なぜ海外在住起業家コミュニティが重要だと思うのか

自身も含め海外で事業をする日本人起業家の実態をしることで傾向としてわかったことがいくつかある。

傾向1:日本人が海外で起こす事業で比較的うまくいきやすいのは1. 飲食 2.士業 3.人材紹介

傾向2:日本人が海外で事業を起こす際に問題になるのは、よく言われる言葉や文化でなく”ファイナンスの選択肢の少なさ”

傾向3:日本人がリーダーシップを発揮しやすく、事業を広く拡大させているのは東南アジアエリアでありその他地域、特に欧米圏では比較的小さく収まっている

傾向4:日本である程度成功してから海外に拡大というケースはあっても海外で成功して日本に逆輸入ケースは殆どない(例えばブロックチェーン関連企業のように日本のレギュレーション問題で海外でやらざる得ないものもある)

傾向1については日本食の付加価値の高さとブランド力。オタクビジネス等も強いが版権問題や単価の安さとマーケットの偏りもあり成功している感のある人は少ない。

士業系は数は少ないもののどこの国でも結構成功していて特に現地に進出している日本企業をしっかり抑えてる事務所は安定している印象。

人材紹介は東南アジアやインド等で特に日本での外国人人材需要を含めとても盛り上がっているようにみえる。元々ロンドンからスタートして上場企業になったJAC社等事例もあるし、ドイツでも日本人が経営している人材紹介会社はいくつかある。始めるときにライセンスさえクリアすれば資本金がすくなく個人でも始められる利点がある。

人材紹介と同時に移民に関する様々サービスが今後日本では増加していくと思われる。

個人的に最も大きな問題になるとおもうのが傾向2のファイナンスの選択肢の少なさだ。おそらく”日本で成功→海外の道”にならざるえないのはコレが原因であり、この実態については認知&議論されていない。

また個人的に考えているのが日本から世界的なITサービスが生まれない原因の一つもたぶんこれだ。ITサービスは行動パターンと大きく関連しているので、世界の業務スタンダードや生活様式の最大公約数からスタートしないとたぶんひろがらない。日本で天下をとったサービスが特に欧米圏で成功しないのは”まず日本”のステップを踏んだ時点でこれができないためだ。業務スタンダードや生活スタイルが日本はとても特殊だからだ。逆にこの特殊さをある種のアバンギャルドさに転換できればすごいことになるかもしれない。

海外でエクイティで投資されているのは多くがリクルート社等の日系VCが絡んでいるケースでありそもそも数は極小、あっても北米と東南アジアにほぼ限られる。

聞いた話だとタイなどの東南アジア地域では銀行融資Debtによる資金調達は外国人は難しいようだ(タイ人を経営者に入れるなど必須)対してフランスやドイツはDebtは20K€くらいまでは可能なものの地元の投資家はまずEU外出身の起業家とは話をしない。

エクイティ投資自体が世界中どこでも超ドメスティックなため、例えばシリコンバレーのVCも車で行ける範囲にしか投資しないと言われるようにものすごくローカルな活動。(もちろん例外はあるがコストや税金負担を考えるとリーズナブルでない活動になる)もちろんサービス自体のポテンシャルがあることがもっとも重要とはいえ、土俵になかなか上がれないのは問題である。

欧州も含め日本出身の起業家はほとんど口座用途の日本法人を設立しそこから日本で資金調達をするというケースもある。ただ稀であり、逆に聞いたケースでは超のつくマニアックなハードテック領域、例えば電池の寿命を伸ばすコアなテクノロジー分野等では顧客も資金元も数が非常にかぎられてるため海外企業や財団からの調達というのはあるそうだ。

あえていうと、よく言われる語学や文化の差というのは実はあまり問題にならない。しかし、いわゆる海外進出支援業はここにフォーカスしている。語学はツールの進化や通訳のコストが下がっているのもあり手続き上問題となってもさほどのものでなく、結局商才は語学力のあるないとあまり関係ないのではないか?と周りをみていても日々かんじることがある。そもそもある程度の語学と文化適応力がないと海外で起業しようなどとは思わないので、ここで自信がないひとは海外でやる必要がない。

傾向3だけどやはり東南アジアにおける日本人のプレゼンスは欧州などと比較して非常に大きく感じる。マハティール首相がルックイーストで日本を手本にするように欧米と比較して日本人の社会的地位が高い。当然こういうのはすごく重要で海外でやろうとする人はできるかぎり親日のエリアで商売するほうが短期で成功できると思われる。

海外在住起業家のコミュニティが大陸を超えてあることは自分がいる国でやるメリットとデメリットを再確認してアジャストできること、まだ完全ではないけれどヒト・モノ・カネをコミュニティの中で動かして海外で活動する日本人起業家が持つ独自の問題を共有、改善できること。

現地でもマイノリティ、日本でも外の人で双方から支援を受けにくい分、世界規模の日本人コミュニティを活性化することでポジティブな流れを作れるとおもっている。

いわゆるインターナショナルコミュニティも大事でそこで様々なバックグラウンドや国籍を持った人同士の繋がりも大事だけど、日本国籍もっている人が抱える独特の問題や解決策はやはりあって、それが自分のいる地域だけでなく世界に広がっていれば視野も偏ること無く(例えばドイツでも長い人になればなるほど地域ルールに埋没してしまうとどうしても偏ってしまう)フラットな広い視野が持てれば良いし、新しいビジネスチャンスも自分のいる地域を超えて生み出しやすくなればかなり価値の高いコミュニティになるのではないかとおもう。

バンコクで事業をする知人が、中国人や韓国人は海外で助け合い、日本人は日本人同士で足を引っ張り合う、といっていた。残念ながらその傾向があるのは否めない。

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