妹みたいな存在なんだ❗

私には6つ上の兄がいる。兄は賢くて地方大学大学院出て大手企業の研究員になった、人。私は普通の、人。でも、たまに「こいつ、大丈夫か」ということを宣う兄。

兄が地方大学大学院を卒業し、大手の企業の研究員になったのは、奇跡だと思う。バブル時代だったし、売り手市場だったから、みたいだ。もちろん兄の資質もあっただろう。兄は都会に就職した。住まいは横浜の独身寮。兄が横浜にいて、高校の友人が群馬に嫁いだので、友人宅に遊びに行った帰りに横浜によることにした。
私は二十歳そこそこのOL。兄は26才だった。とりあえず、本牧をぶらつくことに。わたしが知識でしか知らない「マイカルだ~」とあちこちみていた、ら。ふいに、兄に話しかけてきた親子がいた。上品な婦人とその娘さんだった。兄の職場の人みたい。
「はじめまして、妹です」と愛想よく挨拶をした。兄や私や弟は母にそっくり。だから、明らかに兄弟と分かる。その女性も私を兄の妹と認識したようだ。二言三言会話して別れた。
兄の彼女事情は知らない。大学時代に彼女がいたらしいとかはちらりと聞いた。なので、「あの人って兄貴のなに?」と聞いた。すると、兄が「妹みたいな存在だ」と宣った。
…妹?まあ、よくある比喩だよ。分かるよ、分かる。髪が長くて少し大人しめで色白でロングスカートをふわりと揺らして。
しかし。実の妹の前でそれを言うのかよ。
だから、私は静かに言った。
「妹は私だよね?」
瞬間、兄が、私をみて、固まった。はっとしたようだ。
兄は無言で私から視線を反らした。…失礼だよね?
まあね、聖子ちゃんのファンだよね?河合奈保子も好きだよね?ファンクラブに入っていたよね?
お前の妹像が、真の妹と、乖離してるのは、十分わかったよ。

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