タクシー運転手の日常 「支払いをせずに降りようとする男」

タクシー運転手をしていると、身に付く勘みたいなものがあって
「(こいつちょっとあぶねぇなー)」
と思うと当たったりする。

勘というより、酔っ払いなのだが、
目がイキまくってる人の場合は大抵それ。

その日お乗せしたのは、酔っ払いの男。
目はイってなかったが、乗る寸前に危なさを感じた。

感じるだけで何もないことだって何度もある、
それより全く悪い人には見えない。

道中、スマホをいじってるが
一切声も呼吸も聞こえない。

「(案外おとなしい)」

そう思いながら目的地までついた。
完全に安心しきっていた。

タクシーを止めると、
急に支払いもせずに外へ飛び出そうとする。

「(えっ急に?)」と思ったが、酔っぱらっていたので扉を開けるのも動きは遅く、そんなに焦らなかった。

「お客様~、お支払いを~」と言うと一瞬振り向いたが、
その顔に生気はなく青々としていた。

その後すぐに嘔吐。

「(危ねーっ!!!!)」

支払いは普通にしてくれた。

勘は当たっていた。

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