17人生の岐路 / 規則を守れない大人たち

前編: 16人生の岐路 / 映画製作が嫌いになったわけ
後編: 18人生の岐路 / レンアイ連鎖
ゼミの製作は一波乱も二波乱もあり、一筋縄では行かない。
さて、どこから書いて行こうか…。
取り合えず、完成までの大まかな流れから。

4月 ゼミごとのクラス分け
5月〜7月 企画、脚本の完成
⇒随時ロケハンを行う。キャストのオーディションも同時進行
8月〜9月 撮影
季節が定められている組(グループ)は時期をずらすことも可能。
ただ、12月が完成の目安なので、それにあわせて逆算して撮影を行う。
10月 撮りこぼしがある場合は再度、撮影

11月〜12月 編集
1月 上映会

一般的な流れである。
しかし、私のグループは撮影スケジュールを立てても、すぐにぐちゃぐちゃになっていくのであった。

①時間を守れない

本当に困った話だ。
私の撮影グループは、メインで、男6人、女2人だった。
話し合いを行う際に毎回、遅刻者続出だった。
みんなの事情は知らないが、寝坊する人ばかりだったので14時に設定する日々だったが、その時間帯にしても集まるのは私と、もう一人ぐらい…。
全員が揃うのはほとんどなかった。
半分以上が揃うのは集合時間の1時間後が当たり前だった。
プロデューサーを担っていたので、スケジュール管理には注意していたが、いつもイライラしていたのは間違いない。
注意しても誰一人として、次は早く来ようという意識がなかったため、だんだんと私は呆れていった。
グループは先生が独自に決めたとは言え、最悪でした。

②監督としての意識ゼロ

私のグループは、Yが監督だった。
それなのに、遅刻は当たり前の子でした。
さらに、マイペースにも程がある。
スケジュールが大分押し、撮影を考えていた時期がずれていたのにも関わらず、自分のこだわりがあるとかないとかで、脚本が全然あがらなく、ヒヤヒヤする日々だった。
また、撮影よりも、プライベートを優先することが多く、作品に対する意識が低いと感じた。
一度、撮影リハの時、Yが遅刻してきて、
「やる気なかったら別に来なくていいけど」と強気で言ったら逆ギレされたことがあった。
「別にYがいなくても問題ないけど」と言った覚えがある。
この時からYを本格的に嫌いになった。
才能はあるけど、基本的なルールを守れないYが嫌いである。
この後も何度も衝突することになる。

③撮り直し

撮影を行う中で、ラッシュと言う撮った映像を画面に写し、見る機会があった。
責任者である先生に見せたところ、とてもお怒りの模様…。
画と画の繋がりや、カットに面白みがないとのことで、9割撮った映像をゼロから撮り直し命令が出た。

正直、頭が回らないほど混乱した。
え…?今までの時間は何だったの?
さらに、スタッフ総入れ替えだった。
もう一つのグループに行けるのでは期待したけど、Yと離れることはできなかった。グループ内でのスタッフの編成だったため、規則が守れない人達全員、結局同じだった。
やる気だけがそぎ落とされた。

④警察沙汰

アホか!と思わず、言いたくなるほどのアホさに唖然。
それは、とある撮影での出来事だった。
夜……照明が必要なほどの暗さ。
ただ、電源がない。
私よりも3つ年上の男(照明スタッフ)は、一人、ふらふらといなくなった。
私や、監督を含めた演出部、そしてキャストは、撮影の確認をしていた。
さて、撮影に入ろう……
まさにその瞬間、地元の方が怒りくるって私達の中に飛び込んできた。
誰もが予想しなかった。
照明の男が、勝手に電源を取ってきたのだ。
どこか知らないお宅の電源を。
驚くよりも、普通に考えて分かるでしょ、とその男を本気でキレたくなった。
窃盗だ。
すぐに警察を呼ばれ、現場責任者の私は書類送検をされることとなった。
ただ、納得がいかない。
何故私?
責任者とはいえ、意味分からん!
こんな男のために犠牲を払いたくない。
照明の男を恨んだ。
結局、私は20歳を超えていたので、未成年のスタッフが署名をすることになった。
この男に対しては、この後の撮影も含めて、信用度はゼロになっていく。
関わりたくない人、ナンバー3に入るほどだ。

⑤雨降り鴨川

京都と言えば、鴨川。
それは別に良い。
ただ、鴨川の撮影の時に限って必ず、雨が降る。
許可取りをするために、土木事務所に足を運んだが、計5回は行った。
延期ばかりの日々でした…

⑥結局…

編集に入ったのは作品の提出期限の3週間ほど前でした。
もちろん、撮り直しもあった。
編集は関与しませんでした。Yに任せっきり。

⑦音のミス

合評と呼ばれる講評会では、慌てて編集したため、見直す時間がなく、音が一部抜けている部分がありました。
ストーリーが例えよくても、音一つでアウト。
Yは先生方から色々と怒られていた。
正直、どうでも良かった。
ただ、クレジットに自分の名前があった時は感動した。


箇条書きでまとめたが、実際はさらにたくさんの苦労がある。
本当に疲れた。
最後までやり通した自分を褒めてあげたいくらいだ。

スタッフの時間の守れなさ……というより、このグループに関わった事で私は映画製作が嫌いになったと思う。
自由を奪われたのだ。
時間も奪われたのだ。

でも、結果として残るのは過程だと思う。映画を作る上ではたくさん学べた。

別のゼミを選んでいたら…と思うけど、敢えて大変なゼミを選んだのは私である。
嫌いになった。
だけど、このメンバーで作っていなかったら得られなかったものがたくさんあると思えば、自然と前向きになれる。
マイナスなことを羅列することは簡単。
でも、私は自分に「ありがとう」と送る。


北白川派、ゼミ制作から解放された私に、一足早い春が訪れる。
この話こそ、赤裸々には綴れないが、自分にとっての分岐点でもあるので書いて行こうと思う。

続きのストーリーはこちら!

18人生の岐路 / レンアイ連鎖

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