SCEでPS1互換エミュレータを開発した(5)

前話: SCEでPS1互換エミュレータを開発した(4)

PS2の発売日は2000年3月4日だった。2000年年明け前後だったろうか、エミュレータはほとんど完成していた。だが、それでもまだ一部動きがおかしくなるタイトルがあった。数タイトルがどうしてもちゃんと動かない。最終的に僕らはそれらをブラックリストとして公表しリリースすることとなった。
その後、アメリカ、ヨーロッパでもPS2が発売された。もちろん海外のPS1タイトルも動く。発売直前にはアメリカ、ヨーロッパを回ってデバッグもした。それが初めての海外だった。
100%ではなかったけれど、1万数千タイトルあるゲームのほとんどを動かすことができた。僕にとってこの仕事は今振り返ってみても一番大きな仕事だったと思う。
久夛良木さんがどこかでその仕事が世界一なのかどうかを評価基準にしろと言っていたと思う。僕が人生の中で今のところ世界一の仕事は何かと聞かれたらまずこの仕事を答える。そのくらい自慢の仕事だった。
もちろん一人の仕事じゃなかった。いろんな人に助けてもらった。間違いなく僕一人じゃできない仕事だし、僕がじゃない誰かがやってもできた仕事だとは思うけど、僕は最後までやりきったことに自信を持ちたいと思う。
そして、いつかまたこんな仕事をしてみたい、そう思う。

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。