ジジイの英語から「京大英作文」への道(7)
ジジイの英語から「京大英作文」への道(7)
言うまでもないが、塾生の子に覚悟を求めただけではない。私が京大を7回受けて実証実験を重ねたら
「お前のようなジジイが合格したら若い子の芽を摘むこと分かってんのか!」
と、ブラックメールが来た。
ここ三重県から京都大学を受けるには新幹線の往復代や宿泊代などで1回7万円はかかった。「京都からすまホテル」を定宿にしていたが、送迎バスに乗ろうとしたら父兄と間違えられて断らせそうになった。三重大でセンター試験を受けた時は不審者扱いで、警備員がとんできた。
河合塾や駿台の模試にも費用がかかったし、Z会の受講もお金がかかった。総額100万円ほどかかったと思う。
私は、アルコールは飲まない、タバコは吸わない、ギャンブルはやらない。女遊びはしない。ひたすら勉強を続けた。塾生には24時間365日、英語と数学の質問にオンラインで答え続けた。
それだけ本気にならないと生徒の方だって本気になってもらえない。
A子ちゃんはとても良いアスリートだったけれど経済的に恵まれない家庭の子だった。医者になりたいと言ったのでお金のかからない道を二人で探した。防衛大学校か自治医大が候補にあがった。母親はA子ちゃんの学費を捻出するため生命保険を解約したそうだ。それを知ったA子ちゃんは大学を諦めそうだったけれど、私はその才能が惜しいと思った。説得した。
ある日、クラブを自主引退したと聞いた。ずいぶんチームメイトに責められたようだった。彼女は一言もそんなことを言わない子だったけれど彼女の決意は目に現れていた。そんな子を相手にしていて、こちらも随分励まされた。
甘い生徒は
「こうやれば全ての問題が解けるって方法ありませんか?」
と、よく尋ねる。
そんな方法あるわけがない。
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