ジジイの英語から「京大英作文」への道(4)
ジジイの英語から「京大英作文」への道(4)
私は名古屋の7つの大規模予備校、専門学校、塾で14年間英語講師をさせてもらった。講師室で出会った英語講師に旧帝卒の方も英検1級に合格した方もいなかった。つまり、英検2級の講師が準1級に合格している生徒を指導していたりした。京大に落ちて同志社に行った講師が京大受験生の指導をしていた。
だから、自分で塾を開設する時も自信満々だった。ところが、四日市高校で1番、2番レベルの子が塾に来てくれたとき
「先生の指導どおりの英作文を書けば8割を超えますか?」
と、尋ねられることがあったのだ。高校の英語教師は1級レベルの人は半数しかいない。1級合格かつ旧帝卒なんて、ほとんどいない。予備校や塾はもっと酷いレベルの講師が多いから、生徒も信用していないのだ。
そこで、50歳になろうとしていた私は高校生に混じって京都大学の二次試験を受けて証明しようと思い立った。受験英語がアメリカで通用しないことは分かっていたし、ECCで学んだ英会話系のスキット暗記もダメだと分かっていた。そこで、「受験英語」「英会話」「ネイティブ英語」に書き分けてどういう評価になるか実験してみようと思い立った。
当たり前のことだが、受験英語の評価は低かった。英語検定の教本に書いてある構文や表現もイマイチだった。実際にネイティブが使っている英語の評価が最高だった。
この事実を知ってもらおうと思い、通信生の募集を始めることにした。すると、添削コメントを書くと2種類の反応が現れた。一つは
「田舎の無名講師ごときがエラっそうに!赤本の英作と全然ちがう!!」
と激怒する方たちと、
「なるほど、そういうことですか」
と、納得する方たち。
私は自分で添削を始める前に、Z会の「京大即応」を8年間続けて添削方法を研究し、河合や駿台の「京大模試」を10回受けて採点のやり方も盗んだ。徹底的に研究して、自分独自の添削方法を編み出した。
しかし、私のコメントの意味が理解できるのは京大合格レベルの子たちばかり。そういう子たちは、学校の教師や通う予備校講師のアドバイスに納得していなかったのだ。
そして、無名の個人塾なのに8年連続で京大合格者がでた。そのうち3名は医学部医学科に合格した。それを漫画化してアマゾンの電子書籍で販売し始めた。その漫画が「私の京大合格作戦」(エール出版)に2020年、2021年と連続して掲載された。アメブロのフォロワーが1000人を超えた。
その頃には
「私の言うことが分からない人は、勝手に落ちろ!」
と、思っていた。今は壁紙をはがす子も、机に落書きをする子も、月謝を踏み倒す子も、教室内の問題集を盗む子もいない。気持ちよく仕事ができる。賢い子は礼儀も正しく常識があるのだ。
ヤギには前から近づくな。馬には後から近づくな。
愚か者にはどの角度からも近づくな。
(ユダヤの格言)
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