北米東部 投資家として飛行機なしの世界一周 その28

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ヒューストン


恐らくかなり多くの人が、その程度の差はあれ、一度はアメリカに憧れた時期があったんじゃないかと思う。

でも何故か僕は、アメリカに憧れたことがなかった。

何故か分からない。

映画が大好きだったのでもちろんハリウッド映画もたくさん見たし、家族旅行で実際アメリカに何度か行ったこともあったけど、ライフスタイルとかファッションとかゴシップとかに興味を持ったり、真似したいと思ったことは一度もなかった。

ただ無神経なだけだったのか、センスがなかっただけなのかもしれない。

でもとにかくそんな感じでフラットだったので、物心ついて歴史を学ぶうちにアメリカに猜疑心を抱くようになり、イラク戦争が起きてからはかなり批判的になっていった。


ただ、世界一周も終わりに近づいた今となっては、この国に何か敬服のようなものも感じるようにはなった。

良くも悪くも、アメリカは文化的に、経済的に、政治的に、世界の発信源だったということを今更ながらに再確認し、実感した。

去年、ヨーロッパや南米はもちろん、モロッコやウズベキスタンの奥地でさえ、ブラックアイドピーズのThe ENDや、亡くなったマイケルジャクソンの曲が流れていた。

世界のどこでも飲めるものは、水かコカコーラだ。

場所によってはその二つしか売ってない場所もあった。

物流や営業に関わったことがある人なら、コカコーラ・ボトリング社の販売網の、その想像を超えた巨大さ、偉大さについて、分かってくれると思う。

マクドナルドやKFCを見ない国は、僕が通った国ではほとんどなかった。

ストックマーケット(株式市場)や政治の影響力については、言うまでもない。

世界のどこでもアメリカを感じれたし、感じないでいることはできなかった。

その影響から逃れることは、ほとんど不可能といっていい。

この国を知らないで、世界を語ることはできない。


さあ、ついにアメリカだ!

と勇んで入国したはいいけど、国境の町ラレードは、ほとんどメキシコだった。

一時間行列に並んでさらに一時間かけて質疑応答を受け、やっとイミグレーションを出てバス停に着いたと思ったら、みんなスペイン語。

(メキシコからのアメリカ入国は時間がかかる。特に俺はあまりにしつこいんで、飛行機なしの世界一周中だとつい言ってしまったら、「なんだこいつは」ということで余計に時間がかかった。)

ロビーのテレビもスペイン語放送。

そしてトイレやホテルなどの公共の場所での文字表記は、全部英語とスペイン語の両表記。

それは南部共通らしく、アトランタまで続いた。

ちなみにヒューストンのあるテキサス州は、元メキシコでそっから独立して一つの国だったこともある。


下は、途中の立体交差。

その国がどれだけ経済的に発展してるかは、インフラで大体分かる。

これだけのものは世界的にはなかなかお目にかかれない。

ボリビアの崖すれすれのオフロードとどうやって比べられよう。



ヒューストンで見所があるとすればそれはNASA宇宙センターだけど、俺はちょっと予想以上に到着が遅れたうえに一泊で出なくちゃいけなかったので、中心地を散歩しただけ。

途中、公園で寝っ転がると、鳥たちが興味深げに近寄ってきた。


日本、というか関東も、もっと動物と触れ合える場所とか、自然のあるところを増やしたほうがいいと切実に思う。


アメリカとヒューストンの初印象はかなりいい感じだった。

イメージを見事に砕いてくれたとこが良かった。

町も綺麗で都会なのに人が少ないし。

後、いい人も多かった。


アトランタまでのバス移動。

レッドブルショットだって。

初めて見た。

これとテキーラがあれば。。。

危険な代物。



ちなみにこのバス内で夜寝てたら、財布がポトって落ちたので目が覚めた。

隣の黒人がスろうとしてたところだった。

寝たふりをしてるのでおもいきし蹴飛ばしてやったら、それでも寝たふり。

「いや、蹴飛ばしたのに寝たふりってことは、おまえ認めたようなもんだろ」

と思って頭に血が上り、バスドライバーに言おうと思った。

でもよく考えれば証拠がないし、さっきついとっさに蹴飛ばしちゃったけど、こいつが危ないやつだったら結構怖いな、と思って結局何もしなかった。

情けない。

(前にモロッコでも、子供が俺のポケットに手を突っ込んでビデオカメラを盗もうとしたその瞬間を取り押さえたことがある。)

アトランタ


アトランタもあまり見所がなく、とりあえずワールド・オブ・コカコーラへ。

コカコーラ博物館。


「世界で共有する唯一の味」だって。確かにコーラは世界中にあった。


世界のコカコーラのCMを流しているところがあって、結構感動的に仕上がったいいCMもあり、世界の景色が流れるうちに今までの旅を思い出して、一人で感傷的になっちゃった。

洗脳チックなところもあったけど、ここまで一つの飲み物を愛着あるものにしたことは、ホントにすごいと思った。

最後はコカコーラボトリング社の世界中のオリジナル製品を試飲。

馬鹿にしてたけど意外に楽しんでしまった博物館でした。


アトランタはヒューストンより少しスペイン系が減るが、その分黒人が増える。

地下鉄なんか九割黒人。

依然、白人はマイノリティのように感じる。

白人は外を歩かないだけかな?


ちなみに黒人はみんないい人たちばかり。

他人との壁がほとんどないのかな。

ちょっとでも道に迷ってる素振りをしていると、すかさず

「おい、どうしたんだ?どこに行きたいんだ?」

と声をかけてくれる。

どうでもいいことでもすぐに話しかけてくるし。

まぁチップ目当ての人も中にはいるんだけど。


そんなわけでアトランタも滞在は短かったけど、すこぶる印象は良かった。

ワシントンDC



初印象は「綺麗」

整然としていて、美しい。

なんかオランダの王都、デンハーグのような、高潔な印象を受けた。

高さ制限があるので高層ビルがなく、圧迫感がない。

混雑もない。

さらに人種が雑多なのはもちろん、レストランもアジアからエチオピア、ギリシャまで世界中のがあって、かつどこも大体おいしい。

珍しく回転寿司屋があったので入ってみたんだけど、かなりおいしかった。

中南米とかでは「よくこんなんで流行るな」っていうくらいまずい日本料理出してる店が多いだけど(でも人気があるらしい)、ワシントンのは日本のと遜色なかった。

カリフォルニアロールとか、日本にないロール系も試してみて、最初は馬鹿にしてたんだけど、意外においしかった。

(ただ、北米でもやっぱり日本食のおいしさは店による。まずいところもあった。そんなに行ってるわけでもないけど。)

極めつけは、ヨーロッパやニューヨークでは入館料に25ドルとかする美術館や博物館が、全てただなこと。

しかもその数が半端ない。

丸四日かけて、かかとがひび割れて出血するまで歩きとおしたけど、それでも回りきれなかった。


ジョージ・W・ブッシュの類まれな経歴。

彼はどこにでもいるボンボンの出来損ないおぼっちゃまくんで、若いときはコカインなどの薬物乱用、飲酒運転による逮捕などトラブルまみれで、ベトナム戦争時は徴兵逃れもするが、父親の威を借りてどこでも有利に扱われる青春時代を過ごす。

大学卒業後、大した能力もないのに父親のコネでいくつかの石油会社の社長になり、事業を悪化させ、潰し、証拠はないと「されている」インサイダー取引で多額の利益を得、不正選挙といわれる2000年の選挙でゴアを破って大統領となる。

そしてイラク戦争で世界中から、後にアメリカ国民からも批判を浴び、歴代大統領中最低の支持率を記録して、カトリーナでは対応に遅れて多くの死者を出し、あげく最後にはサブプライムショックという全世界的経済危機を置き土産に残して、引退する。


第二次世界大戦記念碑。

それ自体は大事なものなんだろうけど。


これ見たときはかなりびっくりした。

ホントにこんなことやってるんだね。
 
ホワイトハウス


国立自然史博物館。

ネコ科にもライオンからチーター、三毛猫まで色々種類があって、それぞれ全然能力が違うのと同じように、人間にも違う種類がいた。

そのうちのネアンデルタール人は俺たちの種族よりも一回り体が大きくて力も強く、しかも脳の容積も大きかった。(つまりもっと賢かったということ。)

彼らは興味深いことに「約12000年前」、氷河期の終わる頃に滅びてるらしい。


ちなみにごく最近、今の人間はアフリカで生まれた後、エジプトを出るあたりでネアンデルタール人と交配し、それによって白人、アジア人と別れていった可能性があるという研究結果が発表され、ニュースになっていた。

だから僕たちにもネアンデルタール人の遺伝子が少しだけ含まれてるそうです

ちなみに遺伝子的なアジア人と白人と黒人とその他の民族の違いは、皮膚の上だけのもので、遺伝子的には0・1%の差。

植物と人間も60%一緒だって。


国会議事堂。

議事堂自体は大したことなかったけど、はじめに見る映画が結構良かった。

愛国心奮い立たせるないようだった。

愛国心という言葉に抵抗があるなら、愛地心?愛協心?

日本にもホントに必要だと思う。


全米日系米国人記念碑。

第二次世界大戦中はアメリカに残された多くの日系米国人が強制収用された。


国立航空宇宙博物館。

ここで見た宇宙の映像が半端なかった。

行く人は是非。

どれだけ地球がちっぽけか。

宇宙がデカイか。

ちょっと涙ぐんだくらいだった。

こういうのに弱い。


北米全体にリスが多くいて、大体臆病で近づくと木に登って逃げちゃうんだけど、、、こいつは強気で逃げないので、カメラを近づけたら飛びかってきてひっかかれ、出血した。


ウォール街


国立アメリカ・インディアン博物館。


有名なネイティブアメリカン・アーティストの作品。

廃棄品を使ってる。

美術館の良く分からない現代美術より、こっちのほうが断然心に残った。

他にも印刷局や議会図書館などに行った。

最後は夜のリンカーン・メモリアル。








北米に入るとやっぱ色々変わる。

インフラはもちろん、なんといっても清潔度が違う。

手を良く洗うので石鹸がないと困るんだけど、北米じゃ公共のトイレでも当たり前のように備え付けられてるし、定期的になるのが当たり前になっていた下痢も、すっかり止まった。

清潔の度合いは先進国かどうかの一つの指標なのかもしれない。


ニューヨーク



メトロポリタン博物館。

オセアニアはやっぱ雰囲が違う。まだまだ行ってない世界だらけ。


アフリカもすごい


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