スイスへ嫁ぎ、遠くで思う父と母が教えてくれたこと
桃太郎って「村」出身じゃなかったの?!
母の語りによると、意外にシティボーイだった桃太郎。
宝物を町の人々に配るなんて、アンタは石川五右衛門か?!って話です。
原作では、宝物を手に入れた桃太郎はおじいさんとおばあさんと一緒に永く幸せに暮らしたハズ。(おじいさんとおばあさんの宝物の取り分が減ってるやん!)
宝物を配り終えた桃太郎。
母:「桃太郎はみんなと一緒におじいさんとおばあさんのおうちに帰りました。おしまい!」
!!
『みんなと一緒におじいさんとおばあさんのおうちに帰りました』
って。。。
望んでもないのに一気に「犬・猿・キジ」のペットができてしまったおじいさんとおばあさん。
(君たちも、自分の家に帰ろうや!)
宝物の取り分は減るし、余計なペットは増えるし踏んだり蹴ったりです!
ということで、私が前回訂正したにもかかわらず、新たなストーリー展開を生みだした母。
「ママちゃん、『桃太郎』しかお話できんのよねぇ…『白雪姫』でも覚えてれば良かったんだけど。。。」
と、残念がっておりましたが、どうせ『白雪姫』を語ったところで、
「白雪姫は7人の小人を連れて、鬼ヶ島へ鬼退治に行きました」
的なストーリー展開になるに違いありません。
でも、久しぶりに聞いた母の『桃太郎』は内容は覚えていませんでしたが、その語り口がとても懐かしく、子供の頃の思い出がふんわりと蘇ってくるようでした。
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私が幼いころに母が語ってくれた『桃太郎』も、おそらくこんな感じでストーリーが滅茶苦茶だったと思うんです。
・・・全然覚えていませんが。
でも、今でも思い出されるのは、近くにいる母の体温だとか、声、息継ぎ、やや一本調子気味な語り。。。と、ストーリーよりも語ってくれた母本人なんです。
きっと、子供の頃に本を読んでくれるのをせがんだり、お話をせがんだりするのは、母のぬくもりを感じたかったからなのでしょう。
私も母となり、
「ご本読んで!」
とよく本を持ってくる子供達に本を読むことがあるんですが、どうしても面倒くさいという思いが先立ってしまい、2倍速の勢いで読んでしまう私。
そんなことなら、自分で作ったストーリーを手短だけど丁寧に語ったほうが、子供達も母の温かみを感じたり、楽しむことができるのかな?と、母の語る『桃太郎』を思い出しながら考えさせられたのでした。
【7.母が教えてくれたものの見方】
『実家天国』とはよく言ったもので、私も日本の実家に帰った際は羽を伸ばし放題。
夏に帰国した際も、じいじ(父)とばあば(母)が一日中子供達を構ってくれるので、スイスにいる時よりずっと楽をしている私。
夕食後のひとときをマッサージチェアに座って過ごす私の目の前で、迷路遊びに興じるペマコとばあば。
しかし、どうやらペマコにはこの迷路の本は難しかったらしく、途中でつまずいてしまいました。
そんなペマコに、
「ペマコ、こういう迷路で分からなくなったらどうするか分かる?」
とばあば。
もち、ペマコには分かるはずもなく、
「分かんなーい!」
とお返事。
私も分からないわ。
どうするんだろ??
首をかしげるペマコが、『人生のビッグパイセン(大先輩)』であるばあばから、こんな教えを頂戴していました。
「迷路の途中で分からなくなったら、今度はゴールからやるんだよ」
!!
もう、
「スタートからゴールに向かって迷いながら道をたどる」
というゲームのルール、そして「迷う路(みち)」と書いて『迷路』という物の趣旨を丸無視です!
おそらく、読書においても、途中でワケが分からなくなったら、あとがきを真っ先に読んでしまうといった人生を歩んで来たに違いありません。
「そうか!」
と納得して、ゴールからスタートを目指して迷路をたどり出すペマコ。
「物の見方を変えてみる」といった点では、ビッグパイセンの教えは、いつかペマコの人生において役に立つ日が来るのかな?!
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目の前の事だけを見てしまい、物事を違った視点から捉えたり、別の側面から見ることをなかなかできない頭の固い私。
「 迷路の途中で分からなくなったら、今度はゴールからやるんだよ」
この言葉は、何かにつまづいた時に考え方を変えることを、そして、何か目標に向かっている時にゴールが見えなくなったら、その段階を逆から考えてみると何か見えてくるかもしれないという事を教えてくれました。
・・・『迷路』に関してはただのズルな気がしますけど。
【8.小さなことにも力を抜かない事を教えてくれた母】
毎年夏に一時帰国する我が家。
日本の実家に滞在中は、じいじ(父)とばあば(母)と遊んで楽しい毎日を過ごす子供達。
今回も数年前の夏休みに日本で過ごしたお話。
私がボーッとしてる間に、すっかり日本語/スイスドイツ語のバイリンガルに成長したペマコ。
あっという間に、私のドイツ語能力を超えて行ってしまいました。。。
そんなバイリンガル能力を活かして、ばあばにクイズを出すペマコ。
「✕✕(スイスドイツ語)は日本語で何でしょう?」
孫に出されたクイズに、
「犬?」
と真面目に答えるばあば。
そんなばあばに、
「ちがいまーす!ウンチでーす!」
とお下劣な解答を告げながらゲラゲラ笑い転げる孫。
…イヤな子供です。
余程楽しかったのか、
「じゃあ、△△(スイスドイツ語)は日本語でなんでしょう?」
と第二問に突入。
負けず嫌いのばあば。
「また、やらしいドイツ語なんでしょ?」
とペマコにたずね、その答えを待たずに。。。
「おしり?おしっこ?うんち?ちんちん?おっぱい?」
…勝ちに行こうとするあまり、前のめりで下品な日本語を繰り出すばあば。
(『ウンチ』は第一問目に出題済みだから!)
そんなお年寄りに、ペマコからの回答は。。。
「キツネでしたー!」
…勢い良く下品な言葉を繰り出してしまっただけに、ばあばの周りに恥ずかしい空気が漂います。
恥ずかしさのレベルで言えば、
「今から言う日本語を全部英語で言って」
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