タクシー運転手の日常「全力徒歩のおばさん」

60代ぐらいのおばさんが乗ってきた、目的地は銀座の三越。

乗って来た瞬間に何かを感じた。
少し気難しいというか、人を見下している感じ。

「こんにちはー」と最初の挨拶をしてもなにもない。
そしてたぶん、不機嫌。

目的地に着きお会計をしていても、まぁ不機嫌。
そんなこと何度でもあるから、
ムカつくどころか優しく接してお会計をした。

そして扉を開けると、急に全力徒歩で車から去っていく。

「そんな急いでた?」ってくらい急に急ぎだす。

走ってはいない、めちゃめちゃ全力で歩いて去っていく。

そして、体を乗り出し後ろの忘れ物確認をすると、
一辺で2,30㎝くらいの紙袋がイスの上に置いてあった。

「ゲッ!!忘れ物!!」

これ気づかないか?というほど大きい忘れ物。
「お客様ー!!」

声を掛けるがおばさんは全力徒歩で去っていく。

その間、ほんの1,2秒ほど。

結局おばさんは去っていった。

後ろの席を開けて、その紙袋を覗くと、、

何も入ってない。。。

「やったな!!あいつ!!」

すぐに気づいた、なぜ全力徒歩で人込みへと入っていったのか。。。

だって、「お客様ー!」って言ったら
全力徒歩から少々小走りに速度あがったもん。

二回、「お客様ー!」って呼んだんだけど、
一回目は全力徒歩から少々小走り。
二回目は少々小走りから前かがみの少々小走り。

たぶん、スピードを上げるために前かがみになったんだと思う
だけどスピードは変わってなかった。

全力で徒歩してた。

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