1年の宅浪後、難関国立大学医学部に合格し、学費も奨学金やバイトを当て、医師になった生徒の話(前半)
今日はKさんのお話3回目です。
前回は高校3年時、千葉大二次試験前期日程が終わった直後にくれたメールをご紹介しました。
その続きからとなります。
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目次
1.高校3年時の受験結果(3月末)
2.返信
3.中学時代~高校時代を振り返って
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1.高校3年時の受験結果(3月末)
しばらくして気になったため、メールしました。
2012年3月20日
白水)
こんばんは、白水です。
前回メールをいただいてから、あっという間に入試シーズンも終わってしまいましたが、いかがお過ごしでしょうか?
少し心配だったため、メールしました。
また、なにかありましたら、メールをお待ちしています。
それでは、失礼いたします。
Kさん)
こんばんは。まさか白水さんから、直々にメールが来るとは思いませんでした。感激です。
千葉大落ちました。センターは88%だったのですが、二次でつまずいてしまいました。
後期はリサーチを見て出願しませんでした。やはり自分より点数高い人が、千葉大の後期で足切りをくらったそうです。
また一からやり直しです。
家庭の経済状態も良くなく、受験費用は出してもらえないという事で3月中は平日は一日中働いて月15万稼ぐ予定で、それを受験料やら模試代やらをやり繰りしていきます。
今年も防衛医大は受けます。昨年落ちたのでリベンジを果たします。
勿論私立は家庭的に受けられませんし(自治医科は考え中ですが)、祖母が千葉大で救われたのでやはり千葉大をまた受け直します。
親には一浪までと言われているので、もしかしたら中期で名古屋市立の薬学部を受けるかもしれません。
後期はまだ迷っています。センター次第で医学部にチャレンジか、他学部の滑り止めを受けるかです。
医師になりたいという気持ちは大きいので、もし悪い結果(他学部に入る事)になっても、将来お金貯めて再受験を考えます。
どちらにしろ来年は必ずどこかに入ってなければなりません。
学力については昨年度最後の模試(駿ベネ記述)が偏差値69です。
昨年12月前に肺炎にかかり、二週間何も出来ないまま学校の学期末テストを迎え、すぐにセンターの準備に取りかかったので、二次の知識がセンター終わった後に完全に抜けててパニクってしまい、モチベーションが下がってしまいました。
これが失敗の理由の一つです。健康には本当に気をつけていたので本当に悔しいです。
本番では英語の長文が難しいと歯がたたず、数学では方針が立ったのが遅すぎた事、毎年難しい物理の力学でも歯がたたなかったのが敗因だと分析してます。
上記の克服の為英語の解釈を基礎からしっかり、また物理の難問にも現役の時以上に当たっていきます。
数学は一対一の演習とスタンダード演習を完璧にします。
これからはやる事をしっかりやれば受かるとは思いますが、宅浪なのでモチベーションの維持が不安です。
また現役時に不安ですぐに新しい問題集に飛び付いてたりしたので、今年は五回は復習してから次に移るようにします。
長くなりましたが現在こんな感じです。
何か気になった事はありますか?
2.返信
白水)
こんばんは、白水です。メールをありがとうございました。
私からのアドバイスは3つです。
まず、『医学部受験に強くなるマル秘テクニック』白水一郎・著(エール出版社)をご覧になり、この1年の流れをイメージしましょう。
思うよりも、あっという間に1年は経ちます。この本では、宅浪で自治医大に合格された方など出てきて、お役に立つと思います。
ふたつめは、物理について。
上記本にもあるかと思いますが、難問はそれほど意識する必要はありません。本当に難問が必要なのは、東大、京大、阪大、慶應くらいです。
この方向性を誤ると、ムダに時間ばかりが過ぎ去ります。
最後は、千葉大について。
本でも紹介しましたが、秋に行なわれる学園祭に行かれるといいでしょう。在校生に相談できる機会があります。
ここで、実際に受かった方の話を聞くことは、直前期の過ごし方のヒントとなります。
簡単ですが、以上です。
上記本では、Kさんの高校の先輩も登場します。よろしければ、参考にしてください。また、なにかありましたら、メールをお待ちしています。
ファイト!
(ここまで)
ここまでが現役時、私との絡みの部分です。
この前(5月12日)、お会いしたとき、模試の成績等を見せてもらい、わかったことを次にシェアします。
3.中学時代~高校時代を振り返って
これは最近、中高一貫の中学生のお子さんを持つ保護者の方よりご相談が多かったことを鑑み、彼にも聞いてみました。
Kさん
「う~ん、部活ばっかりですね」
ただ、Kさんの高1の全統高1模試の偏差値は70以上あり、学年順位も12~13番くらいでしたので、学校の順位はキープしていた上での部活だったことを補足しておきます。
Kさんの出身高校から今年、国公立大学医学部合格者は24人。うち、現役合格者は10人です。
(『週刊朝日』4月26日号より)
今年、東大には現役5、浪人5、京大に2人受かっています。
(高校ホームページより)
高2の全統高2模試も同じく偏差値70以上。ここまでは順調です。
仮に高1や高2のとき、私に相談が寄せられていたら、こう答えていたと思います。
まず、学年順位をもう少し上げてもらいます。理想的には、学年7番くらいまでに入りたいところ。
次に、全統記述までは偏差値70を超えているため、次はやる内容に負荷をかけ、難関レベルの模試に挑戦の場を速やかに移し、そこでも偏差値70以上を高2の段階で達成します。
加えて、夏休みなど長期休暇を利用し、現代文などもやり、様子を見たことでしょう。
なお、Kさんが医学部受験を決めたのが高2の秋。ここから、医学部を真剣に目指しています。
(で、私のブログを見つけ、不安解消講座を購読)
高3の模試では伸び悩んでいました。具体的な数字は忘れましたが、高3のときに受けた模試の平均値は65前後で、あまり伸びてはいません。
当時、なにをしていたのかと聞くと、千葉大二次の難易度以上の問題集に手を出していたと言っていました。
Kさんが模試を見せて、「自分はどうですか?」と聞いていましたが、高3の4月にアドバイスをしていたら、適切な問題集を指示し、模試で経過を見るため、秋に受けた模試の数字以上が出たのではないかと話しました。
高校生はこの辺、注意が必要です。
1浪された医学部生に浪人した理由を聞きにくいのですが、『マル秘テクニック』でもズバッと質問しています。
(同書、165~166頁参照のこと)
ご自分と照らし、同じ轍を踏まないように、ご注意ください。
先輩からのありがたい助言です。
あなたの親御さんの人生を雑誌にしませんか?
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