将棋 プロ挫折後7

そんなある日


杉本からこんな話をされた。


杉本「俺と団体戦を組んでくれないか?」


俺は何をいっているんだこいつと思った。


俺は断った。

俺に何のメリットもなかった。

大会は個人戦、団体戦と二種類あるが、片方に出場すると他方には出場できないシステムになっており、次の団体戦は3年生になった時の最後の大会であった。団体戦は三人で行うもの。俺にはそんなリスクなことを行うより、個人で出た方が活躍の可能性が大きかった。


予選突破できるかどうか程度の連中と組むより、断然一人で戦ったほうが勝ちやすい。


杉本にこんなことを言われた。

「俺は今まで、好きだったサッカーでもうまくいかず、受験でも失敗して、負けに負ける人生だった。勝ちたい。この高校生活で誇れる結果が欲しい。優勝したい。」


その思い、わからないこともなかった。

俺も空手をやめ、将棋もプロを諦め、受験にも失敗し負けに負けた。はじめから成功していたわけではない。

高校で活躍できたのも、プロを目指していた時の貯金があったからこそ勝てただけで、真に上を目指したレベルの戦いではない。


勝つことの楽しさは尋常ではない。

この喜びを理解することなく、負けることが当たり前になれば人生で負け癖が付き、一生勝てない人間になる。

そう思った。


本気でトップを狙えば、必死で物事に取り組めば成果は出せる。

それを体感して欲しかったし、それを証明したかった。


今の俺にはプロではないが、将棋がある。数学がある。空手も全国まにいくまでは通用した。それなりの成果は出ていた。



俺は杉本と団体戦を組むことにした。

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