宿のようなものもあります。2,3日のものから1週間くらいのものまで、2世の年長がリーダーとなり、聖書に基づいた勉強会やワークショップ的なものをやります。

▼異性交遊の禁止、合同結婚式


統一教会で有名なのは「合同結婚式」です。名前も顔も知らない信者たちが集められ、教祖による、いわゆる"マッチング"が行われます。
私の父と母はお互い日本人でしたが、生まれ育った地域にはかなり距離があり、なぜ2人が知り合ったのか、小さい頃はわかりませんでした。パートナーを選ぶ基準は謎ですが、父は中卒だったので、同じく中卒の母があてがわれたのだと思います。
統一教会の2世にはハーフも多く、合同結婚式では国際結婚も多くあります。特に韓国と日本のハーフは多かったように思います。このように、合同結婚式をすることを「祝福を受ける」といい、その家庭は祝福家庭、私たち子供は「祝福2世」となるのです。
ではすでに所帯を持った状態で祝福を受けた家庭の子供はどうなるかというと、祝福2世とは少し距離を置かれた扱いをされるようになります。可愛がり方に明らかに差があり、祝福2世でない子は「サタンの子」つまり「悪魔の子」といった扱いを受けます。
血脈がかなり重要視される統一教会では、恋愛はご法度です。2世の結婚相手は2世と決められています。兄や姉と呼び慕う仲を強要されているのに、兄弟と結婚するの…?と幼心に違和感がありました。その違和感を感じてからは、私は極力教会の集まりに行かないように、県外に進学するなどして距離を保つようになりました。
2世で幼い頃から教育を受けているとはいえ、普段は一般の学校に通う普通の子供です。当然、思春期には好きな男の子ができたこともありました。その度「どうせ結婚できないし」という諦めが先行し、私が特定の男の子と仲が良いという噂を聞くと、両親からコンコンと2世の在り方について説教をされたものです。
祝福者以外の人はサタン(=悪魔)に汚されているとする統一教会は、2世が一般の異性と仲良くなること、とりわけ男女間のセックスを異様に嫌います。某宗教のように輸血がNGということはないですが、欲望に身をまかせることを禁じ、個人差があるかもしれませんが、異性を誘惑するような服装も禁止されていました。祝福を受ける前に男女関係を持ってしまった場合、特別な修練会(セミナーみたいなもの)に参加しなければならず、教団内から異質な目で見られます。

▼現在の合同結婚式

現在は教祖が亡くなり、教団もあまりうまくまとまっていないようなので、結婚は教団内の祝福担当者が仲介人となり、2世同士のマッチングをしているようです。
履歴書のような書類を書かされ、それを教団に提出し、相性の良さそうな人を組み合わせます。結婚相談所が教団内にあるイメージでしょうか。
今はよくわかりませんが、昔の合同結婚式は初めて会う男女が結婚するということで、うまく家庭を築けず辛い目にあった家庭も多いと聞きます。幸せな家庭を築き、その祝福家庭を築いていくことが世界平和になるという趣旨なので、離婚できず苦しんだ信者も多くいるのではないでしょうか。

▼2世として生まれ辛かったこと

私は比較的ゆるい祝福家庭だったので、頻繁に教会に顔を出すことはなく、両親も昔ほど熱心ではないので、今は普通の生活をしています。
ただ、恋人ができたことはあってもそれを両親に言ったことはありません。流石に県外に進学、就職して一人暮らしも長いので、両親も私が男性と何もないことはないと思っているとは思いますが、両親に大切な人を紹介できなかったこと、好きな人の話や恋の悩みを言えなかったことは、さみしいなと思います。
嘘をついて恋人と外泊をしたこともありました。その罪悪感もあるし、恋人にも親が宗教に入ってて、と話したことはありません。大切な人に本当のことを言えない苦しさは、今でも少しあるかもしれません。
祝福2世は「神様の子」だと可愛がられるので、両親からも「私の子供だからここが似てるね」などということを言われたことがありません。あなたは神様の子供だから、と実の親に言われることも辛いものがありました。私は誰の子でもないのか、愛されて望まれて生まれたわけではないのか、と。
友達と同じようにミニスカートを履くとができない、恋ができない、好きな人と結婚もできないかもしれない。いろんなものを自然と諦めてしまうことが多かったです。

▼霊感商法について

霊感商法で裁判沙汰になったこともある統一教会ですが、子供だったのであまり詳しくは知りません。ただ家に大きなツボがあったり、見たこともないドリンクなんかが定期的に家に届いたりしていて、それは教会の商品だったと記憶しています。献金も毎月していましたが、これはどの宗教にもよくある話かもしれません。

▼2世として生まれ育った私の今

協会が統一教会から世界平和統一家庭連合に名前を変えたあたりから、教会内もゴタゴタしているらしく、両親も積極的に活動には参加していないようです。
私には兄がいて、その兄は高校生くらいの時に両親ときちんと話し、教会とは縁を切る道を選びました。兄の勇気は今でも心から尊敬します。もちろん最後に長めの修練会に参加させられていましたが、交換条件もたいなものだったのでしょう。私はそんなこと言えなかったです。父と母を否定するようなことも言えなかったし、怒らせたり失望させるのが怖かった。
兄が私を気遣い、両親に無理強いをしないよう言ってくれていたこともあり、2世としての私の生活はそこまで辛くはありませんでした。
県外に進学、就職してからは自然と教会との距離もでき(もちろん最初に地区の偉い人に挨拶は行かされました)、明確に教会と縁を切るという宣言はしていないものの、現在は一般人として生活をしています。実家に帰省すると2世とのお見合いを勧められたりはしますが、それは結婚適齢期をやや過ぎた娘へのお節介であって、きっと私が特別な男性を連れて行けば、喜んでくれると思います。
家を離れ何年も経って、私が大人になって、ようやくここまでの距離感になりました。老いた両親も今は私が幸せであれば特に文句を言うこともありません。
ただ、両親には申し訳ないですが、私は結婚し子供を産みたいとは思っていません。思春期に友達を悪魔の子だと言われ、仲良くするのはいいけど交わるなと言われ、叶わない恋しかできず、訳も分からず聖書の勉強をさせられ、何より、自分たちの子供だと言ってもらえなかったこと。それが私の中で少しトラウマになっており、子供を愛せる自信がないのです。
育ててくれたことには感謝しているし、愛情がなければここまで面倒を見ることなどできないと、頭では分かっています。
でも、無条件に愛される2人に望まれて生まれた子ではなく、祝福家庭を作るために生まれ、神様の子だから愛された、という思いが、私を素直にはさせてくれません。
早起きして行う礼拝、未成年でも聖酒と称し飲まされたワインのような飲み物。制限された愛する人との未来。自分の子供には同じ思いをさせたくない、でも2世として生まれてしまったからには、私が生む子は3世になってしまう。それならいっそ生まない方がいい。そう思って、もう10年以上が経ちます。その思いは今も変わりません。

今と昔で組織も変わっているでしょうが、これが私の統一教会2世としてのストーリーです。お読みいただきありがとうございました。

著者のharada agasaさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。