カザフスタン西部での出会いと恋 投資家として飛行機なしの世界一周 その14

ベイナウに着いたのは夜八時くらい。そこで深夜1時発アクタウ行きの切符を買おうとしたが、カザフスタンのお金、テンゲがない。両替所に行くと、そこでギリシャ系フランス人のアンナと出会った。この駅に外国人の旅行者は二人だけ。いやでも目立つ。そしてこの何もない辺境の地にいるということは、僕と同じく船でカスピ海を渡るということであり、自然と一緒に行動することになった。

そして両替を終え、切符売り場に長い間並んで、やっと自分の番が来たと思ったら、

「ニェット(ない)」。。。

切符が売り切れてる。売り切れてる可能性もあるとは聞いていたけど。。。

さてどうしよう?ベイナウの情報はまったくない。外国人が来るような所じゃないので安宿がある雰囲気もない。何よりすでに日が暮れていて、あたりは真っ暗なのであまりブラブラしたくない。

アンナと相談してバスかタクシーで行くことになった。

外に出ると簡単にアクタウ行きが見つかる。電車の席は少ないらしく、逃した人の需要があるらしい。

そしてバスの中を見てみると、

悲惨な状態だった。

ミニバスの、席のない後部の荷台?に15人ほどの人間が詰め込まれてる。

難民?

こりゃだめだと思ってタクシーの値段を聞いてみる。バスの二倍する。でもこのバスにはさすがに乗れない、タクシーに乗っちゃうか、と思っていたら、、、

アンナがさっさとバスに乗り込んでしまった。

何故か今更引っ込みがつかない状況になってしまい、僕も乗り込む。

体育座り。

バスがガッタガタに揺れまくる。

ケツが熱くて超痛い。

知らない子供の足が自分の体にのっかってる。

1cm刻みの場所取り争い。

このバスで一晩過ごすの?


道中何度バスが故障してストップしたか。。。



他の人は怖そうだが、俺は弱そうと見たか、足を伸ばすためにしょっちゅう僕の体に足をのっけてくる子供。


結局バスは8時間で着くはずが、14時間かかった。俺はもう途中で居直ってしまっていて、もうどうにでもなれという感じだったけど。。。

最近じゃどんなキツイ状況にも何故かすぐ慣れる。面白いとさえ感じてしまう。麗江の入院生活に比べれば屁みたいなもんだ。まぁそれでも客観的に考えれば、今までで最もキツイ環境のバスだった。
ただ、星は今まで見た中で一番きれいだった。

アクタウに着くと宿で二人の旅人と会った。一人はセルビア人のダンコさん。もう一人はプエルトリコ人のマリクルーズさん。なんと二人は日本語が話せた。特にダンコさんはペラペラで、北海道大学で地質学の博士号を取ったという。しかも英語とセルビア語はもちろん、スペイン語とロシア語まで話せる。

さらに驚いたことに、二人は五万円で買った三菱の軽自動車で、新潟からウラジオストックに渡り、シベリアを通ってここまで来たという。

アクタウでは外国人が自分一人の可能性も覚悟していたので、旅人に会えるどころか日本語が話せる人に会えるなんて、ホントに幸運なことだった。
アクタウの船はかなり不定期で、最大で一週間待つこともあると聞いていた。そして実際僕らは「明日来る、明日来る。」と言われながら、結局6日間船を待った。

その間ロシア語の話せるダンコさんが、携帯で毎日船の情報を聞いてくれていたので楽だったが、一人だったら本当に大変だったと思う。

毎日宿から港へ行ってはつたないロシア語で船はまだかと聞き、明日来ると言われて翌日行っては明日来ると言われる。そしてアクタウは近くに見所がないので他にやることがあまりない。

途方にくれてたと思う。

でも実際はダンコさんが車で遠くの色んなところまで連れてってくれ、夜は草原の真っ只中や、カスピ海の砂浜にテントを張って野宿をし、ずっと4人で過ごしていたので、少しも退屈しなかった。

退屈しなかったどころか、最高の旅が出来た。

素晴らしい一週間だった。

ここらへんは野ラクダがいっぱい。


360度見渡す限り草原の中のユルタを訪ねる。ユルタの中には夫婦がいて、お茶をごちそうしてくれた。
今朝、オオカミの襲撃があって羊が襲われたということだった。
この夫婦はずっと二人だけで生きていると言った。
世界にはいろんな生き方がある。


一週間の冒険の後、僕たちはやっと車に乗ることが出来た。


船の中で最後の日の夜、アンナと二人、船室で色々なことを話した。僕は漢字について話した。「火」や「鳥」の字を書いて、元々は絵のようなものから生まれたんだと説明した。絵が好きなアンナは、興味深そうにあれこれ質問した。例え知らない漢字であったとしても、ある程度の知識があれば、「炎」や「鳴」など、読み方、もしくは意味を類推できるものが多いという話をした。
そうして一通り話し終わった時、ちょうど日が沈むところで、部屋の中は暗くなっていた。窓から差し込む光がアンナの腕を照らしていて、産毛を金色に照らしていた。僕とアンナはキスをして、そのまま抱き合った。



ダンコさんは頭が良くて海外経験も豊富で、ホントにかっこいい人だと思った。

マリさんは海洋生物学を勉強していたといい、優しくて日本語のしゃべり方がかわいらしい人だった。

二人はすごく仲がよさそうで、本当に素晴らしいカップルだと思った。憧れさえする。

僕もいつかパートナーを作って、二人で車で世界一周したいと思った。

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