失われた10年 ~俺と奴との10年戦争~
今から書くことは、俺にとって絶対に話したくない「恥」である。
でもこれを話さないと、弱い自分に向き合わないと
自分は前に進めないと思い、書くことに決めた。
ことは10年前にさかのぼる。
当時俺はデータベースのプログラミングをやっていた。
特にプログラミングの勉強はせず、マニュアルとハウツー本だけで
当時200万のソフトでやっとできたことを2万のソフトで同じことをやれるようにしたり
小さな会社ながら大手にも対抗できるようなプログラミングを作ったりした。
そのときは大手にも勝てるようなすごいソフトを作ろうと二人で分業し、協力ができていた。
しかし、次のシステムの作成段階で歯車が狂いだした。
データベースのプログラミングはほとんど俺がやっていたのだが、奴はその作り方にまで口を出してきたのだ。
奴は旧来のプログラム言語でのシステム作成の経験がある一方、俺も前回のシステムのデータベース部を完成させた自信がある。
俺も折衷案を出したものの聞く耳を持たない。
そのシステムの作成は終わった。
もう心身ともに疲れ果て、正直この仕事はもうやりたくないと思ったものの、次に別の町での同システムの作成の仕事が来た。
しかも、仕様が全く違うのだ。
官公庁のシステムでさすがにそれは問題だろう。無理に改造すればするほど悪くなっていく。
もちろん上司と部下だから俺の力量がなくて成果が出なければ怒られる。
そこはもう会社だからと割り切っているから別にかまわない。
しかし、その怒り方が問題であった。自分の子供以下のような扱いをされたのだ。
しかもその子供は隣の母屋で喧嘩して泣き喚く。
神経すり減らしてるときの子供の泣き声は史上最悪の音波兵器である。」
その日から奴は俺の倒すべき敵になった・・・。
俺が顔も見たくないほど世界で一番憎い男・・・それは実の兄であった。
奴は人をつぶす天才だと思う。
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