第17話 医者や弁護士、いや世界一難しい国家試験に合格するより、はるかに難しい稼げるデイトレーダーになること

 ただし、「稼げるデイトレーダー」の定義は、その名の通り完全日計り取引を指し、スイングを併用するモドキは含みません。なぜなら、後者はデイトレ能力に関係なく、「地合い」に乗って運良く稼げる場合があるからです。
 例えば、資産200万円の買い専門の初心者デイトレーダーが、日計り取引で大きな含み損を抱えてしまった。
 仕方がないからプラテンしてから返済しようとスイングに移行した。
とやっても、アベノミクスを代表する地合いの良い時期なら、その思惑通り、年間単位で何度でも成功するわけです。
 すると、200万円が数億円に化けても全然不思議ではありません。
 それを自慢しても、世間からは、運良くあぶく銭をつかんだ不労所得者と揶揄されるでしょうが、個人的には人に真似できない度胸と運の持ち主であることには敬意を払うべきと思います。

 ただし、そこで止めておけばの話ですが・・・。

 ところが、完全日計りデイトレーダーの場合はそうは行きません。
地合いの良いアベノミクス時期だろうが、その対極にあるコロナショック時期だろうが、その全盛期は日計りで見た場合、ボラが大きく乱高下しますので買い専門の初心者デイトレーダーなら、たちまち破産します。

 完全日計りの条件で、稼げるデイトレーダーになるには、少なくとも売り買い同じ程度に使いこなせなければなりません。
 言葉を換えれば、上げ下げ両方とも運なしの能力だけで値動き予測できなければ、稼げるデイトレーダーにはなれる可能性はありません。

 そのような分かりきった戯言を実現した例は過去も現在も恐らく未来も存在しないでしょうし、もしそのようなことができるようになるなら経済は壊れるでしょう。

 だからこそ、冒頭に掲げたように、「稼げるデイトレーダー」になるのは、医者や弁護士、いや世界一難しい国家試験に合格するより、はるかに難しいというより、限りなく不可能なのです。

 ただし、ここまでの説明は未来の値動き予測のことであり、目先の値動きに手数と反射神経で勝負するスキャとは別物です。もちろん、スキャなら「稼げるデイトレーダー」になれるという意味ではありません。

 エントリーに関して大きな違いは、前者は「押し目と下げ勢いを見分け押し目買い」、「戻りと上げ勢いを見分け戻り売り」を目指しますが、後者はそれらを見分けることなく、「押し目と下げ勢いは売り」、「戻りと上げ勢いは買い」で入ります。

 一方、使う能力に関して大きな違いは、前者の主役は相場で鍛え抜かれた右脳であり、後者の主役は同じく反射神経です。
 前者には、トレード中の身体的負担は、ほぼありません。なぜなら、そもそも右脳の活性化を維持する条件が、何が起きても平常心を保つことだからです。

 後者の場合は、原理的に「押し目と下げ勢い」「戻りと上げ勢い」をそれぞれ区別しないので、▲ドカーンと一撃を恐れながらの運がらみ綱渡りとなり、緊張とプレッシャーで心臓バクバク、アドレナリン出っぱなしで疲労困憊となるでしょう。

 また、前者右脳の能力は器質的な異常が発生しない限り、年齢に関係なく無限に成長できますが、後者反射神経の能力は年齢と共に落ちていきます。
と、その前に精神や体を壊すのが先かも知れませんが・・・。

 結局、値動き予測だろうがスキャだろうが、「稼げるデイトレーダー」になるのは、限りなく不可能であると言っても過言でないほど難しいのです。

 くれぐれも、「これさえ学べば、誰でも簡単に儲かるようになれるんです」というフレーズに引っかからないように。
 簡単な見破り方は、そこに継続して稼いでいる客観的証拠を伴うかどうかだけです。

 以上、夢のない話ですが、これが現実です。

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