省エネ大賞 節電技術開発物語 1.1.3 安全なエネルギー源

 現在、主要な電気エネルギーは水力・火力・原子力・太陽熱などによって得られています。

1960年代頃までは大切な電気はほとんどが水力発電によるものだったと思います。山と水に恵まれた日本では高度成長時代(1955年-1973年)前までは、電気的には私たちの生活は現在の原子力や火力発電とは異なった安全な電気エネルギーで支えられていたわけです。水力発電というのは水の力によって発電機を運転し、電力を発生する方式でダム式、水路式、揚水式などがありますが、水力発電のためのダム建設のために多くの山裾の村落がダムの底に没していった悲しい事実があります。そのような尊い犠牲の上に成り立っている水力発電が過去のもの、古臭いものとしてあまり顧みられず、ありがたくも思われていないのは残念です。早くその地位を復活して日本での発電の主流に返り咲いてほしいものです。その当時の他のエネルギー源としては材木も主要エネルギー源の1つでした。私たちは小学校の頃には農作業で忙しい大人に代わって水汲みやまき割りした材木を燃やしながら炊飯したものです。

この後、1960年前後に化石燃料である石炭から石油への転換によるエネルギー革命はが起こり、エネルギーの大量消費時代へと突入していきました。経済社会の発展に伴う大量消費、使い捨てがより豊かな社会だとほとんどの人たちが間違って信じていた時代へ急速に日本が突入してゆきました。

 実際はものの豊富さから得られる豊かさは表面的なもので一時的には楽しい、うれしいものでしょうが、すぐに飽きるのものです。それは毎日同じおいしいものを食べ続ければ飽きるのと同じです。人間は困難な状況に直面して、満たされない状態にいて、工夫する余地があって始めてその能力を使うことができ、能力を使う、発揮するという人間的で創造的な喜びや幸せを得ることができるのです。

 現在は安全な新エネルギーとして太陽光発電や風力発電技術の研究、導入が進んでいるようで、おおいに期待しています。新エネルギー発電の必要性は原子力発電の危険性や高まる電力需要に対処するために不可欠ですが、発電の一方で並行して節電の研究や節電プログラムを実施しなければ更に進歩した社会、ベターな社会とはいえません。

 なお、新エネルギー(new energy)といわれているものは、大きく分けて、(1)太陽熱・光(ソーラー)エネルギー、(2)風力・潮力などの自然エネルギー、(3)オイルサンド、オイルシェール、石炭液化・ガス化などの合成燃料、の三つに分けられます。1994(平成6)年6月発表の長期エネルギー需給の見通しでは新エネルギーを“新たな供給形態”として二次エネルギーのコ・ジェネレーションなどを含めて次のように分類しています。再生エネルギー(太陽光発電、風力発電、太陽熱、温度)、リサイクル型エネルギー(廃棄物発電、ゴミ処理廃熱等、廃材等)、従来型エネルギーの新形態利用(コ・ジェネレーション、燃料電池、メタノール・石炭液化等、クリーンエネルギー自動車)です。

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