修理

霊感がない。

普段、見えたり聞こえたりすることは全くない。友達と肝試しに行っても皆具合が悪くなったりしているのに自分だけなんともなくて、いっそ淋しいと感じていたりする。その後食事に行って自分ひとりもりもりと食べて、勘定は割り勘だったから、申し訳ございませんとか。
しかし、霊感がないのに霊媒体質であるらしい。何人かの人に言われたからそうなのかなぁと思うだけで、わからない。そこらへんから色々拾って来てしまうらしい。らしいというのは、何をば収集してあるいているのか自分ではさっぱりわからないからで、対処のしようがなく、これはかなり困ったことなのだ。どうせならお金でもひっついて来てくれればいいものを、それだけはナイ。難儀である。さてはこの疲労も、皮膚疾患も、ビンボーも、何でもかんでも、霊の所為か?、どうしても今日必要で、ハンコを買いに行ったら、その苗字だけ全部売り切れなのも?たった今読んでいた本がどこかに消えてしまったのも?大枚出して購入したミステリーの3ページ目で犯人がわかっちゃったのも?箸を落としたのもカップをひっくり返したのも。あまりにも不具合が続くと、アタマに来て「いい加減にしなさいよ‼︎」と怒鳴ったりしてる。何にもない空間に向かって。霊だかなんだか?に怒ったところで反省するかどうか知らないけど。
これを書いている今、本当に心身がボロボロで、疲れ果てて、ある晩ついに、「神様でも仏様でもなんでもいいからどうにかしてください」とお願いをした。子供の頃、お墓で遊んで荒らしたことは謝ります。お宮の屋根に登ったり、賽銭でアイスを食べたことも謝ります。蛇を捕まえてブンブン振り回して放り投げたことも謝ります。誠に申し訳ございませんでした。反省一瞬かもしれないけれど、その一瞬それはそれは真剣にお詫びとお願いをした。すると、あることが起こった。

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