タッチャンの悲劇=成績を上げる本当の方法=(4)

タッチャンの悲劇=成績を上げる本当の方法=(4)

 

 今川義元の大群に突撃する時の織田信長の気持ちはどういうものだったのだろう?失敗すれば、手足を押さえつけられて生きたまま首を掻き切られてしまう。まさに命がけの判断だ。その勝利の後、信長は義元の首をとった部下ではなく、義元の居場所を教えた部下に最高の褒美を与えたと伝えられている。

 当時の常識とはかけ離れた判断だが、信長は情報の重要性を知っていたのだ。

 豊臣秀吉は、自分の参謀として竹中半兵衛を部下にしたいと考えた時に「三顧の礼」を持って接したと言われている。信長から与えられている俸禄を自分以上に半兵衛に与えたとも言われる。秀吉は、作戦の企画力が実際の戦闘より重要と判断していたらしいのだ。

 

 勝者は常に少数派。

 

 人と同じことをして、人より上に行けるなんてナンセンス。人と違うことをやらないと成功はおぼつかない。これは当たり前なのに、多くの日本人は大勢に流される。その最大の原因は、学校にある。

 私の教えていたローガン中学校では「何でもいいから人と違うことをやれ!」と教えていた。だから、アメリカ人の中には「世界一のピザを焼いてみた」のような馬鹿げた挑戦をする人が多い。しかし、一方ではGAFAのような世界的な企業も生まれる。

 

 日本の学校はどうか。「人との絆、団結が大切。和を持って尊しとなす!」と教え、出来るだけ人と違うことをやらないことを勧める。変わったことをするとイジメに会うリスクも増すのだ。アメリカと真逆と言わなければならない。

 

私が30年以上前に名古屋の大規模予備校で指導させてもらっていた時、川口さん(仮名)という優秀な生徒が来た。彼女は優秀なハードルの選手だったが、ある時コーチに向かって「もっと学校の勉強のことも考えてメニューを考えて欲しい」と言ったそうだ。そして、関係がまずくなって退部した。

彼女は学校の授業が役だたないと感じたら内職を始めた。もちろん、学校は彼女を咎めたけれど彼女はやめなかった。そして、卒業に必要な出席日数を超えた段階で登校拒否。家庭で勝手に勉強を始めた。そして、東大理Ⅲに現役合格した。

言わば、反逆児だった。

 

タッチャンは、英語の並び替え問題、穴埋め問題、書き換え問題、長文問題、英作文など、形式別に勉強していた。家庭教師の指導方針がそういうものだったらしい。

 

 私はアメリカから帰国した後、英検1級、通訳ガイドの国家試験、ビジネス英検A級、国連英検A級などに合格したが、個別の対策はあまりしていない。アメリカで、話し、聞く練習は十分だったし、話すのと書くのは同じ。聞くのと読むのは同じだ。

 

 穴埋め、並び替えばかりやっていては肝心の本物の英語力は身につかない。英語力はパズルばかりやっていても身につかない。やはり、「読み」「書く」こと長期間続ける以外にない。

 

  本当は「聞き」「話す」方がいいのだけれど、ネイティブと話す機会を定期的にとれるのは都会の金持ちだけ。地方在住の庶民は「読み」「書く」ことに専念すべき。それで、十分話せるようになります。

 でも、私の経験だとアドバイスしても実行する子は1%もいない。タッチャン同様にパズルを解くことや裏技を探すことに走る。そんな方法この世にないのにね。

 

 タッチャンは、相変わらずタレントがCMでジャンプしてアピールする予備校を選んでいた。大勢の生徒が集まる予備校が一流だと信じていたわけだ。思考が停止していて、すべての判断は「寄らば大樹」というわけだ。

 

 その行きつく先に、何が待っていたか私は知っている。

 

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