新卒7か月で会社辞めても、複数の会社オーナーになれた話③【出会い編】

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隅谷さんとの出会いによって、自分が何をしたくてどういうふうに生きていきたいのか何となくわかった気がした。


そして仕事の面でいうと、何となく独立したいという自分の思いを知ることができた。



とはいえ独立したいと思っても、
そもそもどうやって独立すればいいかわからないし、
何をするかも決まっていないし、
そもそも新卒で入社して4か月ほどしかたっていない。



普通、ある程度会社にいて、輝かしい結果を出してから、

「あいつなら独立してもうまくいくよねー」

と言われながら会社を辞めていくものではないのか?



そういうことから考えると、
自分は特に目立った結果を出したわけでもないし、
周りから一目置かれる存在になっているわけでもない。



お金もスキルも人脈もほぼゼロだ。
こんなところから独立なんて考えるのはおこがましいのではないか?と思った。


しかし、自分を知るワークと通して出てきた答えだ。
少なくとも遅かれ早かれやりたいことなのは確かだった。



手段はわからないけど、とにかく独立に焦点を定めて日々意識して生活してみよう。


僕はそう思った。



まずは何ができるか。



何かヒントがあるのではないかと思い、仕事帰りに本屋に寄ってみた。
「独立開業」と書かれたコーナーがあったので一目散に行った。



お店を開店、ネットで副業、不動産オーナー、資格を取得して起業・・・



へー、独立と一言で言ってもいろんな方法があるんだなぁ!
と衝撃だった。


というのも、僕は今まで独立、起業というものは、
新しい立派なビジネスモデルを思いついた人がやるものだと思っていたからだ。



今考えてみれば、なんと視野が狭かったのだろうと思うが、
当時は一気に視野がこれで広がった。


何冊か気になる本を買い込み、会社の就業時間が終わった後、
毎日のようにカフェに行って読み漁った。

本を読んでいると、もう一つの気づきがあった。

これも今思えば当たり前じゃん!と周りから言われそうだが、
(それだけ当時の私は何も知らなかったんです。。。)


独立をするということは、
すぐに会社を立てて大げさにやらないといけないと思っていたが、
「個人事業主」という形態でも仕事をしていけることが分かった。



「お、自分が思っているよりももっとハードル低く独立できそうだな」



徐々に独立をするとはどういうことか?が自分の中で何となく実感がわいてきた。

しかし、独立をして具体的に何をしたいか?どんな事業をしたいかはいまだに何も思い浮かんでいなかった。




数日後、パソコンに向かって仕事をしていたら見覚えのないアドレスからメールが来た。

開封してみると、以前部署にいた佐々岡さんだった。
佐々岡さんは僕がこの会社に新卒で入ってきてから半年くらいいたが、
辞めて、その後自分で会社を興していた。


その後は自分も特に連絡も取っていなかったので、正直佐々岡さんを忘れかけていた。



メールの文面には、

===================================
宇田川

久しぶり。今日の夜電話してもいいか?

佐々岡
===================================


とだけ書かれていた。



3年ぶりくらいなのになんてシンプルなメールなんだ、
と3秒くらい思っていたが、
僕も佐々岡さんが今何をしているのか聞きたかったので大丈夫だという旨を返信した。




その日の夜、21時を回った頃だろうか。僕の携帯電話に電話がかかってきた。


「はい、もしもし」


と僕が出ると、


「あー宇田川?久しぶり、佐々岡です。元気?」


と元気のいい声が僕の耳に飛び込んできた。



「あ、はい、ぼちぼちやってます。」


「そうか、突然なんだけどさ、今日何時に仕事終わるの?」


「え、今日ですか?あと30分くらいでひと段落はつきます。」


「あ、そう、じゃあ30分後に渋谷のバンビーノってお店に来ない?飲もうよ!」


「え、今日ですか?」


「そうだよ」




約3年も会ってない人から急にメールが来て、
そして今日の今日で飲みに行こうとの誘いである。



僕はどうしようか迷ったが、
声のメンターの


“必要なものはちゃんとキャッチできるように目の前にあるものだ。バッチリのタイミングでね。”


という言葉を思い出した。


(何かのタイミングだ、会いに行こう)




そして僕は即答した。


「はい、行きます」


「了解!店で待ってるわ」





仕事を終え、佐々岡さんの待つ店に向かった。


店に入るとカウンターに佐々岡さんは座ってウイスキーを飲んでいた。
僕に気づくと笑顔で手を振って迎えてくれた。



「宇田川久しぶりだな、元気だった?」


「はい、ボチボチやってます。」


「僕は可もなく不可もなくと言ったテンションで答えた」



僕はお酒が弱いので一杯目にも関わらず、ファジーネーブルを注文した。


「おまえ、女子か?」


と笑いながら佐々岡さんがツッコんだ。




「はい、僕昔からお酒が弱くて」


「そんなんじゃ社会生きていけないぞ」


と何とも親父の説教のような口調で言った。でも顔はにやにやしている。
(佐々岡さん、もはや出来上がってしまっているのか)




「とりあえず久しぶりの再会に乾杯!」


と佐々岡さんは思いっきり僕のファジーネーブルにウイスキーのグラスをぶつけてきた。


佐々岡さんは昔高校球児でプロのスカウトが練習を見に来るぐらい野球が上手かったらしい。



結局ケガをしてしまい、プロの道はあきらめたとか。
とにかく言えるのはバリバリの体育会系である。




「最近、仕事どうなの?」


と佐々岡さんは、威勢のいい声で僕に聞いてきた。



「まぁボチボチやってます。会社には特に不満はないですし、むしろこんな自分を採用してくれたことに感謝しています。
ただ、同時に自分の人生の問題として、これでいいのかなという不安は常に持つようにはなりました。」


僕はあまり感情をこめない感じで、あたかも他人事のように言ってみた。



「そうなんだ。ところで宇田川は将来どうしたいとかあるの?」

唐突な感じで佐々岡さんは僕に聞いてきた。



「いや、今のところ強い思いはないんですけど、
今のままだと大したスキルもつかないですし、
いつかは独立をして自分のペースで仕事をしたいというのも思ってます。」


「あーそうなんだ。独立って会社を辞めて自分でやるってこと?」


「そうですね。今の僕は全く自信はないですが」


「じゃあいつ自信がつくの?」


「んー、何か一人前のスキルを身に着けたらですかね?」


「なるほどね。そのスキルが一人前かどうかって誰かが評価してくれるの?」


「誰かが評価するというよりかは、自分ができると思ったらでしょうか?その時に自信もついているはずですし。」


「それっていつになるんだろうね?」


「わからないです。でもとにかく採用してくれた今の会社でとにかくまずは頑張りたいと思います。」



貯金も50万円を切っているし、
人脈もあるわけではない。




佐々岡さんは
「やりたいことがあったらすぐやるというのはもっともなことだ。
でも現実的にすぐにできないことや、そうはいっても色々リスクがあることもある。
そんな時、オレが考えるのは“最低のシナリオを描くこと”なんだ。」



「最低のシナリオ?ですか?」


「そう。例えばAということをやりたいとする。
Aをやることによって最悪どうなることが考えられるか、
そしてそういう状態になったらどうなるのか、
を具体的にイメージするんだ。
最悪の事態はなんなのかを考えるんだ。」



「最悪の事態ですか?」



「そう。あ、ちょっとトイレ」


そう言って佐々岡さんは席を立った。

僕は、独立をするということについて最悪のシナリオを考えてみた。


やはり一番怖いのは会社を辞めて自分でやり始めても全然稼げないことだ。


稼げないと生活ができない。


採用してくれた今の会社への恩もある。


そしてもう一度正社員に戻ろうと思っても、
大したスキルもないしブランクもできてしまうので雇ってもらえない可能性がある。



あーなんかネガティブのスパイラルになりそうだ。







「お、最低のシナリオについて考えてたの?」


と後ろから僕の肩をたたきながら大きな声を張り上げて言った。



「あ、はい。たしかに独立をしてみたい気持ちがあります。
でも最低のシナリオを考えてみるとますます自信が失われるようでネガティブになりました。」



「ははは、違うよ!
最低のシナリオを考えるのは逆にポジティブになることだよ。
じゃあ一緒に考えよう。
オレがトイレに行っている間に考えたシナリオを教えて」




僕はさっき一人で考えていたことを話した。

「なるほどね。じゃあ全然稼げなかったらどうなるの?」


「生活できなくなります」


「確かに働かなかったら生活できなくなるよね?
だったらバイトすればいいじゃん。」


「え、バイトですか?」


「そう、バイト。日本って本当にありがたい国だと思うよ。
だってバイトでちゃんと働けば月20万~30万円は稼げるでしょ?」


「あ、確かにそうですね」


「宇田川はどうやら頭が固いようだねぇ。
バイトは学生がやるモノだって思ってたりしない?

または、正社員からバイト生活になることをなんか負け組だとかって思ってない?

もしそう思ってたら直ちに考え方を改めたほうがいいよ。

大事なのは自分がどうしたくて、どう生きたいかだからね。
その答えとして自分の考えで行動していたらそれが正解なんだよ。
第一、そんな考え方だったら独立なんてできないよ。
あとは一方で、今の会社にどうして辞めたいか?をちゃんと伝えるコト。
キミを取ってくれた会社は色々考えてキミを採用したわけで。

だから、自分の意志も大事だし、一方でお世話になっている人にどう感謝を何かしらの形で伝えるか」


僕はおっしゃる通りだと思った。


「だいたい人は経験をしていくとプライドが高くなり、
見栄を張りたくなってくる。
でもそういうものが自分の人生の自由さや、
本当にやりたいことにふたをしていくんだ。
プライドがなくなったからって死ぬわけでない、
むしろイキイキ生き始められる。
ほとんどの社会人はそれに気づいていないんだよ。」




「たしかに、僕は自分が自信がない人間だという風に思っていますし、
今でも実際自信がないのですが、
なのにもかかわらずプライドや見栄があったことに気づきました。」




「みんな少なからず持っているんだよ。
でも、それがあるがゆえに自分の人生に制限をかけているとしたら
それはもったいないことだよ。
相手が年下でも自分よりすごいものを持っていると思ったら素直に教えを乞う。
そんな風に生きれば、人として圧倒的に成長できるとオレは思っている。」






あーなんて僕は今までプライドと見栄を張って生きてきたんだろう。
人の目を気にしながら生きてきたことがありありと感じられる。


人の評価や視線、
どう思われているか、
嫌われないか、


そんなことを無意識のうちに計算して生きてきた。

ここで何かを変えないとずっと変わらないかもしれない。






次回へ続く・・・

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新卒7か月で会社辞めても、複数の会社オーナーになれた話④【初仕事編】

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