今の時期だからこそ、、、その2

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 その1に続いてその2です。今回は1月から2月初旬にインドで経験したことを書いていきます。


 新型コロナウィルスの感染状況は、中国・香港を中心に広がりを見せている状況でしたが、インドはアメリカやヨーロッパと同じ様にどこか対岸の火事的な状況でした。
 だからこの時期は『新型コロナウィルス ?それって何?』的な認識しかないインド人の方が多かったのではと思います。
 私の周りでは私の様に、ある程度危機感を持って新型コロナウィルス の拡大に関してニュースを見ていた様な人もおらず、どちらかというと『そのうち収束するでしょう〜』というノホホンとした雰囲気だけでした。
 その状況が一変したのは1月30日です。
 インド国内でケララ州というところで一症例目の感染者が見つかったのす。(ただし、この時点でもこの感染者が中国の武漢から来た大学生であったことで、そこまで話題に上る様なこともありませんでした。)
 しかし、この後続けて2名の感染者が発見されます。(一症例目と同じ中国からの大学生です。)
 これにより、一部の有識者の間で『インドでも感染が危ないんじゃないの?』という雰囲気がやっと出てきました。
 そして中国からの訪問者を受け付けないこと(これには香港も含まれています)、そして中国や香港を経由してインドへ入国することも不可能というっ決定を2月6日にします。
 これがインドで取られた最初の対応になります。
 なお、この一症例目となった大学生の隔離措置に関して、Newsweekの2020年3月19日の記事『新型コロナウィルス 、あまりに不潔で感染者も逃げ出すインドの隔離施設』で多くの誤った情報が記載されていました。
記事の中では
ニューヨーク・タイムズの報道によれば、ケララ州当局は、感染が疑われたある家族の行動履歴を監視カメラの映像と携帯電話の記録から割り出し、彼らと接触した1000人近い市民を隔離したほどだ。”
とありますが、これは2020年3月12日に書かれた『インド警察が顔認識技術を使って暴動の容疑者1100人を特定』に書かれているデリーでの事件のことで、新型コロナウィルス とは全く関係がないと言えます。
 少し話が脱線しました。
 何にしてもこの様に、それまで対岸の火事だと思っていたことが、突然飛び火して一時的に大慌てになったという感じです。
 ただし、この後しばらくインド国内の感染者数に全く変化はありませんでした。
 これは実際に他の感染した方が見つからなかった、という側面もあると思うのですが、『新型コロナウィルスに感染した時の症状をインドの人が知らなかった。だから病院へ行って検査をした方の絶対数が少ない』『そもそも風邪程度の症状では病院へ行くという風習がない(金銭的な問題です)』『牛の尿を飲めば新型コロナウィルスに感染しない、という民間療法が信じられていた』などの要因が考えられます。
 しかし、この後徐々に感染者が増えていき、あるところで一気に増加をすることになるのですが、、、。

 ちなみに、この時期に私は2度インド国内の出張を行なっています。
 どちらも日帰りの出張でしたが、1回目は1月30日にデリーへの出張。
 2回目は2月8日に感染者が発見されたケララ州への出張です。
 この間、約1週間ほどの差しかありませんが1月30日の時には空港内は普通に混雑しており、機内も満席の状態でした。また、空港内での体温検査といった物も全く行なわれたおらず、この騒動が始まる前と何ら変化ありませんでした。
 しかし約1週間後の2月8日は行った先が感染者の発見された地域ということもありますが、到着後の体温検査はありませんでしたが、私の国籍の確認と発熱や咳などが無いかという問診が行われました。これは明らかにインド人と違う国籍の人にのみ実施されている様だったんですが、インドに来る前の滞在先の確認といったことはされておらず、ちょっと中途半端な検査だったという印象です。
 ちなみに機内の座席は80%くらい埋まっている感じで、そこまで多くもなく、でも少ないというわけでもありませんでした。

 そして、世界的に大きく状況が変化する2月中旬へと突入します。
 当然、この流れはインドにも届き、インド国内でも様々なことが起こり始めます。
 それはまた次のSTORYSで。

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