南米北部 投資家として飛行機なしの世界一周 その25

リマから一気にエクアドルの港町、グアヤキルまでバス一本で行った。

24時間のところが、また30時間くらいかかった。

ちなみに24時間っていうと結構キツイように感じるかもしれないけど、そこまでじゃない。

エコノミークラスの飛行機や日本のバスで24時間だったら俺もキツイけど、南米は鉄道がほとんどないので長距離バスが発達していて、かなり快適にできている。

バスの中にはトイレもあるし、席も寝るのには十分なくらいリクライニングができて、映画も常に流れているし、一日部屋の中でダラダラ過ごすのと大して変わりない時間が過ごせる。

もともと僕は移動時間がむしろ好き、と言えるくらいなので、移り変わっていく新しい景色と、心高揚させてくれる音楽があれば、何時間でもボケーっとできる。

旅してる人の中には移動が面倒で、一つの町に長く滞在する人も多いけど、僕は移動が楽しめるのでどんどん進める。

まぁそれでも24時間越えるとさすがにちょっと疲れてくるんだけどね。


エクアドルの首都、キト。

エクアドルはEcuadorと書き、スペイン語で赤道という意味。(英語のEquatorと一緒。)

ずばり訳すと、赤道国ということになります。

モニュメントがあるところはちょっとしたテーマパークのようになってるんだけど、実はこの赤道が間違ってるらしい。

その隣の施設にGPSで計った正確な赤道がある。

下がそれ。



ジャングルの中では今でも裸で生活している人がいるらしく、モノが邪魔にならないようにひもで縛ってるらしいです。


色んな実験を体験させてくれる。

ちょっと動画じゃないと分からないけど、たらいに水をため、栓を抜いて下に流す実験。

地球の自転により、北半球では反時計回り、南半球では時計回りの力が働いている。

だから台風は必ず北半球で左回りになり、南半球では右回りになる。

そして実は、他のあらゆるものがその力の影響を受けている。

実験で栓を抜いて木の葉を落とすと、実際その通りで、赤道を一歩またいだだけで渦を巻く方向が逆になる。

磁気もそうだけど、俺らは目に見えない、多種多様の不思議な力に囲まれて生きてるんだと、しみじみ実感した。

他にも赤道の上を手を広げて歩くと北半球と南半球の力に影響されてまっすぐ歩きにくくなったり、重力が弱いらしくそれを感じる実験など、かなり楽しむことができた。


キトの街並み


エクアドルはガラパゴスがメインであり、そこに行かないとしょうもないんだけど、飛行機を使わないと行けないうえに諸事情もあって、とばします。マチュピチュのためにまたペルーに行くとき、まとめて行こうと思います。


さて、問題のエクアドルとコロンビアの国境。

エクアドルとコロンビアはしょっちゅう紛争を起こしていて、この二国間の国境はゲリラ(コロンビア革命軍FARC)の活動地域になってる。

特にコロンビア側は危ないことで有名で、ちょっと前までバスジャックが頻発していたらしい。

突然バスが止まり、サブマシンガンで武装した奴らが入ってきて、身包みはがされるという。

実際日本人がバスジャックにあった話も聞いていて、その人は財布とか身につけていたものだけで済んだらしいけど、メインのバックパックが盗られる恐れもなかったとは言い切れない。

しかも他の犯罪だったら一応気をつけることもできるけど、バスジャックは気をつけようがない。

運に頼るしかない。

ただ、ここ数年の間でコロンビア自体の治安が「比較的」良くなっていて、国境もかなり安全になってきてるという話も聞いたし、実際普通にここを通っているバックパッカーも多い。

それでも事件が起きているのは事実だし、外務省の安全情報でも退避勧告地域になっているうえに、俺の場合「ここまできて万が一にも失敗できない」という思いが強かったため、一応念のためダイレクトバスを使うことにした。

ダイレクトじゃないと国境付近で何度か乗り換えをしなければならず、バスが遅れたり乗り換えの時間が合わなかったりすると、国境付近で一泊するか、今でも危ないとされている深夜バスに乗らなければならなくなる。

でもダイレクトならパスポートのスタンプを押すとき以外降りなくていいので、楽で余計な心配が要らないし、ちょっとは安全になるだろうと思ったのだ。

ということで事務所に行って予約をしたのだけど「このバスはペルーのリマから来ていて途中乗車ということになるので、多分出発は朝の3時とか5時とかになるけど、正確には分からない。だから前日の夜に宿に電話して時間を伝える。」と言われた。(エクアドルからコロンビアまでのダイレクトバスは一般的ではなく、バスターミナルとは違うところに事務所があるため知名度もかなり低く、このとき乗車するのは俺だけだった。)

その時はそんなもんかな、と大して気にしなかった。

ただでさえ南米のバスは時間にルーズなうえに、リマから36時間かけて来るのだから、正確な時間が分からないのは当然だと思った。


で、当日。夜8時までには電話すると言っていたのに、待てども待てども一向にかかってこない。

十時くらいになってこちらから電話してみるが、誰も出ない。

それ以降も何度も電話するが誰も出ないので、仕方ないからかなり遠い事務所までわざわざ行ってみる。

すると案の定、、、

事務所は完全に閉まってた。。。

一体どういうことなのか全く分からない。

夜で人気もなかったので、そこで来るかも分からないバスを何時間も待っているわけにはいかず、一回帰って夜の二時まで待つが、やはりかかってこないので、宿の人に話だけ伝えて寝てしまった。


朝、結局電話はかかってこなかった。

9時、事務所が開く時間になって行ってみると、「電話したんだけどねー、誰も出なかったんだよー」と軽々しく言う。

結構怒ったけど拉致があかなかったので、次の便を予約した。(この国際バスは週に二便しかなく、水曜のを逃したので次は土曜だった。)

「今度は絶対出るまで電話しろよ」と何度も念を押し、さらに相手の携帯番号も聞いておいた。

これで間違いなく行けると思ってた。


もう観光は終えていて何もやることがなく、超怠惰な三日間を過ごし、やっと金曜の夜。

さすがに今回は電話がかかってきて朝の5時だと伝えられ、よーし明日こそコロンビアだ!と意気込んでパッキングしているその時、、、

ハッ!と息をのみ、口を抑えた。

一瞬固まる。

頭が高速で回転する。

とっさに宿を出て、ダッシュで近くの店に向かう。

閉まってる!

入り口に電話番号が書いてあったので、メモって急いで帰る。

宿の電話を借りようとするが、携帯にはかけられないと言う。

また急いで宿を出て、公衆電話屋を見つける。

電話する。

「すいません!洗濯物を預けてあるんですけど、今からなんとかして返してもらえませんか?」

「それは無理だ!!!明日店が開く9時まで待て」

「えー!!!うそ!?マジで!?おねがいします!ぼく明日絶対乗らなくちゃいけないバスがあるんです!」

「無理無理!何言ってんだおまえ」

とまぁ、本当はもっと話に詳細があって、かなりネバったんだけど、とにかく前日に預けておいてその日受け取るはずだった洗濯物が、自分の不注意で返してもらえなくなった。

前に洗濯物を返してもらわないまま次の場所に移動してしまって、回収不可能になったカップルの話を聞いたことがあって、「馬鹿だなー。二人で気づかないなんてことがあるの?てかパッキングしてるときに気づくだろ」と思ったけど、まさか自分の身に起こるなんて。。。

ということでその日はバスには乗れず、水曜までまた四日も待つわけには行かず、結局ダイレクトバスではなく、普通に乗り換えをしてボゴタまで行った。

しかも危ないと言われている週末を避けるため、さらに二日も無駄に過ごして。。。

久しぶりにちょっと落ち込んだ。

結局無事ではあったんだけど。。。


長くなったけど、そんな感じで辿り着いたボゴタ。


シパキラ。




コロンビアは、当然他の国よりかは危ない雰囲気はあるけれど、やはり思ったよりかは治安は悪くなかった。

そういえば赤道を越えたので、暦的には初秋から初春へ変わった。

あくまでもハイシーズンでいく。

とはいっても今のところ赤道近いので、どっちにしろ熱帯であんま関係ないんだけど。


さて、

コロンビアの国境はどこも危ないとされているところが多いけど、特にパナマとの国境はゲリラの巣窟であるうえにちゃんとした道路もなくて、一般的には通過できないとされている。

ここを渡ろうとして行方不明になったり、再起不能になって帰ってきた人もいるという。

ただ、どこにもツワモノはいるもので、無事に越えた人がまったくいないわけではない。

日本人でもここを越えた人がいる。

でも、その人はジャングルの中をわけ入り、カヌーで海や川を越えて命からがら国境にたどり着いたのだけれど、そこで不法侵入扱いされて留置場にぶち込まれた挙句、パナマシティまで飛行機で強制送還されたらしい。

飛行機で強制送還。。。

それだけは絶対に避けなければいけない。

ここまで来て自分以外の意思によって飛行機を使うことになり、この旅の第一の目的に失敗という事態は、何があっても許されない。


ということで残された道は海路のみになる。

というのも、世界地図を見てもらえばすぐに分かると思うけど、コロンビアとパナマの国境は南北アメリカ大陸のくびれの付け根部分にあたり、陸路は一箇所しかなく、ここを通れないならもう自動的に海路しかないということになるから。

(というか、せめてここはなんとかして安全な道路通そうよ、って感じの場所ではあるだけど。。。)

海路は太平洋側かカリブ海側が考えられるけれど、太平洋側はかなり探して結局船を見つけることが出来なかった。

エクアドルのグアヤキルからヨットが出ているという話も聞いたけど見つけられなかったし、もしあったとしてもお金も日数もかなりかかりそうだった。

それに対してカリブ海側は定期船はないけれど、カルタヘナという町からヨットが出ていて、それに乗せてもらってパナマへ行く人もいるという話を聞いた。

そんなわけで、飛行機なしでパナマに渡る最後の方法に望みを託して、やってきましたカルタヘナ。




ヨットは当初、自分でヨットクラブまで行ってオーナーを探して交渉し、さらに場合によっては、人数が集まるまで出発しないので自分で仲間集めをする必要もあると聞いていた。

でも実際行ってみたら、宿で募集していたので簡単にヨットを見つけることが出来た。

サンブラスなど色々な島によりつつ、五日かけてカリブ海を横断し、途中から4WDに乗り換えてジャングルを越え、そのままパナマシティまで行くという内容。


で、当日。問題のヨット。

思ったよりも大きくて広く、快適さにそんなに文句はなかった。

船酔いも、小さいヨットだとかなりすごくてほとんど地獄だと聞いていたのだけど、この船は薬を飲めばそこまでキツイ、というわけではなかった。

でもメンバーが。。。


もちろん日本人がいる可能性はかなり低いと思っていたし、別に期待もしてなかった。

ただ、ここは南米のコロンビアだし、スペイン語圏の人と英語しかしゃべれない人とが半々くらいに集まって、まぁみんなお互い片言で意思疎通をしながら楽しくやっていくんだと思ってた。

そう、いつものとおりだと思ってた。

で、実際集まったメンバーは、カナダ人、アメリカ人、オーストラリア人、スウェーデン人の合計16人。

スウェーデン人はネイティブ並みに英語がしゃべれて、他の国の人については言うまでもない。

そんな中、完璧に英語がしゃべれない日本人が一人。


英語力がないということについては、今までそんなに大した問題はなかった。

英語が公用語の国はイギリス(三泊四日)以外に通らなかったので、どこでもお互い現地語や不完全な英語を交えて会話するのが普通だったから。

もちろんネイティブやそれ並みの人と話すこともあったけれど、そういう場合、大体相手がこっちに合わせて丁寧に話してくれるので、一対一とか少人数相手ならやはり問題なかった。

でも16人もの人々が集まって皆が皆英語を話すということは初めてだったし、そうなるともう俺の英語力じゃ会話が早すぎてついていけないことが多くなる。

何話してんだかか分からなくなるし、疲れる。。。

しかも狭い船の中で缶詰状態。


そんなわけで、初日は正直言ってちょっと肩身の狭い思いをしてました。

でもみんな何故か半端なく親切なので、二日目からはのびのびしてたんだけどね。




ただただ360度水平線の中を、日光浴したり読書したり、ゆったりとしながら丸二日進み続け、夕方。

美しい夕焼けを、みんな何も言わずにうっとりしながら眺めていると、、、


突然歓声。

ドルフィン!!!


群れでいて、船と一緒に走ってる。

何度も顔を出してジャンプしてくれる。




前に伊豆でイルカと一緒に泳いでさわったこともあるけど、野生のイルカを見るのは初めてだった。

本当に感動的だった。

全てが完璧だった。


夜、釣り糸を船からたらしながら皆で談笑していると、突然大きな引きが。

ライトで照らしてみると、なんと大きなサメだった。




シュノーケル。

魚天国。

色鮮やかな魚たちが、所狭しとサンゴの中を泳ぎまわってる。

大きな魚やカニもいて、捕まえて調理してみんなで食べたり。


四日目、ポルベニール島というパナマのサンブラス諸島で唯一飛行場がある島に、入国スタンプをもらいに行った。

大きいけど何もない島だった。




クナ族の住む島へ上陸。


こんな小さな島でずっと暮らすってどういう感覚なんだろ?
それにしてもこういう特異な文化や雰囲気のある、トリップ感のある場所がやっぱり僕は大好きなんだと感じた。


そして五日目の朝、ついにパナマ本土に上陸。
4EDに乗り換え、ジェットコースターみたいにアップダウンのあるジャングルの道を走り抜け、やっと見えたパナマシティ。
さすがに疲れた。


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