将棋 プロ挫折後14

大会前日、俺は二人を焼肉に誘った。

最後の景気付けだ。


そして、今までのことを振り返った。

色々なことがあった。

始めの時から思えば、ここまで二人が付いて来ると思っていなかったし、ここまで成長するとは思っていなかった。


よくぞここまで成長した。


思えば、約一年前。

杉本の提案から始まったこの団体戦。


同じ部員の仲間ありながら、一つの師弟関係のような関係でもあった。


そして俺から二人にプレゼントをあげた。


扇子だ。


明日はこれをもって戦いに挑もう。


杉本には振り飛車党の名手、藤井システムこと藤井先生

北里にはゴリゴリの本格派居飛車党の渡辺先生

の扇子をあげた。


三人で奮起して一つの約束した。


「最後に、師匠としてではなく、チームのメンバーとして。安心して戦ってほしい。俺は絶対に負けない。約束する。俺は必ず全焼する。だから、あとはお前らで勝て。そうすれば必ず全国にいける。全国の切符はお前らが決めろ。俺は誰が相手でも絶対に負けないから。宇高右四間使いに当たったとしても必ず勝つ。だからお前らは安心して、自分が勝つことに専念しよう。自分たちのやれることをしっかりやろう。俺たちはチームだ。」


二人は感動してくれたようで、一切負けることは考えなくなっていた。

絶対に勝つぞと。

全国に行くんだと。

夢なんかじゃないんだって。


本気でビジョン共有できた瞬間だった。


そして最後の大会が始まった。



著者の諒 酒井さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。