vol 2 : 自宅でのテレアポは初めの一歩が遠かった。

28歳になるちょっと前。
きっかけがあって独立する事になった。

全くの一人での独立。全くゼロの独立。

WEB業界を選んだものの
半年しか業界を経験していない自分は、
ホームページすら作れなく、
出来る事はやはり営業しかなかった。

費用を最低限にするため、
開業場所に選んだのは自宅。
都営大江戸線の落合南長崎から歩いて5分。
目白大学や哲学堂公園が近いエリアの
家賃6万8千円の1Kのマンションで始まった。

四畳半のキッチンで、
折り畳みのテーブルに、
DELLの15インチのノートPCを置き、
ヨドバシカメラ新宿本店で買った1万円のグレーの電話を引き、
FAXはブラザーのA4複合機インクジェット
マンションタイプの光ファイバーで少しお財布に優しいブロードバンドも確保した。

▼これが実際テレアポしていた場所。


前職の部長が

うーん、、凄い環境で仕事してるね、、、、^^;
と、呆気にとられるほど。

自他ともに認める悪環境だった(笑)

そんな中でも待ちに待った独立初日。
満を持してテレアポ新規開拓がはじまる。

・・・・

ところがどうしたことだろう、
一本も電話できずに初日が終了した

営業チームの中なら率先して電話していくタイプなのに、
一人ぼっちだと、ビビり始めていた。


営業チームでのテレアポがジェットコースターなら、
一人ぼっちのテレアポはバンジージャンプ
タイミングを他人(または空気)が決めるか、自分で決めるかの差がある。
一人で独立すると潰れやすい理由は、
恐らく、こういうところにあるんだろう。

電話しろー!とプレッシャー掛ける上司もいない。
仕事しなきゃいけないという会社の空気自体がない。

あるのは、無音。

電話しようがしまいが自由。
仕事が進まなくても迷惑する人もいない。
顧客ゼロだから降ってくる仕事は何もない。

自由の前に
与えられた環境で飼いならされてきた自分は固まっていた

壁に貼ってある売上目標が笑っている。
半年後に月20万円の利益が安定するといった、
控えめで現実的で地に足ついた目標だった。
アベレージなボクに似つかわしい目標が、
今日ばかりは関係のない数字に見えていた。

27歳最後の月にはじまったテレアポ初日は、
何も出来ない無力な日だった。

著者のMiyamoto Kazuakiさんに人生相談を申込む

著者のMiyamoto Kazuakiさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。