本当にあった話「消えた若者」

夜のウォーキング、ワイヤーフレームのおじいさんに腕をつかまれそうになったその日、足早に自宅向かっていました。

深夜にもかかわらず、たまに私と同様に夜の散歩を楽しむ方々とお会いすることがあるのですが、そのときも100mほど離れたところを紺のボーダーの長袖Tシャツを着て、ブルージーンズを履いた若い男性が歩いてくるのが見えました。そして、私の手前50mほどのところで右に向きを変え、側道に入るように曲がっていきました。

そのとき、すぐに違和感を覚えました。「あれ?あそこ横に曲がれる道とか入り口ってあったっけ?」生まれ育った地域の町並み、しかも子供のころ毎日歩いていた小学校の通学路です。うちの子供たちとも時々歩きます。いくらなんでも側道を知らないわけがありません。

そのまま直進し、その若い方が曲がっていったあたりまで来て「あーやっぱり」と思いました。そこは、立派な石の壁でした。もちろん人の入れるような穴や戸口はありません。つまり曲がるような感じで行けるようなところではないんです。曲がったとすれば壁の中に消えていったと考えるのが普通です。

翌朝、二つの不思議な話を妻に話しました。腹を抱えて笑われるかと思っていたら、神妙な顔で「すぐ隣(実家)に行って線香をあげてきなよ」と言われました。今、思うと、あそこで腕つかまれてたら大変なことになっていた気がします。

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