26人生の岐路 / 就活の妥協

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2011年12月1日。大手就職サイトがオープン。
多くの就活生が携帯を片手に登録をし始めたのだ。
私もその波に乗った。
ただ、私の学力じゃ大手就職サイトは到底ムリだということを思い知らされる。
私は2012年の5月まではがむしゃらに就活をした。
説明会にも足を運んだし、選考に進むためにも履歴書も作成した。
しかし、周りの大学と比べると、その頑張りは雲泥の差である。
履歴書を作成したのは、観光系1社、イベント系2社、保育系1社だ。
計5社である。
そのうち、選考が進んだのは2社。
惜しいところまで行ったが、不採用は1次でも2次でも関係ない。
不採用は不採用なのだから。
私は一瞬で散った。5月の出来事だ。

その後、何故か私はポジティブになった。
自分なら行ける。今はやりたいことしよう。とね。
根拠のない自信である。
そんなわけで、就職活動から離脱する。

離脱した私は、卒業制作と並行しながら、旅に出た。
おきらくさんでした。
心のどこかでは焦っていたが、大丈夫と自分に魔法をかけていた。

でも、22歳の誕生日を迎える前、本気で考えた。
このままで良いのか、と。
一気に怖くなった。
とにかく正社員にならなくちゃ。
その気持ちだけで、動いた。
京都に観光に来る方と接するお仕事がしたい想いは変わらなかったので、以前から、気になっていた、自分も何度か足を運んだことがある町家を利用した京料理を出すお店に履歴書を送った。
そこは接客業や、町家の改装を行っている。
正社員の応募があったからだ。
すぐに面接に行き、採用が決まった。自分の誕生日に、だ。
まずはアルバイトから、と言う事で、研修が始まった。
もう就職活動をしなくて良い。
気持ちが軽かった。
あっという間に終わったのだ。
清々しい気分でいっぱいだった。
研修は、楽しかった。
アルバイトの方々も、店長も、正社員の方々も、やさしい人ばかりだった。
覚えることは多かったが、接客を含め、すぐに身についた。

しかし、研修を始めて1ヶ月が経とうとしている時、私はある疑問を抱いた。
このままで良いんだろうか。
正社員になりたくて、取り合えず、飛び込んだ。
でも、これって妥協だよね。
就活に妥協してる……いや、自分は人生に妥協をしたんだ。
そんな気持ちを抱くようになった。

すると、研修が一気に楽しくなくなったのだ。
接客をしている時もずっと、このままで良いのだろうか…と頭をずきずきさせた。

でも、自分の中ではすでに決心が固まっていた。
辞める、と。
お店側からしたら迷惑な人だ。
ただ、さすがに1ヶ月で辞めるわけにはいかない。
大学に迷惑がかかるかもしれないからだ。
そのため、7月〜12月まで働いて、辞めようと思った。

結局、店長との折り合いもあり、予定より1ヶ月早く、店を後にするのであった。
最後のほうは行きたくなくて、仮病をつかった。

2年生の旅館、3年生のカフェ、そして4年生の居酒屋。
どれも接客業だった。
アルバイトを通して、私は接客業は苦手であるとはっきり分かるようになる。
また、人にこきを使われるのも嫌いである。
要するにわがままなのだ。ただ、人前に立つと、燃えるのである。

私の就職活動は振り出しに戻るのであった。

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