大学時代に紅い蜥蜴の幽霊を見た話。

小さい頃から霊感が強いのでは?と言われます。

そういう事は自分で気づく事では無いし、
ましてや宣言をする事で身に付くことでもないので
自分から言った事はほぼ無いのですが。
ただ、
自分の目で見たものしか信用しない。
誰かが語る事を鵜呑みにしない。
これをモットーとして生きてきた自分が、
逆に自分が見てしまったのだから認めざるを得ない事象、現象が
この世界にはあるという事は
言わなければならないだろうなぁ、と思う訳です。
そんな自分がこういった話をする度に
少しばかり自分と仲の良い人から
こういう言われ方をされる事は
仕方の無い事かな、と思っているのですが。
もう8、9年くらい前の話。
自分がまだ大学生だった頃の話。
すねかじりの自分は祖父母の住まいに居候させてもらっていました。
祖父母の住まいは元々は学生に貸せるほど小さい部屋が幾つもあった
古い木造住宅だったのですが、自分が居候する頃には
一度取り壊して、すっかり新しい平屋となっていました。
しかし新しい平屋の物置や庭の一部は昔の家で飼っていた
金魚用の大きな瓶が置いてあったり、何となく古い空気を
そのまま連れ込んだような家でした。そんな家だったので
どことなくしっとりとした空気が籠っていたんですよね。
大学時代は昼も夜もそこら辺をプラプラしていたので
家には寝る時くらいしかいなかったです。
その日も深夜1時頃遊び疲れて帰り
布団を放り出して寝ようとしました。
疲れていたのか、すぐに眠る事が出来ました。
元々眠りの浅い自分は次に目を開けた時に
あまり時間が経っていない事にすぐに気づきました。
辺りがやけに明るかったので、夜明けかな、とも思ったのですが
日差しのようなものは目に入りませんでした。
暗闇に目が慣れると、辺りの明かりを頼りに暗闇のなかで
あらゆるものの輪郭がぼんやりと浮かんでくるものですが、
それが異様にくっきりと見える、という感覚が一番近いと思います。
その時の自分はそんな状態でした。
あと、その時起こったもう一つの異変ですが
起き上がろうとしても全く身体が動かないのです。
金縛りと言われるものでしょうか。
深い夜に、周りのものが異様にくっきり見えるのに
身体が一切動かない。何とも言えない不安に襲われました。
仰向けの状態で辺りを見渡すと、
見慣れた自分の部屋の窓に見慣れない物体が
張り付いていました。

その時自分が見たものは、
自分の両手をいっぱいに広げたくらいの大きさの
血糊を浴びたように、艶のある、紅い蜥蜴でした。

ゆっくり、ねっとりと動く紅い蜥蜴でした。

人間の血のようにどす黒いそれではなく、
ホラーやサスペンス映画に出てくる
非現実的な描写に登場するような紅。
床に辛うじて垂れない程度にねっとりとした
紅い液体を身体に纏った蜥蜴が
自分の部屋の窓に張り付いていたのです。
その時自分が何を思ったか。

紅い蜥蜴が自分の部屋にいる。
そう思いました。
ただ愚直にそう思ったのです。
それ以上でもそれ以下でもなく
ただそう思う事しかできませんでした。
その後の事はあまり覚えていません。

気がついたら先ほどまでと同じ仰向けの状態でしたが、
周りは今度こそ、眩しい日差しが指す、
いつもの自分の部屋でした。

いつもより疲れていたのでしょうか。
たまたま寝付きが悪かったのかも知れません。
嫌な夢を見てしまったな、と思い起き上がりました。
そして、当たり前に訪れる朝の有難さに感謝しつつ、
目の先を自分の部屋の窓に向けました。


そこには血糊と粘膜が混じったような液体が
手の平いっぱいに広げたくらい
べったりとついていたのです。

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