世界を変えたテニス留学生の話

初めまして、下仗一朗と申します。

これは僕がアリゾナで出会ったある一人の女の子の話です。

今僕は日本で仕事をすることになりましたがが、このストーリーは5月11日に書いたものです。。。では楽しんでください。このストーリーを読んで、「今日も生きるぞ。」と言う気持ちになっていただけたら嬉しいです。


Meiさんから、『次のセメスター、私テニスできないんですよ』と言われたのは、去年の暮れのことだろうか。

この女性は、僕のキックボクシングPT(パーソナルトレーニング)を何回か受けていてくれていたのだが、これまでの人生はテニスを一生懸命やってきて学校から奨学金をもらってテニスを大学でPlayする学生でした。

僕は、そんな彼女に『試合出てみますか?』と提案してしまったのです。

社会で生きていくのに、人を殴ったり蹴ったりすることはまずあり得ない。キックボクシングを夢中でやっていた僕は、人の顔を殴る蹴るという行為をキックボクシングの試合の上では当たり前のように考えていたので何の躊躇もなくリングの中では殴るし蹴る。それは、勝つために当たり前のことというか、特別なことをやっている意識は全くなかった。

でも、テニスをやってきたMeiさんは違った。殴ること蹴ること、ましてや殴られることも蹴られることも未知の世界だった。
僕の世界にとってはこの新しい世界はどんな感じでしょうか。
レオタードを着て、舞台で踊る。それよりも違ったことでしょうか。

でも、僕は本気でMeiさんは勝てると思っていたなぜならMeiさんは、本当にキックボクシングを楽しんでいたから。

1時間のPTメニュー、それでも、Mei さんはいつも物足りず『もっとやりたい!』と言っていました。

そして試合に申し込んだMeiさんと僕の練習の日々が始まりました。
試合までの期間は3ヶ月、試合に勝つ練習に切り替えました。

とにかく誰よりも練習すること。基本の攻撃をとにかく繰り返し繰り返し練習することでした。
まずは馬力負けしないように、走り込みを毎日するようにお願いしました。

右も左も分からず、ましてや上も下も分からなかったMeiさんは、まずは何から攻撃したらいいのか、距離をどのようにとったらいいのか、ミドルをもらって脇腹がいたい、目をつぶってしまう、コンボが続かないなど、僕が質問をもらって答えを一緒に探していく、PTも週4回に増やし、ほぼOFFはなし。そんな日々でしたが、Meiさんはいつも楽しんでいました。

最初の1ヶ月のスパーリングでは、攻撃を被弾するたびに「うりゃ」と声を出し目をつぶってしまっていましたが、試合まで残り3週間をきった時のスパーリングでは、改善点もみられいい内容のスパーができるようになっていました。

約1ヶ月を切った4月にMeiさんは9lb の減量を決意し、一つ下の階級で試合をすることにしました。

試合まで、残り1カ月、Meiさんは毎日体重と試合のことを考えていました。

試合ギリギリまで練習をおこないました。コンボの確認と、戦術の確認、試合時間を体に染み込ませることが大事だと思い、ライトスパーリングとミットを繰り返し行いました。

Meiさんは、ベジタリアンの為、食事面はファビさんと相談して、塩分カットやカロリー制限を徹底したら水分の摂取量は変わらず代謝があがり体重は、みるみる落ちていきました。

ちなみに僕の選手時代だった時の減量は、食事制限もしつつ早く水分を抜いていく減量だったため、エネルギーが落ち全然動けない、“ただただきつく“体重も落ちないという減量をしていたのでパフォーマンスも落ちていました。僕は減量に苦手意識があったため自信をもってこれをしたらいいという解決策を出せなかったのですが、ファビさんが食事摂取について細く教えてくれたので本当に助かりました。

Mei さんが出場した大会は、USMTO という大会で、毎年4月の終わりにwest 大会がArizona で行われているアメリカで一番大きなムエタイの大会といってもいいのではないでしょうか。
大会は4日間で行われ、1日目が計量、2日目3日目で予選が行われ、最終日に再び計量と決勝戦が行われることになっていました。

Meiさんのエントリーした、C クラスにはMeiさんを入れて三名エントリーしていて、対戦表が発表されMeiさんは、シードで決勝戦を行うのみでした。

そして、試合の日Meiさんは計量を終え試合の準備に、はいります。バンテージを巻きアップを行い試合待機場所まで行きます。

Mei さんは、緊張した姿もみせず着々と試合までの時間が迫っていました。

そしてMeiさんの試合が始まりました、試合前に時間を細く言ってくださいとか、気合い入れてくださいとか、ステップ使えって言ってくださいと、Meiさんは僕にアドバイスを求めたのにもかかわらず、試合が始まった瞬間、前に出て泥試合を仕掛けていきました。

採点はラウンドごとに発表される仕組みで、1ラウンドは相手に取られましたが、2ラウンド目はMeiさんが取りスコアは19-19のイーブンとなりました。

そして、3ラウンド目が始まる前のインターバルに気合いを入れ最終ラウンドを戦いぬき僅差ではありましたが、試合の主導権をとり、判定が勝つことができました。
USMTO Female C class Western National champion になったのです。

後々相手選手に聞くと、6年半のムエタイ経験者でタイにムエタイを練習しに行ったことがあるという本格的な選手でした。Meiさんはよく頑張ったと思います。

練習した技術は出せなかったとしても、身体が覚えていたのでしょうか、前に出ることは最終ラウンドまですることができました。

練習中、ポロっと涙を流すことは僕との練習ではほぼ毎日でしたし、減量もよく頑張ったと思います。今回のぼくたちの目標は勝ってベルトをもらうことでしたから、目標達成ということにします。

コーチとして全て一から教え試合に出すという経験が僕にはなかったので、Meiさんのこの試合結果には僕自身が学ばなければいけないことがたくさんありました。

どの世界でも同じだと思いますが、真理に近づくほど人間が洗練されていき人間性が磨かれていきます。

この経験が、Meiさんにとって人生のオシャレになるのかもしれません。僕は、ファッションのためというかオシャレのためというか、カッコつけのためにやるキックボクシングが大嫌いです。

ですが、こういう機会が僕にきたのも僕がまだまだ人間として甘いということの証拠でしょうし、Meiさんとのこのチャンスは、今やらなければ一生できないんで、今目の前にいる人にキックボクシングに会えてよかったと心から思ってもらえたとしたら、僕は少し嬉しいです。




そんな僕は今、Las Vegas にきて、あるところに行こうとしましたが門前払いでした。頭の悪さを感じています。

そこでこの美化された物語をカジノのホテルのロビーで書いています。

とにかくとにかく前に進みたいです。
人と触れ合っていくと自分をどうにかして正当化して前に進ませようとします。
自分を正当化せずに生きたいです。
そんなことも考えられるのも今だけなのはわかっています。

あと数日、覚悟決めてこっちにきて覚悟を決めて日本にいきます。

なんでもいいや、進むから。
Change the world.

下仗一朗

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