UGからGmbHに登記変更手続きについて

各国で法人設立のハードルがさがりつつある今、たとえばドイツ語圏でもスクラッチから法人を海外で立ち上げて事業をはじめる人は今後増えると思うので自分の経験、今回はドイツの法人格の変更についてを経験したことをシェアしたいとおもいます。参考までに。

ドイツで起業する際に検討される法人格の中で主に検討されるのはおそらくUGとGmbHの2つだと思う。(既存企業が海外支社として立てる場合のはほぼGmbH法人)UGはUnternehmers Gesellschaft Haftungsbeschränktの略で直訳すると起業家法人・有限責任でGmbHは有限責任会社(日本でいうと昔の有限会社、いまの合同会社に近い)。

結論からいうとどちらか選ぶのは(どちらかでスタートするのは)好みだとおもう。変更するのは簡単だ。

日本で一般的な株式会社はAG(Aktien-Gesellschaft)に近く、主にフランクフルト証券取引所に上場可能な法人格だがドイツの場合巨大企業である場合がおおく、起業時に使われるケースはほぼない。例えば自動車部品で有名なボッシュのような従業員数数万人の世界的企業でもGmbHであることもおおい。なのでここで触れない。AGのほかにSEという(Societas Europaea、Statute for a European company:欧州法人)という法人もあるが(有名所だとロケットインターネット、ZALANDOなどSE法人)起業で使われることはまず無いので触れない。(その他にもいろいろあるが今回は触れない)

ただし、昨今スイスでICOをするベンチャー企業(資金に潤沢なファウンダーがつくるケース)などはたまに最初からAG法人でやっているケースもある。

UGとGmbHは同じジャンルの資本会社(有限責任会社、合同会社、LLC(英米系)、OÜ(エストニア)等と似た形態)で簡単に言うと違いはほぼ、資本金だけだ。UGは1€から設立でき、GmbHは最低資本金が25K€(約300万円程度)必要。どちらも同じKapital Gesellschaft(資本会社)なので本来は資本金以外は変わらない。(UG=Mini GmbHとも呼ばれる)ただ、投資や助成金等のプログラムが数年前までGmbHにのみ開けていた経緯もあるらしく、一般的な社会的信用はGmbHのほうが高いようだ。(日本で株式会社の方が合同会社や有限会社より認知度が高いのと似ている)

さっそく下記実際にUGからGmbHに変更する際の私が取ったプロセス

1.担当の税理士にUGからGmbH変更希望の旨つたえ、期の途中であれば中間決済をする。(1200€程度)資料を作ってもらう。

2.中間決済をまとめた資料を添付して、UGからGmbHに法人Conversion希望のむねNortar(弁護士)にメールで連絡する。(1〜2週間待つ)

3.Notarからメールで登記のドラフトが送られてくる。書類

It is necessary that the shareholder meeting appoint a proper audit beforehand in order that the auditor give the interim balance sheet, which the capital increase will be based on, his unqualified audit opinion.

For small companies like yours, it is sufficient if the auditor be a vereidigter Buchprüfer. Please forward the notarial documents to your tax consultant for further instructions on appointing the proper auditor and getting a proper audit opinion which is mandatory for this process.

To complete the drafts we require the name and the business address of the auditor and when the audit opinion of the interim balance sheet was given. We require the original balance sheet with audit opinion and dated and signed by you, the managing director.

4.監査が必要とのことで、税理士に監査人を探してもらう(+見積もり)

ここでだいたい3000€〜5000€の見積もりがきたのだが、税理士から監査無しでやる方法がやっぱりあるということなので、そのプロセスに従うことにする。(はやり行ったり来たりのコミュニケーションは頻繁に発生しがち)

下記ざっくりのプロセス

1) Confirmation for Mr. Lawyer that you apply for a Share capital Increase to €”資本金の金額” and a further share contribution of € ”資本金の金額”

2) Signing and confirmation of the enclosed draft for a Pre profit Distribution

3) Payment to the tax authority at Oct 22, 2018 € (税金)Text “Kapitalertragsteuer”

4) Payment from company to your private bank account € XXXXX Text: Vorabgewinnausschüttung 2018

5) Payment form your private bank account to company, € 資本金 Text: Einzahlung Stammkapital

振込の日程は弁護士からの書類に示された日程でないとNG。(多少おくれるのはあり)

その後税理士から送られてくる必要書類にサインしたあと、Notar弁護士とアポをとって書類の読み上げ(ドイツの法律でNotarが最初から最後まで一語一句定款を読み上げるのが何故か必要で、2回経験したけど今回も謎な感じ)

読み上げ後サインして終了。その後資本金を振り込み振り込んだ証明として銀行の口座情報を弁護士と税理士に送って、弁護士側で商法登録が完了して完了。

一連の流れのなかで注意なのが、他人にアドバイス(専門家であっても)を聞くと必ず、このプロセスはいらないとか、ぼったくられてるとか、あるいは逆に準備不足すぎるとかいろいろ迷いを煽ることを言われる。(ドイツあるある)間違っていないケースもあるだろうけど、最終的にやるのは自分なので自分が信じたやり方でやりきるのがだいじ。基本的に不安を煽るような人は信用しないのが得策。特にベルリンでこうした手続をする際に必ず首尾一貫しないカウンタートークをしてくる専門家がいるので注意するべき。

信頼できる弁護士や税理士を見つけるのが非常に大事。専門家こそひととしての見極めが大事。ベルリンには胡散臭い専門家がごろごろいる。

また簡単なプロセスなのにやめろという専門家が多いのは、なにかしらロスする人がいるのだろう。

UGの場合、将来的にGmbHになるのが前提の法人で、毎年利益の1/4を資本金に積み立てる仕組みになっているので、どうせ遅かれ早かれなるのならだらだらやるより手っ取り早く変更しといたほうが良いという判断だ。どちみち仕事で一番貴重なリソースである時間は最優先が吉。

ベストなのはケース・バイ・ケースなので、一概にいえないが、0ベースで資金も潤沢にない場合はUGでとりあえずつくって上向きになってきたらGmbHになるべく早めにコンバートというのが最も低リスクなきがする。

ちなみにベルリンに法人を作ると一番ネックになるのはドイツ語と面倒で高い税制で、いまでは英語だけでもいけるにはいけるが、専門家のちからをかなり借りる面があり、維持コストが高いといわれる原因となっている。

他の選択肢として同様に検討できるとすると、オンラインで設立可能なエストニア法人、ヨーロッパ内外にアクセスの良く海外企業も多いオランダ法人、ブロックチェーン業界などで立ち上げですでに売却経験やICOであつめたなど資金がある場合はスイス法人、リヒテンシュタイン法人などが有力。(とくに後者2つはEU外にあることがEUのレギュレーションに触れないことが優位性となっている)スイスの法人はステータスと信頼が高く、クリプト対応も現状よく、すでに潤ったブロックチェーン起業家の起業にはよいがドイツ以上に維持費が高い。マルタやキプロス、ジブラルタルも税金が安く検討に値するとおもう。

これからドイツで会社を始めたい人の参考になれば幸いです。

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