33人生の岐路 / 血だらけの顔

前編: 32人生の岐路 / 溝の修復期間
後編: 34人生の岐路 / さよならはすぐそこ
内定をもらってから1週間後。
私は引っ越しの準備に追われていた。
とにかく部屋のものが多い。
書籍に、衣類に、作品に…。
家がゴミ屋敷となっていた。

ある日、大量の衣類を売りに出かけた。
家から自転車で15分のところにある買い取りや。
一度で済ませたかった私は、登山用のリュックに服をつめ、さらには大きな布バッグ2つに服をつめ、その状態で自転車に乗り、お店に向かった。
ただ、横着をしたことで、自転車ごと一回転をした。
ロードバイクだったため、両ハンドルにかけた鞄のうち、片方が前輪に引っかかり、そのまんま一回転。
私は顔から地面に落ちたのだ。

何が起きたのだ。
思考回路が停止した。

幸い、大学の目の前で自損した。
人があまりいない時間帯だったのも救いだった。

たまたま、私の横を通り過ぎた子に「大丈夫ですか?」と言われた。
自転車の下にうずくまり、起き上がれなかったからだ。

体よりも、顔に異変がある。
何だか分からない。
でも、顔がものすごい勢いで膨らんでいるのが分かった。
膨らむってか、腫れているのか。

声を掛けてくれた子は私の顔を見て驚いていた。
大量の血が出ていたようだ。
ティッシュがなかったため、マクドナルドで置いてある口ふきようの紙を私の顔に貼り付け、その状態で保健室に連れてってもらった。

保健室の方々も驚いた表情。
自分の顔が気になるけど、鏡を見るのは怖い。
取り合えず、状況を説明し、近くの病院に連れて行かれることとなる。
話すだけで唇がパンパンに腫れているのがよく分かる。

病院で自分の顔とご対面。
とにかく気持ち悪かった。
まぶたも、ほっぺも、すべて腫れていた。
自分の顔なのに別人みたい。
鏡の中の人物は誰なの?と錯覚してしまうほどだ。

救いだったのは、ロードバイクが故障しなかったこと。
前輪の金具が少し曲がった程度だった。修理代がかからなかった。
そして、自転車に乗っているときはハードコンタクトをつけていたが、割れていなかった。目の中で異変も起きていなかった。
不幸中の幸いでした。

ただ、翌日から私は苦労する日々を過ごすこととなる。
まず、めやにがひどかったため、目をあけようとしても目があかない。
上下のまぶたに指をあて、思いっきり開くと開いたものの、まつげが抜ける。
さらに、目が痛い。
一番の問題は治療のため、病院にいかなければならないのに外出できる顔ではなかったことだ。

包帯がまかれ、赤黒い顔で…。
極力、外に出たくなかった。
けれども、そうも言ってはいられない。
片道20分はかかる病院まで通いました。
そういえば、ガーゼに水がかかると黴菌が入るからと言う事で、髪の毛を洗えなかったな。

通院に専念し、治ったのは卒業式が過ぎた頃。
いちよう、卒業式の時には傷も消えていたけど、完治したかどうかと言ったら別である。

たくさんの衣類を出しても数百円だった。
その金額が化けたのだ。
治療費に。
なんてバカなことをしたんだろう。
本当に悔やまれる。

その時の痛々しい写真は携帯電話に保存されている。
さすがにいい思い出とはいえないけど、いつか見返した時にこんなこともあったなと思えたらいいかな。
いや、嫌だ。

自損により、卒業制作展の準備に思うように参加できなかった。
風邪により、卒業制作展の片付けに参加できなかった。

最後まで役に立たなかったのだ。
そのまま、私は卒業式へと突入して行く。

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34人生の岐路 / さよならはすぐそこ

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