世界で1番好きな人はどの時代も暫定説。
「一夫多妻制ってどう思う?」
えー絶対いや。
「なぁ、俺たち結婚しようか。」
んー、一夫多妻制じゃないなら。
16歳、秋っぽい香り。
まだ暑さが残るころ。
私たちの始まりはこの会話だった。
ませていたのか否か小学5年生のときに彼氏ができた。完全に私の片思い。でも当時まん丸で可愛い彼は確かにうん、と頷いたしそれから何回かバレンタインは渡したしホワイトデーは貰った。ママに連れてこられた彼は、ピンクの紙袋を嫌そうに渡してきた。今思えば親からしたら小学生の恋愛なんて可愛いに決まってるし、そりゃチョコレートを渡し合うまん丸ふたりの照れあいなんか見たいに決まってる。
そうしてしばらくして君に別れようって手紙をもらって
大したカップルごっこもしてないのに手紙をくれた彼の優しさや、彼が離れてしまう悲しさにしっかり泣いた。これが人生で初めての失恋。可愛いもんだ。
好きだよ。
ありがとう。
遊園地行こう。
じゃあジェットコースターは隣に座ろう。
大人になった私にはわかる。
いるよね、こうゆう思わせぶり男。毎日メールしてるし
同級生にストーカーされた時も守ってくれた。
「あのさ…やっぱり好き。 」
「いい友達でいたい…。」
何が怖いってこれがまだ小学6年生の頃の話。
都合のいい女のなり方はきっとこの時マスターした。
何を隠そうこれが人生で2回目の失恋。これまた可愛いもんだ。
それから中学生になってなんかもうとにかく彼氏が欲しくて
大したことしないのに誰でも良かったのを覚えてる。
とりあえず一緒に帰ったり、そうゆうカップルごっこがしたかったんだと思う。
でもこの時絶対手の届かない人に恋をしていた。
そう。「塾の先生」
私の人生を大きく変える人。
月曜日、くもん。
火曜日、塾。
水曜日、スイミング。
木曜日、お習字
金曜日、くもんと塾。
土曜日、ピアノ。
意味わかんない。お嬢様かって言うくらいの習い事の量。
そりゃ勉強も嫌いになるわって量。学費いくらかけてんのよって量。
今となっては親に感謝しかしてないけど、昔はもうそれはそれは嫌で嫌で泣きながら行ってた。
更には、ほんのちょっと反抗期。大人と話すのがイヤだったと言うか、大人の言うことなんか聞いてたまるかと言うか、どうせ誰も分かってくれないんだろうって勝手に思っていて、それを180変えてくれたのがこの人。
そう、当時の私のスーパーヒーロー。そして青春。
憧れか、恋なのか、分かりたくなくて、先生のことははっきりとさせないまんま、本気で付き合った同級生に「俺と先生どっちが好きなの?」ととんでもない質問を何度もされていた。
決まって私は比べるもんじゃないよ。と答えていた。
なんだよそれ、同じ土俵にも立てないのかよ。私が心配している側だったら確実にそう思うはずだ。
思えばこの時から完全にポリアモリーだったんだと思える。
どっちが好きなの?なんて聞かれてもどっちもちゃんと好きなんだもん。
そんなこと聞いておいて
まだ君が好きだよ、でも君の想いが重かった、なんて振られた。
Loveless.
君と私が一番聞いた歌。
そう。一人でも平気だよって初めて嘘をついたし、繫ぎ止める言葉も見つからなかった。
なんで君が泣いてんだよ、泣きたいのはこっちだよ。って声にしながら気付いた時には真っ暗な自分の部屋で号泣していたのを未だに覚えている。目をパンパンに腫らしてが学校に行っていつまで泣いてんだよって笑ってくれた人に全く執着しない親友は今も親友だし相変わらず人に執着しない。女友達最高。
これ以上の好きになれる人なんか人生でもう二度と現れないだろうとすっかり悲劇のヒロイン気取りな中学生のころ、
「あなたもこの空を見てますか」
この言葉がなぜかやたら好きだった。
だっせえ。(笑)
私が大好きだった人たち全員に頭の中で一回は問いかけたことがあったと思う。
どこにいても、何をしてても月は一個だし、空は繋がってるし、絶対に同じものを見られる。このロマンチックすぎて甘ったるい理論を呆れるほど信用してた。
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