自分の人生を生きるということ

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朝9時に出社し、10時~19時まで
ひたすらにテレアポをする。
氷のように冷たい受付の対応。
社長につながったかと思えば、
噴火したかのようにブチギレられる。

やっとテレアポが終わったら、そこから資料づくり。
帰れるのはだいたい深夜の2時だった。
気付いたら朝になっていて、
シャワーだけ浴びに帰るなんてこともあった。

そして、当時は社員寮での生活だったため
帰ると10畳ほどの1部屋に男5人で雑魚寝。
週末には群馬に帰り、彼女と過ごす。
月曜日だけ大学で講義を受ける。

プライベートな時間なんて一瞬もなかった。

最初は頑張らなきゃ!の一心だったが、
だんだんとストレスがたまっていく。

いつからか僕は、
わざわざ家まで来て、ご飯を作って
待ってくれている彼女に
つらく当たってしまうようになった。

そのときの彼女の悲しそうな顔は
今でも忘れることができない。

「このままではいけない」
心が壊れていくのがわかった僕は、
東京へ引っ越すことを決める。

プライベートな時間を増やせることと、
逃げてしまいそうになる自分の
退路を断つためだ。

この決断は正解だった。
プライベートな時間もわずかながら増え、
だいぶ精神的には安定した。

でも、過酷な労働環境は変わらない。
それでも必死に食らいついていった。

そうこうするうちに秋になり、
気付けば10人以上いた同期は
5人にまで減っていた。

秋は彼女の誕生日だ。
誕生日の日、彼女は東京まで遊びに来てくれた。

なのに、僕は家にいなかった。
仕事が終わっていなかったからだ。
休日なのに会社に行っていた。

「何とか日付が変わる前に帰ろう」
そう思っていた僕は、23:45に会社を出て
全力で自転車を漕いだ。

途中のコンビニでケーキを買い、
息を切らしながら家に入る。

「おかえり」
彼女は少し寂しそうに、
でも笑顔で迎え入れてくれた。

彼女の誕生日には2分ほど間に合わなかった。

「俺、こんなんでいいのか?
 1番近くにいる人を幸せにできてないぞ?」

こんな思いが募り始める。

「早く力をつけなきゃダメだ!」
「本当にこれでいいの?」
2つの思いが、僕の中でぶつかり始める。

でも僕は、本当にこれでいいのか?という
自分の迷いから目を背け、がむしゃらに働き続けた。
周りの人間にも心配されっぱなしだったが、
あえて聞く耳を持たなかった。

そんなこんなで迎えた11月。
僕はとんでもない事件を起こした。

その日は内定式。
会社のみんなが内定をお祝いしてくれて、
内定者はみんな決意を新たにする。

はずだった。

でも僕だけは違った。

なぜかお酒の席で先輩と
大ゲンカを始めていた。

「バキッ」
あばらを思いっきり殴られた。

それでさらにヒートアップした僕は
止めに入ってくれた社長ともめ始める。

「なんでこんなことしなくちゃいけないんだ」
「本当に自分はこのままでいいのか」
「あばら痛いわ、ちくしょう」

いろんな思いが噴出する。

気付いたときには、社長に
思いっきりヘッドバッドをしていた。

そこから数時間は、あまり覚えていない。
ずーっと社長と部長と怒鳴り合っていた。

周りにいた人たちが
何とかその場を収めてくれ、
僕は家に帰った。

家で寝ていた彼女は、

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