葉の落ちない木はない(出羽俊明)

木も草も切らずに放置された庭を、ぼーっと眺めているのもいいですよ。山にいるような気がします。原始的な山に行くのは理想的ですが、町でも工夫をすれば、それなりのことができますね。

葉の落ちない木を植えてほしいという話がありますが、葉の落ちない木はありません。常緑樹だって同じ量落ちます。ただ、落葉樹は落ちる時期が集中するんです。

都市の緑は大自然に向かって開いた小さな窓という意味でも大切です。それだけでは満足できないから郊外に出かけたり、山に行き、本当の自然と接することになります。

山の緑、町の緑の2つは、続いているものとしてみなければなりません。行政が自分のところの緑地計画をどうするかは、ちっちゃな問題です。

近くの農村に良質の緑を用意するとか、2つ、3つ県境を越えたところまで見通して考えるとか、緑化計画も大きい変革を迫られています。


高校時代、夜の海岸に雪の降るのをよく見に行きました。闇のなかで動いているのは、日本海の波と降る雪だけです。

私はたまたま21世紀に生きていますが、雪と波は何万年前と同じものです。森にはそれと同じ感覚があります。喜びというか、畏敬の念というか、名付けようがないですが、森全体に頭を下げたくなります。

たくさんの木が倒れ、その上に実が落ちて芽生え、育ちます。何万年も森の命を生き抜いています。


出羽俊明

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