将棋 プロ挫折後3

大会は3位で終わった。

しかし、この時大会運営から俺にとっては意外な話があった。


運営「今回4位までに入賞した方は自動的に、今度開催される関東大会へ出場してもらいます。」


は?

よくよく考えてみれば、入賞すればそりゃ関東とかその先の大会もあることは推測できるようなものだが、当時の俺は「頼まれたから出るだけ。結果なんてどうでもいい。責任は持たない。これ一回きり。」

そう思って出ていたから、先の話なんて何も考えてなかった。というより知らなかった。


やられた。


顧問の古郡もそんなこと一言も言わなかった。

関東大会の話が出た時、古郡の顔を見たが、ニヤニヤと笑っていて、この時俺はハメられたんだなというこに気が付いた。


こいつ、こうなることを予想して初めから「今回だけでいいとか、入部しなくてもいい」とか言ってやがったんだ。


俺は全く出るつもりがなかったから、表彰式のその場で


「俺、関東大会には出ないっすよ。そんな話顧問から何も聞いてないし、今回だけって約束ででた。部員ですらないから。」


運営「は?君は将棋部の生徒じゃないのかね?じゃなんのために出た?なんのためにここまで勝ち残った?」


俺「違います。今回だけという約束で出ただけで、そもそも将棋はもうやりたくない。大会にも興味はない。他の人出してください。」


俺も運営陣も顧問の方を問い詰めるように見たが、古郡は笑っていた。


この性悪顧問が。


運営「本当に出るつもりはないのか?ないのなら他に代役を立てなければならない。こんなこと前代未聞だ。一度出るか出ないかよく考えてくれ。もし本当に出ないなら代役の選出を行わなければならないから、顧問を通して一週間以内に返事をください。」


この場は引かないと終わらないと思ったから、一旦持って帰ることにはした。


もの後学校に戻った。


俺「あんた、はめたな。関東のことなんて聞いてない。」


古郡「そんなことないですよ。勝ち残ったらラッキー。その程度にしか考えてませんでしたよ。」


俺「よう言うわ」


古郡「それよりどうするんです?本当に出ないんですか?今栃木は他の県に比べるとレベルが低く、関東、全国クラスとなると元奨励会員なんかもたくさん出てくる。プロを目指していたレベルの子達が集まる。君もプロを目指していたんだろう?」


感に触るおっさんだ。

プロを目指していたことは誰にも言っていないのに、こうもよくガツガツ踏み込んでくる。

人のことを知ったかのような口ぶりでよく喋る。


俺「俺は将棋をやめたんで。それに元奨励会の連中が出てくるなら、出るだけ無駄だろ?俺は奨励会には入れず、挑戦する前に諦めた。」


古郡「まあそう言わずに。関東に出るならちゃんと入部届は出してもらいます。運営にも怒られちゃったからね。出ないなら出ないで運営にはそう報告します。決めたら教えてえください。」



なんか、こいつの思う通りになってとてつもなく解せなかった。





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