恋人たちの会話 ショート会話

前話: 恋人たちとの会話
場所 神戸駅改札口
時間 夕方 五時頃
彼女 「お待たせ」
彼 「アルバイトに行っていたんだろう」
彼女「ウン 本当に疲れたわ~」
彼  「どんな仕事だったの?」
彼女 「食品会社でね。やっていた仕事と言えば、袋に入っている海老とか、ホタテとか、     ベーコンとかをプラチックの容器にビニールシートをひいて袋を開封し、それに移す     だけの仕事なの」
彼 「そうなの、それだけの仕事でどうして、疲れるの?」
彼女「立ち仕事というのが一番堪えたわ~もう足がパンパンだわ」
彼 「そうか、とにかく食事に行こう」
彼女「何処に連れて行ってくれるの」
彼 「串カツなんて、あなたの口に合うかな」
彼女「美味しそうねぇ、すぐに行こうよ、とにか  く座りたいのよ」
場面、串カツ屋
彼 「ここの串カツはうまいんだぜ」
彼女「大衆的な店だわねぇ、でも座れて良かった」
店員「いらっしゃいませ、何にしましょう。
彼「まずは生中と八本のサービスセット」
彼女「私はウーロン茶と八本のサービスセットでいいわ」
店員「はい」
彼 「あなたは思考、言葉、行動が微妙に絡んで、この人生を創っている言っていたよね」
彼女「ウン」
彼「疲れたと声に出して言うのはどうかと思うんだ」
彼女「どうして?」
彼 「疲れたと声に出して言えば、そう身体の方も気持ちの方も、そちらに引っ張られるん  じゃあないかと思うんだ。」
彼女「・・・・・・・・あなたの言う通りかも知れないわ、 じゃあどうすればいいの」
彼 「そう言うことは、自分の心の中に止めておき、声に出して言わなきゃあ、いいんだよ」
彼女「そんな単純なことでいいの」
彼 「僕は、人にはあまり言っていないけど、このことを知ってからここ五年あまり、自分に  とって不都合な言葉を、つまり、疲れたとか、暑い、寒い、不平不満、愚痴なんかもあま  り口にしないように実践しているのさ」
彼女「そうなの? あなたとの会話を回想してみると、確かに否定的な言葉は少ない気がする。」
彼 「それにさ、何をやるにしても、それを楽しくやるか、つまらなくやるかによって全然違  うよ。」
彼女 「そうだわねぇ」
彼 「最近読んだ本の中で、ターシャ・テューダーの言葉で、
「たとえ、退屈で、つまらないときがあるとしても、暮らしに喜びを見出そうとすれば、きっと暮らしは、より良いものになるはずですよ」
という言葉が結構気に入っているんだ
彼女「いい言葉ねぇ、喜びの中にいるとき、人は疲れなんて知らないし、生き生きして、人   生がバラ色になっている。なんかあなたと会話して、疲れなんてどこかに吹き飛ん     でしまったわ」
彼 「それは良かったねぇ」
店員「おませしました。生中とウーロン茶、それと八本セットです。」
彼「今後の僕たちに乾杯」
彼女「乾杯」
彼女「食べようよ、いただきます。」

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