5年付き合った彼女が、突然NYに渡米して消えたって話について 出逢い篇

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「税理士の勉強、頑張ってな」
電話越しの声は震えてへんかった気がする。
「うん。頑張るわ」
「もう飛行機の時間やし行くな」
「わかった。。。がんっ、ばってな」
声が震えてたんは、ボクの方やった。
電話を切った時、ボクの5年に及んだ恋は終わりを告げた。
あまりにも突然やった。前兆はあったんかも知れん。でも、どこかで「大丈夫」とかって高をくくってたんやろな。付き合って5年という歳月が、そんな根拠のない自信を生み出してたんやろう。
そんな長いこと付き合ってる二人やねんから、「ちゃんと結ばれるとこは結ばれてるわ」って思ってた。でも、その電話以来いまだに、彼女の行方をボクは知らん。

出逢い

彼女との出逢いは、大学のサークルやった。
彼女とは大学に入って半年くらいして急に仲良なった。それまではボク自身、異性よりも音楽の楽しさだけで日々を満足できてたし、正直それだけで精一杯というか、それに必死やったんかも知れん。
中高六年間を男子校で過ごして来たってこともあってか、どうも異性には苦手意識があったし、もちろん付き合ったことなんてなかったのも原因かも知れん。
前期はそんな調子で、音楽漬けの日々。というか、共通の趣味の友達と過ごす時間が楽しすぎて、もう単位なんてお構いなしに遊んでた。もちろん成績は最下層。
んで、後期が始まると、学園祭なるものがある。この学園祭で、うちのサークルは焼き鳥屋をやった気がする。当時のボクは、こういうのがあんまり好きじゃなくて、結構傍観してたんやけど、なぜか彼女(この時は友達)に買い出しに誘われたりしてた。
ここら辺から、よく話をするようになったんかな。この辺のことはあまり記憶にないんやけど、多分そういうことやと思う。
なぜなら、学園祭から一ヶ月後には付き合ってたから。

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