細菌性髄膜炎になった娘に気付かされたこと②

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細菌性髄膜炎になった娘に気付かされたこと②

生まれてすぐに大病にかかった娘の話

命の危険

主治医は命は大丈夫とは言ってくれなかった。
高熱、痙攣、呼吸の衰え。
脳と脊髄を取り巻く膜に細菌が入ったために起こっているらしい。

ドラマのように泣き崩れることはない。
ただ茫然と現実が呑み込めないだけ。

調べてみると、死亡する確率は約30パーセント。
この数字が高いのか低いのか分からなかった。
生まれた実感がない僕が娘の死を想像する。
完全に僕のキャパを超えていた。

そして、生き残っても障害が残る可能性があると言う事も不安だった。


別病室の女性と子供

仕事が終わると病院に行く生活に戻った。
遅いと10時を超えている日もあった。

ほとんどの病室は電気が消えている。そんな中、ドアが開いている病室の中に女性と子供が見えた。

女性は子供に声をかけながら、足を拭いていた。

子どもの様子はおかしい。
うまく言い表せないが、体が硬直して子供とは思えない低い雄たけびをあげている。

時間にしたら5秒ほどだったと思う。しかし、衝撃的過ぎて目に焼き付いた。

回復に向かって

しばらく主治医は大丈夫とは言ってくれなかった。

1週間ほど経ってから命は大丈夫です。と説明を受けた。
ただ脳にダメージがあるのか、障害が残ったのかは成長してみないとわかりません。とのことだった。

障害に対する不安

偶然見かけた女性と子どもの姿が私たち夫婦とみーちゃんの未来に重なった。
みーちゃんは普通の事同じ人生は送れないのかもしれない。そんな不安があった。


この頃妻も少しおかしくなってきたのか、病室に幽霊がいるといって変えてもらった。

今聞いても、ほんとにいたと言っている。

障害に対する覚悟

時が経つにつれ、障害が残るかもしれないと言うことに覚悟が出来た。
覚悟が出来たというよりも、障害があってもなくてもどうでもよくなった。

みーちゃんは生きているのだ。

この頃から少しづつ僕は変わり始めたと思う。

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細菌性髄膜炎になった娘に気付かされたこと③

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