現役インストラクターの本音#2 生徒との恋愛、インストラクター同士の会話、トラブル、プライベート、変わってる人々…

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姐さんのスタジオ

縁あって、とあるダンススタジオのオープニングスタッフとして入ることになった。

 私のダンススタジオのイメージといえば、白を基調とした床や壁、清潔感あふれるピカピカの鏡やガラスのテーブル、整然としたカウンター… 

もしくはナチュラル感あふれるなウッディな雰囲気の落ち着いた空間…


実際、当時はそんなダンススタジオが多かった。


はじめてスタジオ入りする時は、何年経ってもドキドキする。ワクワクドキドキといったとこなのだが、このスタジオに関しては、びっくりドキドキを連発することとなる…


 スタジオは大通りから少し入った細い路地にあり、3階にあるスタジオの窓は大通りからも見えて、場所的には好立地だった。

しかし、問題はスタジオの内装で…  エレベーターを上ってスタジオ入り口のドアを開けると…


お出迎えしたのは、大きなゴールドのオブジェ… チーター?ヒョウ?虎?なんか分からない『ネコ科』の動物が… 牙をむいて座っている…


怖いって…


受付の壁は黒地にゴールドの唐草模様だった… 

トイレに至っては、ヒョウ柄の壁紙に真っ赤な洗面台… ロココ調のゴールドの縁の大きな鏡が壁に張り付けられ… 洗面台の上に置かれたゴールドの花瓶には、真っ赤なバラの造花がたくさん…

 そして、便座の前には、エントランスにいた大きな『ネコ科』の例のヤツと、まったく同じ子が用を足す人に牙をむく角度で置いてある…


怖いって… 


気になって用を足す気にならない。だったら、狛犬のようにエントランスに2体並べて置いてくれ!


こんな威圧感あふれるスタジオは初めてだった。しかも他のイントラはあまりお見かけしたことがないイントラが多く、不安をあおったが、私のポジションはヨガ部門の責任者的な立場だったので、さっさと辞める訳にもいかず… しばらくは頑張ることに…


ちなみにスタジオのオーナー?責任者?は元バレリーナで、サバサバした背

の高い女性だった。


後々… 辞める直前で判明するのだが、この元バレリーナはいわゆる極道の妻だった。そして、イントラや受付は姐さんの下の極妻や友達の極妻だったらしい。よくもまあ、こんなに沢山集めたものだ…


姐さんはこのスタジオを「シックな感じ」に仕上げたと気に入っていた

 

写真撮影

本来、スタジオメニューに載せるイントラ紹介の宣材写真などは、イントラ自身で用意することが多い。いわゆる自撮り?

何を思ったか姐さんは、受付にイントラの写真を並べて飾ると言い出した。なんだかとってもキャバクラチックな臭いが…

しかも、プロにたのんで撮影会をすると言い出し… イントラの顔合わせを兼ねて全員集合することに。

 


当日

 


プロのメイクアップアーチストが6人くらい来ており、ごった返す中、訳も分からずメイクやらなんやら準備を終え…


撮影は1人1人個別で行うということで順番を待っていざ写真撮影へ


撮影の部屋に入ると、紫のベルベットの大きな布が天井から床にかけて垂れ下がっており、2人掛けのヒョウ柄のソファーが置かれていた…


「デコルテをキレイに見せたいから、桃花先生、上はこれ着て」


姐さんから渡されたのは、スッケスケの赤いレースのチューブトップ!


おいおい乳首見えるじゃんか! ヨガウエアーでいいじゃん!


さすがにゴネてみたが、姐さんの「私しか居ないから」の言葉に押され、上は乳首スケスケのチューブトップのみでヒョウ柄のソファーに移動…

よかった、姐さんが撮ってくれるのか?

 

ああ"ぁ~い!じゃ撮りまぁ~すぅ!


変なテンションの小太りのじじいカメラマン入場…

こいつは、何を塗っているんだ?ってくらいベタついた頭で、やたらと汗をかいていた…


おいおい…姐さんだけじゃないじゃんかぁ… 

もーいー じじい、さっさと撮ってくれ…



(ここからのポーズ指導は姐さん)


「じゃ、ソファーに後ろ向きに座って振り向いて」「次は、おしりを高く胸を下げてー」


気づけば雌ヒョウのポーズをしている私… 


カメラマンに乗せられて気づけば脱いでいたなんて話をグラビアアイドルのなんかで聞いたことがあるが、こんな感じなのか? 

ヨガのイントラなのに雌ヒョウのポーズをとらされているのは、もしかしたらあの『ネコ科』のアイツを馬鹿にした罰なのか? 半分やけくそだったが… 短時間で、喜怒哀楽すべての感情を味わった。


てっとり早く撮ってもらって終了したのだが、なんともメルヘンで屈辱的な時間だった…


 他のイントラの撮影が急に気になったので、姐さんに頼んでこのまま現場に残ることに… みんなスッケスケなのか?


私の次はエアロビクスのイントラだったのだが、ちょっとポッチャリというかガタイの良い40代くらいのイントラで、美しさや知識を売りに売りにするタイプではなく「一緒に痩せよーぜー!!」てきに勢いと笑いで盛り上げるタイプの愛されキャラだった


着替えて部屋に入ってきた彼女は、スッケスケのチューブトップではなく…カッコよく言うと、ワンショルダーの白いシルクをまとっていた。


テルマエロマエ…



(ここからのポーズ指導は姐さん)


「じゃあ、頬に手を当てて、薄目で見つめて」

多分こんな感じを姐さんは求めたのだろうが…




実際はこんな感じに




ぶっ飛ばさせて睨んでる子供みたいじゃん… 凝視すると笑いそうなので、じじいを見て紛らわすことに… じじいはシャッターを切らずに固まっている… 


がんばれじじい…


姐さんは色々ポーズの指導していたが、何をしてもワイルド感が半端ない…

困り果てた姐さんは、小道具に頼ろうと何かを探しに行き、真っ赤なバラの造花を持って秒で戻ってきた

 

それ… トイレの…

 


「これをそっと、くわえて。目を大きく開いて」

小道具でごまかそうと小作な手段に出た姐さんだったが、そのもくろみは見事に裏目に出た




焼き鳥食ってるみたいじゃ~ん

 

じじいの肩が小刻みに震えている…

ダメだ… 我慢の限界だ

吹き出す前に、私はそっと現場を離れた

 

後日、受付には、これまた派手なロココ調の金縁の額縁に飾られたイントラの写真が、黒い壁一面に並んだ。


風俗店の入り口のようになっていることに姐さんはまるで気づいていない


そしてこれを引き金に、おかしな客が殺到することになるのもこの時は知るよしもない…


私の写真はといえば、最後におまけのように撮った顔のアップ写真だった…


デコルテやらどーでもよくないか?


そもそも、あの雌ヒョウのポーズの写真はどこに行ったのだろう…

 


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