恋人たちとの会話
ある日の喫茶店にて
彼女 「お待たせ」
彼 「ずいぶん嬉しそうだね ~ 何かいいことあったの?」
彼女 「そうよ、よく分かったわね~」
彼 「そりゃあ、分かるよ、あなたの全身から喜びのオーラーが輝いているもの。それで何があったの」
彼女 「そう、家を出てくる前に、お母さんと人生について、語り合いルンルン気分で、家を出てきたの」
彼 「それは、普通の会話としては飛びすぎているね」
彼女 「そうよねぇ~それが不思議なの、母と顔を合わせた瞬間、ふっと口から出たのよ、そのおかげでルンルン気分だわ」
彼「気になるな~どんな会話だったの?」
回想 「自宅での母と娘の会話」
娘「母さん、人生って?」
母「あなたはどう思うの?」
娘「そうねぇ 私は人生は舞台装置だと思うわ、いい芝居も、悪い芝居も、様々な体験ができるのがこの人生という舞台だと思うわ」
母「その台本って誰が書いていると思うの?」
娘「それは、私自身書いているんじゃあないかしら」
母「そう、それじゃあ、あなたが今まで、楽しいことや、嫌なことを経験しているでしょう?」
娘「はい」
彼女「ん~それはむつかしいわねぇ、私自身が台本を書いているとすれば、私の望んでいない台本は書かないでしょう・・・・これはと゜ういうことかしら、でもこれだけは言えるわ どんな経験であったとしても、その経験はやがて、私の血となり、肉となり、無意味なことはないはずだわ。」
母「それは、物事の捉え方と言うこと?」
娘「そうそう、起こってしまったことは仕方がないけど、それを私自身にとってプラスとして捉え、次のステップアップとするか、いつまでも気にして、落ち込むかどちらかだわ」
母「そう、私は今あなたの考え方にものすごく感動しているの、私から説明することはないわねぇ~すでにあなたは私を越え、どんな状況でも生きていける考えを身につけたのだから、あなたを生んで良かったと思うわ」
娘「母さんにそう言ってもらえると、とても嬉しい、私も驚いているの、ふっと思い浮かぶ言葉を口にしたら、なんだかすっきりとしちゃって、次に進めそうだわ、母さん聞いてくれてありがとう」」
母「いいえ 私の方こそありがとう」
娘「じゃあ彼氏に会ってくるねぇ」
母「がんばって」
娘「はい、いい台本を書いてみせる(*´∀`*)
ふたたび、恋人たちとの会話
彼女「・・・・・・・・と言う話なの」
彼「へぇ そうなの、素晴らしい話だったね、しかし、ひとつ矛盾が残るよ?」
彼女「何が矛盾なの?」
彼「あなたの台本でいけば、ここで僕たちがこう話している会話すら、一言、一言台本に書かれ、その通りに進行していることになってしまわない? はたしてそんなこと有り得ると思うかい」
彼女「そうよねぇ~そういった点を見逃していたわ、これはどういうことかしら」
彼女「ところで~あなたは「鏡の法則」という本を読んだことがあるかしら」
彼「どんな本だい」
彼女「その本によると、人間関係は、自分の意志の反映が投影され、他人もそう言う面を見せるという話なのよ」
彼「分からないよ、もう少しかみ砕いて説明してよ」
彼女「そうねぇ~私が穏やかで人に接すれば、相手も穏やかな面を見せ、私の心が波立っていれば、相手は険しい面を見せるとと言うことなの」
彼「それは分かる気がするね、機会があれば読んでみよう」
彼女「いい本だから、今度会うとき貸すね~」
彼「ありがとう、でもさ、さきほどの疑問とどうつながっていするの?」
彼女「う~ん、困ったわ、つながっていないの~この話は今度会うまでに考えておくわ」
彼「あなたが、そう言うのであればそれでいいよ」
翌日、大学構内
彼女「おはよう」
彼「おはよう、昨日言っていた答えは出たの?」
彼女「あれからずいぶん考えたの」
彼「聞かせてよ」
彼女「人間関係が絡むと、台本に矛盾が生じるんだったわねぇ~」
彼「そうだよ、それで」
彼女「私なりに考えて見たの、この世界はいろんな関係によって成立している世界だわ。 たとえば、、今学校の中で様々な人との交流するでしょう。社会に出てからは、その中で様々な人との出会いや別れがあるわ」
彼「それは分かる、それで」
彼女「時間と共に変化し、すべては記憶として残るわけでしょう。」
彼「つまり、自分史と言うこと?」
彼女「そうそう、記憶の中では物語の一部なのよねぇ」
彼「ちょっと、それって焦点がぶれていない」
彼女「どうして」
彼女「そうよねぇ~微妙な問題だわね」
彼「一致すると言うことになれば、運命は決まっていて、人生のおもしろみは消えてしまうよ」
彼女「そうよねぇ~あなたの言うとおりだわ、しかし、こうも考えられるんじゃない。未来は決まっているけど、見えていないから、私達にとって存在していないことと同じだと思わない。」
彼「そうかも知れないねぇ、でも未来は決まっていると仮定すれば、僕が幸せになれ、金持ちになると決まっていれば、当然働く気が失せて、ぐうたらな生活をすれば、どうだろう」
彼女「それは嫌だわ、その人生の行き着く先は見えているもの」
彼「幸せで、金持ちになれないてこと」
彼女「あたりまえじゃあない」
彼「そうだよねぇ、それでは運命なんてないって言う話になり、台本なんて存在しないことになるんじゃあない。」
彼女「んーあなたはさっき「今 現在が僕たちの思考、言葉、行動が互いに絡み、今の状況を創っていることは疑いないんだけど」いっていたんじゃあない。
彼「それは青写真としてと言う話で、台本とは又違うと思うよ」
彼女「運命なんて、私は認めていないだけど、過去の私の思考、言葉、行動よって今を形作っていることは、私も賛成だわ」
彼「僕たちにできることは、明日に向かって互いにいいプランを出し合って、納得いくように努力するだけではない。」
彼女「そうねぇ じゃあ今度どこに連れて行ってくれるの?」
彼「神戸の港でもみてみる」
彼女「いいねぇ ぜひつれていって・・・・・」
数日後、彼女が電車の中で彼を見つけて…
彼女「こんばんわ」
彼 「びっくりした、偶然会うとは不思議だね」
彼女「電車の中であなたを見つけた。本当に偶然ね、こんな事ってあるんだ」
彼 「僕自身、驚いているよ」
彼女「でも、あなたと話した事を考えてみたの」
彼「今度は僕を納得させる自信はあるかい」
彼女「あなたを納得させられるか分からないけど、私は私自身納得したわ」
彼 「そうか、では聞かせて」
彼女「何処に行き、何をするかという大まかな台本は、私自身が書き、行動するけど、細かい ことつまり、その場で判断を必要とする場面は、その流れによって瞬間、瞬間に書き加えられていくと思うの」
彼 「あなたの台本には不確定な、私との会話とか友人との会話とかなどか?」
彼女「そうだわ、こういった偶然の会うといったアクシデントとか、あなたとの会話や人との 会話というのは不確定だから、始まってみなければ分からないの、それで瞬間、瞬間台本を書くと言うことに思いが到ったの~」
彼 「なるほど、それはずいぶん合理的で、矛盾のない考え方だ。僕自身興味をそそられるよ」
彼女「そうでしょう、そう言ってもらえると嬉しいし、こういった考えに到ったのは、あなたのおかげなのよ。」
彼 「ありがとう、私はただあなたの会話の中で矛盾を見つけそれを指摘したまでで、あなた自身がそれを見いだしたんだ」
彼女「ありがとう」
彼 「僕は偶然と言うことはなく、すべては思考が微妙な形で絡み合い、起きていると思うよ」
彼女「そうよねぇお互いの思考が引き合い、こうした現実が起こり、お互いのためになっているんですものね。」
電車内のアナウンス「神戸、神戸・・・・・・・・」
彼 「駅に着いたみたいだ、では降りるね、また連絡するよ。じゃあね」
彼女「お休みなさい、またねぇ」
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