通訳学校で学んだ英語力をのばす方法

前話: 波瀾万丈?人生:海外4カ国計17年住んでみて)
英語力をのばしたい人は多いと思うので、通訳学校で出会った先生や通訳学校のクラスメイトに教えてもらった英語力をのばす方法をシェアしようと思う。
私が通った通訳学校はISS。
もともと帰国子女だったから英語は得意だという自負があった。
外資系企業で働いていたし、仕事で英語を使うことも多いし、もうひとつ上の英語レベルに到達したい。
そんな思いから通訳者を目指そう、などと思い、通訳学校のドアを叩いた。
TOEICは850以上が条件だったが、それはなんとかクリア。
が通訳レベルチェックの試験で出た判定は、基礎コースからの入学だった。(今は準備科というらしい)
え、本科にはいけない実力なの?
私の英語力ってそんなにだめ??
・・・正直がっかりした。
これは恥ずかしながら自分の奢った「私は帰国子女だ」という自信からだったのだと思う。
基礎コースを初めてみてわかったことは、、、、
思っていたよりすごく難しい!
一応大まかなテーマは事前に聞いているので、それらしき準備はしてくるのだが、全くあてが外れてダメダメだった。
授業では英語音声が流れ、先生が音声をとめたら、即自分の声を録音する。
課題が終わると、次は恥をさらす時間だ。
生徒のみんなが吹き込んだ音声を公開される。次から次へと。
ある程度できている人と全くできていない人がいる。
そしてまた同じ文が流れる。
え、さっき流れたのと同じだから普通ならできるよね?
え、、、できない。。。再び吹き込んだ訳が生徒全員の前に公開される。
訳が少ししか良くなっていないじゃないか、、、
そんな状況に愕然とした。私ってば全然だめ。通訳ってなんて難しいの、、、と。
逆に日本語から英語の翻訳はわかりやすい。結構できる。
それは、日本人だから日本人相手が話していることが100%理解できるからだ。日本語から英語に訳するのは単語さえわかっていればそんなには難しくない。だから英→日よりも日→英が得意な人は多い。
英語だと、たとえば相手がインド人がしゃべっている教材だとしよう。癖があってまず英語に聞こえないという人が多い。
でも実際ビジネスの世界では綺麗な英語をしゃべる相手とビジネスできる可能性よりも、英語圏ではない第2外国語が英語の国の人と商談したりするケースが多いのだ。そのため通訳学校ではいろんな国の英語教材を扱っている。
相手がまず何を話しているのか聞き取れて理解できなければ通訳はできない。これは致命的だ。私もアメリカ英語は聞き取れるが、イギリス英語やオージーの英語がわかりにくかったりする。
クラスメイトに私より10歳若い男性がいた。授業の初日、そのインド人のしゃべる言葉の訳が一番上手だったのは、その彼だ。すごい。英語と思えなかったインド英語を聞き取ってしかも落ち着いてまともな訳をしていた。
英語の単語に引きずられて、まるで外国人が日本語を話すような訳になってしまう人が多かったのに彼は違った。
通訳学校がはじまったばかりだし、生徒の人達で一緒にご飯でもいきましょう、とクラスメートの1人が周りをさそった。私もせっかくなので、と思い一緒に食事にいくことにした。
その時に、その男性も参加していたので「先ほどはすごいなあ、と思いました。ちゃんと訳せてましたね!私なんて全然聞き取れなかったですよ」と話しかけた。
その男性はIくんという。
ちょっと照れた感じで、昔バックパッカーの旅でインドを旅してインド人の英語を聞き慣れている、日本でもインド人の友達がいるから、とのことだった。
へぇー。やはりインド人の友達がいると聞き取れるようになるのねぇ。
落ち着いてちゃんとした訳も出ていたし、上手に訳せてたので目立っていましたよ!などと話していた。
Iくんはどんな人なのか? 気になった。
彼は帰国子女ではない。留学したこともない。大学のときにバックパッカーで東南アジアの旅にはいった事がある、とのこと。英語は好きで、NHK語学番組ビジネス英語を勉強してきた。これは欠かさずに習慣としてやっている、という。
あと好きな映画とか好きなアニメを英語で見てひたすらセリフを覚えるくらい見まくって英語力を伸ばしてきた、という。
なるほど〜。そうやって帰国子女でもなくても英語力をのばしてきたのね〜
すごく参考になった。
(彼は努力家だったので、今ではIT企業の通訳者となりインドでよく通訳をしているらしい。)
通訳学校の先生は、帰国子女じゃないけど努力でプロの通訳者になった人達が多い。私は帰国子女の人がプロになるのが大半なのではないか、と勝手に思い込んでいたので驚いた。
通訳学校でのテクニックで英語力をのばすテクニックについてをちょっと書いてみようと思う。
1️⃣ SHADOWINGとは外国語を練習する方法のひとつ。外国語によるスピーチを聴きながら、ほぼ同時進行でそれを復唱する。リスニングと発音の練習になるほか、発話のスピードやリズムに慣れることができる。
NHK WORLDでもCNNでも教材はどれでもよいのだが、本当にこれを何度もやると自分の口が早くしゃべれるようになってくる。私は比較的話すのがゆっくりめだったのだが、この練習をするとだいぶ早くしゃべれるようにもなっていったし、英語の発音も矯正されたのでおススメだ。
2️⃣ REPRODUCTIONとは聞こえた英文を記憶し、自分で発声して英文を再現するトレーニングのこと。具体的にはどういうことをするかというと、音声を流し、一文が終わったタイミングでいったん音声を止めて、聞こえた英文のまま言い直しすること。理解したことを自分の言葉で言い直すことが重要。これはすごく集中力が増す。そしてやるほど覚えられる一文がだんだんと長くなっていく。
3️⃣ PARAPHRASING とは同じ意味の文章を異なる単語や構文を使って「言い換える」トレーニングです。これをやると、同じ事を違う単語で表現する力がついてくる。
これらは通訳学校で習ったことなのだが、お金を払わなくても工夫をすれば同じようなトレーニングはいくらでもできると思う。
そして、通訳学校に通ってみて感じたのは、帰国子女を目の敵にしているわけではないが、先生方が帰国子女にはちょっと厳しいような気がする。それは努力を怠るなかれ、といっているかのようだ。まずは帰国子女は日本語がきちんとしゃべれている人が少ない。日本語はすごく大事だ。英語での意図をきちんとつかみ、日本人が聞いてわかりやすい言葉に置き換えてあげることが必要であり、決して単語に引きずられてはいけないのだ。
一流の通訳者は言葉の魔術師のように引き出しが多い。どれも洗練された訳が出てきている。一流の通訳者の特徴としてはもともと読書家が多いため言葉のひとつひとつの選び方が素敵だったりする。
先生方に「どれくらい勉強したら先生みたいになれますか?」と聞くと、「私はいまだに常に勉強をしている。勉強には終わりはない。通訳というのは、終わりのない戦いに従事していると思った方がいい。常に苦しい。苦しくて苦しくてしょうがいないが、 常に良い表現ができるように努力しているので満足ができる訳ができたときの達成感がこの仕事をやり続けている理由なのかもしれない。」とおっしゃっていた。知的好奇心が強く、常にニュース番組もチェックしている。料理をしながらニュースなどを英語で聞き、時間を有効的に使うように心がけているという。
す、す、すごい。私にとっては尊敬しかなかった。
通訳学校から帰ってくると、すぐ勉強しようという気になれなくて、そのまま疲れて寝てしまったり。今日もあんまりうまく通訳できなかったなぁ、と凹んだり。自分自身にがっかりすることが多かった。
本科にいったときも、すぐに訳を吹き込む事ができなかったら、先生にどうしたの?寝ているのかと思ったと言われた(吹き込むことができなかった3秒の間が長過ぎたらしい)先生にはとにかく話せ、と言われたが、それも慣れてくるとだんだんできるようになっていった。
結局通訳学校には2年頑張って通ったのだが、TOEICも950まであがり、CNNなどを見て練習したことが身を結び、大分単語力や表現力の引き出しが増えたと思う。お金もかかるし3年目からはスキップしてしまったのだが、通訳学校の先生から学んだ勉強法と通訳学校の友達から学んだ勉強法は思い出した時にやるようにしている。
通訳学校では実は涙を流したこともあったし、周りの子で号泣していた子もいたし、大人になって泣くことなんて普通はないと思うんだけど、できない自分が不甲斐なくて涙がでた。
読書・表現を磨く・コツコツとSHADOWING REPRODUCTIONなどを繰り返すことを続ける事で英語力は必ず伸びる。
帰国子女ではないクラスメイトや帰国子女ではない先生方から学んだことは一生忘れない。
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